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生物科学の歴史 現代の生命思想を理解するために

自然科学 ラノベ

ミシェル・モランジュ(著/文), 佐藤直樹(翻訳)
発行:みすず書房

四六判   440頁 
定価 5,400円+税

ISBN 978-4-622-08561-4   C1045

書店発売日 2017年3月11日
登録日 2017年2月13日

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書評掲載情報

2017-04-16 毎日新聞  朝刊
評者:村上陽一郎(東京大学名誉教授・科学史)

紹介

著者はフランスの分子生物学者であり、同時に歴史・哲学研究者である。本書は最先端の視座から歴史を描きながら、究極的には現代の生物学の考え方を説明し、連綿と続いてきた生命思想の流れを浮き彫りにする。
生物学内部の論争。哲学や神学および物理学・化学・地学・医学など他の学問分野との関わり。装置や技術の進歩──生物科学の知識は、どのような時代や文化の中で生れたのだろうか。現在の概念やモデルの来歴、歴史上にくり返し現れる類似や差異のゆくえを知れば、最先端の議論もよりよく理解できる。
過去と現代を行き来する、斬新な「生物科学の歴史」である。各章は、当時の考え方を当時の文脈の中で理解する、現代の考え方を明確にする、そして両者の関係を考察する、という三区分による多重構造をとっている。
たとえば生物学では、機械論的説明と発酵素の作用による化学的説明がつねに対立してきた。前者はアリストテレスやガレノスから17世紀の機械論者を経て、20世紀以後の物理学を用いる遺伝学者や分子生物学者に至り、後者は生物の自己組織化や細胞のエピジェネティックな装飾の理解へと向かった。
生物の進化史と同じく、生物科学の知識の歴史も「複雑なダイナミクス」をもつ。時代の限界と可能性のなかで、偶然に左右されつつ葛藤した人々の歩みから、読者は生物現象や生命を自ら考える土台を手にするだろう。

目次



第一章 古代ギリシアとローマ時代
事実の確認
  自然発生的な生物学/ギリシア・ローマの生物学の全体像/ヒッポクラテスの医学/アリストテレス/ガレノスの生理学/大プリニウスの博物誌/原子論者たち
時代を越えて
  ギリシアの科学、とくに生物学における実験の役割/アナクシマンドロスと原子論者──どこまでも空しい先駆者探し
現代との関係
  機械的説明と化学的説明/類比の占める位置/生物の階梯の「登場」/プリニウスの伝統/今なお存在する目的論

第二章 中世とアラブ=イスラム科学
事実の確認
  アラブ=イスラム世界/中世の西洋
時代を越えて
現代との関係
  科学の発展は既定ではない/科学の発展に対する隠れた寄与貢献

第三章 ルネサンス(16世紀)
事実の確認
  解剖学の進歩と人体の表現/博物誌の著作/医学における錬金術―― パラケルススからファン・ヘルモントへ
時代を越えて
  解剖の魅力/錬金術の占める位置/科学の社会的組織化の変化
現代との関係
  過去との適切な距離を見いだす/新たな技術と新たな誤りの源泉/服毒による老化

第四章 古典時代(17世紀)
事実の確認
  血液循環の発見/定量的実験の発達/顕微鏡の発明とその成果
時代を越えて
  血液循環は自明ではない/生物の機械論モデルとその限界/理解できない前成説/見えない変化や間接的変化
現代との関係
  眼前の機械/前成説の遺したもの/生物学における多様なアプローチを受け入れる/トランスレーショナル医学は新しくない!

第五章 啓蒙時代(18世紀)
事実の確認
  生気論/分類学―― リンネ対ビュフォン生殖の生理学/ついにわかった呼吸の機能
時代を越えて
  さまざまな姿で現れる生気論/分類学対進化/人類を分類する/プリーストリとラヴォワジエ―― まだほんの第一歩
現代との関係
  自然分類とは/植物と動物の比較/モーペルチュイは自己組織化の父か

第六章/十九世紀(1) 発生学・細胞生物学・微生物学・生理学
事実の確認
  ようやく成熟した発生学/細胞説の誕生/胚種説の展開生理学の黄金時代
時代を越えて
  細胞説の源流/哲学的な見方にとらわれた学者たち?/化学的説明と構造的モデルの対立/進化を予感させる発生学?/1859年――奇跡の年
現代との関係
  伝統的生物学諸分野の消滅/病気の内因説と外因説/脳内の機能局在についての議論

