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複雑性の探究 新装版 G・ニコリス(著/文) - みすず書房
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複雑性の探究 新装版 (フクザツセイノタンキュウ)

自然科学
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発行:みすず書房
A5判
360ページ
定価 6,400円+税
ISBN
978-4-622-08607-9   COPY
ISBN 13
9784622086079   COPY
ISBN 10h
4-622-08607-7   COPY
ISBN 10
4622086077   COPY
出版者記号
622   COPY
Cコード
C3042  
3:専門 0:単行本 42:物理学
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2017年3月25日
最終更新日
2017年3月25日
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紹介

本書は、<複雑性の科学>というパラダイムを、散逸構造理論の研究者、ニコリスとプリゴジンが論じた本格的入門書である。分岐現象、カオス、アトラクター、フラクタル、自己組織化などの概念を軸に、宇宙・生命・社会のさまざまなレベルに秩序形成過程を探り、新しい自然観・世界観を展望する。

目次

日本語版への序文
まえがき
プロローグ:転換の時代における科学

第1章 自然界における複雑性
1.1 複雑性とは何か?
1.2 物理化学系における自己組織化:複雑性の発生
1.3 熱対流、物理学における自己組織化現象の原型
1.4 化学における自己組織化現象
1.5 物理化学的複雑性と計算複雑性
1.6 我々のスケールにおける複雑な振舞いのさらにいくつかの例
1.7 再び生物系について
1.8 惑星および宇宙のスケールにおける複雑性
1.9 力と相関――まとめ

第2章 複雑系の用語
2.1 保存系
2.2 散逸系
2.3 力学的および熱力学的平衡:非平衡拘束
2.4 非線形性とフィードバック
2.5 第二法則の多様な側面
2.6 安定性
2.7 分岐と対称性の破れ
2.8 秩序と相関

第3章 動力学系と複雑性
3.1 相空間の幾何学
3.2 相空間の測度
3.3 可積分保存系
3.4 単純な散逸系における分岐:複雑性の原型の探索
3.5 2次元相空間における散逸系:リミット・サイクル
3.6 低次元系への逓減:秩序パラメータと標準形
3.7 再び相空間について:トポロジカル多様体とフラクタル
3.8 非可積分保存系:新しい力学
3.9 不安定運動のモデル:馬蹄写像
3.10 多次元相空間における散逸系:カオスとストレンジ・アトラクター
3.11 空間的に分布した系:対称性を破る分岐と形態形成
3.12 離散動力学系:セル・オートマトン
3.13 非対称性、選択、情報

第4章 乱雑性と複雑性
4.1 揺らぎと確率論的記述
4.2 マルコフ過程、マスター方程式
4.3 マルコフ過程と不可逆性:情報論的エントロピーと物理学的エントロピー
4.4 空間的相関と臨界的振舞い
4.5 時間に依存する揺らぎの振舞い:自己組織化の運動論と時間スケール
4.6 敏感さと選択
4.7 記号動力学と情報
4.8 非対称・多情報構造の発生
4.9 再び計算複雑性について

第5章 複雑性の統一理論に向けて
5.1 保存動力学系の一般的性質
5.2 散逸動力学系の一般的性質
5.3 統一への試み
5.4 確率と動力学
5.5 パイこね変換
5.6 時間対称性の破れた多様体
5.7 対称性を破る変換A
5.8 ギブズ集団とボルツマン集団
5.9 運動論
5.10 共鳴と光・物質相互作用
5.11 結びに

第6章 複雑性と知識の移動
6.1 平衡から遠く離れた条件下の非線形動力学と複雑性の模型
6.2 物質科学
6.3 細胞動力学におけるしきい値現象
6.4 気候変動の模型化
6.5 社会的昆虫の確率的振舞いと適応戦略
6.6 人間系における自己組織化

