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ゲシュタルトクライス 新装版 ヴィクトール・フォン・ヴァイツゼッカー(著/文) - みすず書房
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ゲシュタルトクライス 新装版 知覚と運動の人間学

発行:みすず書房
A5判
408ページ
定価 5,600円+税
ISBN
9784622086178
Cコード
C3047
専門 単行本 医学・歯学・薬学

出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2017年5月8日
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紹介

「生命あるものを研究するには、生命と関りあわねばならぬ。……生命は生命あるものとしてわれわれの眼の前にある。……学問というものは、問うということの目覚めと共に、生命のまっただなかで始まったものなのである。したがって学問が生命から跳び出すありさまは、眠りからの目覚めに似ている。……生命それ自身は決して死なない。死ぬのはただ、個々の生きものだけである。個体の死は、生命を区分し、更新する。死ぬということは転化を可能にするという意味をもっている。死は生の反対ではなくて、生殖および出生に対立するものである。出生と死とはあたかも生命の表裏両面といった関係にあるのであって、論理的に互いに排除しあう反対命題ではない。生命とは出生と死である。このような生命が、われわれの真のテーマである。」(本書序より)

本書の仏訳(フーコー、ロシェによる)の序文においてアンリ・エーは、「ここに力説しようとしているのは、主体の存在の構造的発展のうちに、つまり我と我身に自己を反映させることによってはじめて世界に開かれる主体の峻烈な実存の弁証法のうちに、主体の自己自身との葛藤の意味を包摂、把握しようとする方向」なのだ、と述べている。ゲシュタルトクライス、生物学的行為の自己創造の円環性、円環形態の構造(ゲシュタルトクライス)、それは実験室、臨床、理論的思索のいずれから先に生れたとも言いえない、燃えるような生命の思想なのである。

目次


I 緒論
1 運動
  自己運動/障碍/作業原理
2 知覚
  自己運動に際しての運動の知覚――自己知覚
3 生物学的行為
  相即/からみ合い/数学的統合と生物学的統合/ゲシュタルト心理学について/感覚運動性空間表象/機能の特殊化/特殊量/知覚は感官機能の産物ではない/対象と現在/同一対象、モノガミー/構成的錯誤/ネガティヴな作業/相互隠蔽性、回転扉の原理/主体性/創造――創造主/体系的手法と生物学的手法

II 神経系の病的障碍
  末梢
1 機能変動
  圧感覚の感覚生理学的分析/圧感覚の病理学について/いわゆる力覚と固有感覚/病的な事態投影/材質の知覚について
2 運動作業の解体
  中枢性運動障碍の局在と作業原理/錐体路系/錐体外路性の運動障碍/特殊化と形式性/解剖学的観点/局在一般について/伝導路
3 時間的障碍としての機能変動
  時間概念について/触覚における時間的機能変動/空間時間的障碍
4 感覚質と専門感官の病理学について
  色彩視/自己制約
5 失調症
6 失認症の諸障碍

III 知覚の諸条件
1 解剖学的構造の諸条件
  知覚の述語形成と実在性格について
2 生理学的(類生理学的)諸機構
  刺戟、機能、対象/人為界/機能と機能構造
3 空間、時間および量
  a 体験された秩序は客観的秩序ではない/b 客観的秩序が体験の秩序を制約する/c 知覚はいくつかの可能な客観的秩序を示す/d 知覚における量の反論理/e 空間と時間は世界の中にある
4 自我と対象の出会い(相即)

IV 運動の諸条件
1 運動の解剖学的諸条件
2 運動の生理学的諸条件
3 形式の発生
  形式転換/有機体と環界との相対性としての形式/形式の発生はゲシュタルトクライスである
4 空間、時間、形式
  意図と結果の逆説的関係/不意打ちと予期/生物学的時間の構造/生物学的空間の構造

V ゲシュタルトクライス
自然哲学から生理学へ/現実性の条件としての不確定性
1 異元機能から相即原理へ
  a 学問は生命過程を精神物理的‐異元的なものとして扱う/b ゲシュタルトクライスの力動的形式。等価原理/c 符合並行論
2 主体の導入と行為の相補的一元性
  a 転機と非恒常性の自己経験/b 主体‐客体‐関係としてのゲシュタルトクライスの詳細な特徴づけ
3 パトス的範疇、根拠関係、性の円環
若干の概念の解説

「ゲシュタルトクライス」について(アンリ・エー)
訳注
解説
訳者あとがき
新装版あとがき
論文目録

著者プロフィール

ヴィクトール・フォン・ヴァイツゼッカー  (ヴィックトールフォンヴァイツゼッカー)  (著/文

1886-1957。ドイツに生まれる。代々プロテスタントの牧師、神学者、学者の家系であった。1904年テュービンゲン大学医学部に入学、のちフライブルク大学やハイデルベルク大学で生理学・哲学・内科学を学ぶ。1909年医師国家試験に合格。第一次大戦で野戦病院に配属中より神経学の研究をはじめる。1920年以後ハイデルベルク大学の内科神経科部門部長。のちに教授となり医学的人間学の構想をいだくとともに臨床的・実験的研究を続ける。第二次大戦後、ハイデルバルク大学の「臨床医学総論」講座主任教授。邦訳に『神・人間・自然』(みすず書房、1971)、『ゲシュタルトクライス』(みすず書房、1975)、『病因論研究』(講談社、1994)、『生命と主体』(人文書院、1995)、『病いと人』(新曜社、2000)、『パトゾフィー』(みすず書房、2010年)がある。

木村敏  (キムラビン)  (翻訳

1931年生まれ。1955年、京都大学医学部卒業。京都大学名誉教授。河合文化教育研究所主任研究員。精神病理学専攻。著書『異常の構造』(講談社、1973)、『時間と自己』(中公新書、1982)、『偶然性の精神病理』(岩波書店、1994)、『木村敏著作集』全8巻(弘文堂、2001)『関係としての自己』(みすず書房、2005)ほか。訳書 ビンスワンガー『精神分裂病』I・II(共訳、1960-61)、同『現象学的人間学』(共訳、1967)、フランクル『識られざる神』(共訳、1962)、ヴァイツゼッカー『ゲシュタルトクライス』(共訳、1975)『パトゾフィー』(2010)、ブランケンブルク『自明性の喪失』(共訳、1978)『目立たぬものの精神病理』(共訳、2012)、テレンバッハ『メランコリー』(1978、1985)、ハイデッガー『ツォリーン・ゼミナール』(共訳、1991、以上みすず書房)ほか。1981年第3回シーボルト賞(ドイツ連邦共和国)、1985年第1回エグネール賞(スイス、エグネール財団)、2003年第15回和辻哲郎文化賞受賞。

濱中淑彦  (ハマナカトシヒコ)  (翻訳

1933年生まれ。1960年京都大学医学部卒業。現在 名古屋市立大学名誉教授、資生会八事病院顧問。精神医学専攻。著書 『精神の科学』(共著、岩波書店、1983)『臨床神経精神医学』(医学書院、1986)『臨床精神医学講座』第1巻・第21巻(共編、中山書店、1998、1999)ほか。訳書 ボイテンディク『人間と動物』(1970)、エー『ジャクソンと精神医学』(共訳、1979)(以上みすず書房)、ヴァイツゼッカー『医学的人間学』(「精神医学」誌、1974)、エー編『無意識』(共訳、金剛出版、1987)、エカン/ランテリ=ローラ『大脳機能と神経心理学』(共訳、中央洋書出版、1989)、シッパーゲス『中世の患者』(監訳、人文書院、1993)、ラアリー『中世の狂気』(監訳、人文書院、2010)ほか。

上記内容は本書刊行時のものです。