付録1 線形安定性解析
A1.1 基礎方程式
A1.2 線形安定性の原理
A1.3 特性方程式
A1.4 例
A1.5 カオス動力学を示す系

付録2 分岐解析
A2.1 一般的性質
A2.2 解の摂動級数展開
A2.3 分岐方程式

付録3 非可積分保存系における共鳴運動の摂動
A3.1 ねじれ写像
A3.2 回転数が有理数の場合の摂動の効果
A3.3 ホモクリニック点

付録4 時系列データから複雑系の動力学を再構築すること:気候変動への応用
A4.1 序論
A4.2 データ解析に対する理論的基礎
A4.3 気候のアトラクター
A4.4 結論と展望

付録5 原始の不可逆過程
A5.1 はじめに
A5.2 標準的宇宙模型
A5.3 ブラックホール
A5.4 不可逆性の役割

参考文献
訳者あとがき
索引

著者プロフィール

G・ニコリス  (ニコリス)  (著/文

1939年に生まれる。アテネ工科大学卒業後、ブリュッセル自由大学に学ぶ。ブリュッセル自由大学物理化学科教授ほかを歴任し、不可逆過程、非線形現象、複雑性の研究を行なう。著書『散逸構造』(プリゴジンと共著、岩波書店、1980)『複雑性の探究』(プリゴジンと共著、みすず書房、1993)ほか。

イリヤ・プリゴジン  (イリヤプリゴジン)  (著/文

1917-2003。モスクワに生まれる。ブリュッセル自由大学卒業。ブリュッセル自由大学物理化学科教授、ソルヴェー国際物理化学研究所長、テキサス大学統計力学・熱力学研究センター所長を歴任する。非平衡熱力学、特に散逸構造理論への貢献によって、1977年ノーベル化学賞受賞。著書『構造・安定性・ゆらぎ』(グランスドルフと共著、みすず書房、1977)『散逸構造』(ニコリスと共著、岩波書店、1980)『存在から発展へ』(みすず書房、1984)『混沌からの秩序』(スタンジェールと共著、みすず書房、1987)『複雑性の探究』(ニコリスと共著、みすず書房、1993)『確実性の終焉』(みすず書房、1997)ほか。

安孫子誠也  (アビコセイヤ)  (翻訳

1942年東京に生まれる。1964年東京大学理学部物理学科卒業。1975年東京大学大学院理学系研究科修了。理学博士。聖隷クリストファー大学名誉教授。著書『歴史をたどる物理学』(東京教学社、1981)、『エントロピーとエネルギー』(大月書店、1983)、『エントロピーとは何だろうか』(共著、岩波書店、1985)、『アインシュタイン相対性理論の誕生』(講談社現代新書、2004)、『はじめて読む物理学の歴史』(共著、ベレ出版、2007)。訳書 ヤウホ『量子力学と認識論』(共訳、旧版『量子は実在するか』東京図書、1974、改題・新装1987)、スコフェルニ『アンチ・チャンス』(共訳、みすず書房、1984)、プリゴジン『存在から発展へ』(共訳、みすず書房、1984)、クーン『科学革命における本質的緊張』(共訳、みすず書房、全2巻1987/92、合本1998)、ニコリス/プリゴジン『複雑性の探究』(共訳、みすず書房、1993)、プリゴジン『確実性の終焉』(共訳、みすず書房、1997)ほか。

北原和夫  (キタハラカズオ)  (翻訳

1946年新潟県長岡市に生まれる。1969年東京大学理学部物理学科卒業。1974年東京大学理学系大学院中退。1971-74年ブリュッセル大学物理化学科に留学。マサチューセッツ工科大学研究員、東京大学助手、静岡大学助教授、東京工業大学助教授を経て、東京理科大学教授。東京工業大学名誉教授・国際基督教大学名誉教授。著書Fluctuation Phenomena (共著、North Holland)、『統計力学』『非平衡系の科学』(1・2)(以上、講談社)、『プリゴジンの考えてきたこと』『非平衡系の統計力学』(以上、岩波書店)ほか多数。訳書 クライツィグ『技術者のための高等数学 1・常微分方程式』(共訳、培風館)、『ファインマン 経路積分の発見』(共訳、岩波書店)、ファインマン/ヒッブス『量子力学と経路積分』(みすず書房)。

上記内容は本書刊行時のものです。