第七章/19世紀(2) 進化論・遺伝理論・生態学
事実の確認
  ラマルク―― 進化論の第一バージョン/ジョルジュ・キュヴィエの寄与/変化主義の第二波―― ダーウィン/遺伝の理論/ダーウィン理論の受容と隠蔽されたダーウィニズム/生物地理学から生態学へ
時代を越えて
  激動の歴史/遺伝の科学の誕生/生物地理学──オーギュスト・コントによれば比較科学/ダーウィニズムと生態学の複雑な関係/生物地理学/自然選択というダーウィン理論の認識論的独創性/科学と宗教/ダーウィンと人類
現代との関係
  エピジェネティクスとラマルキズムの再来/補償と生命の歴史/定向進化説の終焉?/ジョフロワ・サンティレールはキュヴィエより正しいのか/形態形成の数学的法則──葉序学の始まり/もう一人のメンデル?
 
第八章 20世紀(1) さまざまな機能生物学と分子生物学の誕生
事実の確認
  生化学/内分泌学と神経生理学/免疫学・微生物学・ウイルス学・化学療法/発生生物学と細胞生物学/メンデルの法則の再発見と遺伝学の発展/分子生物学の発展
時代を越えて
  異なる分野間の複雑なバレエ/研究対象と研究ツールのアイデンティティ/複数の説明と相反する説明?/発生誘導・ホルモン・遺伝子──遺伝子の働きのもう一つのモデル
現代との関係
  再生現象は謎の再来/情報からネットワークへ/メチニコフは外適応の発明者か/病気の説明―― 多かったり少なかったり?/今日から見ると、コロイドとは何か/遺伝学の支配的立場の終焉

第九章 20世紀(2) 進化論、生態学、動物行動学
事実の確認
  遺伝学と進化論(1900-20)/集団遺伝学の発展(1918-32)/進化の現代総合説(1937-50)/生態学/動物行動学
時代を越えて
  マルクス主義の影響/全体論(ホーリズム)と創発主義の発展/生物のエネルギー的な見方/生命という問題/科学における「総合」の過程
現代との関係
  エネルギーから情報へ/生物圏から気候温暖化へ/生物学者の責任

第十章 20世紀から21世紀へ。さまざまな総合の後に
事実の確認 
  構造生物学の発展/分子生物学と現代総合説との出会い/ゲノム配列決定/新たな先端領域としての神経科学/生物世界の新たな見方
時代を越えて
  ドグマとその転覆――プリオンの例/分子レベルの雑音/システム生物学の占める位置は/特異性を超えて/時間と生命/進化の未来を制御する/生命の神秘/依然として曖昧な人類の位置
現代との関係

終わりに

引用文献
人名索引

著者プロフィール

ミシェル・モランジュ(ミシェル モランジュ)

1950年生まれ。リモージュ大学で生物学を学び、1971年パリのパスツール研究所に入り、1978年、酵素学で学位を得る。併行してパリ第十大学でジャック・メルロー=ポンティ(モーリスの従弟)に師事して哲学を学び、1978年に分子生物学の歴史と認識論に関する学位論文で哲学の博士号取得。以来、科学者(分子生物学/細胞生物学/発生生物学)としても、歴史・哲学者としても活躍。著書『生物科学の歴史』(Editions du Seuil, 2016〔佐藤直樹訳、みすず書房、2017〕)のほか、分子生物学の歴史やそのフランス学派の特徴などに関する著作もある。最近の研究テーマは、「生命とは何か」、化身、ポストゲノムの正確な意味、生物学の学際研究の難しさなど。現在、パリ第六大学とパリ高等師範学校(ENS)の教授、ENSの科学史科学哲学センター長。生物学の歴史・哲学・社会学に関する国際学会(ISHPSSB)会長も務める。

佐藤直樹(サトウナオキ)

1953年、岐阜市生まれ。東京大学理学部生物化学科卒業。同大学院理学系研究科博士課程生物化学専門課程単位取得退学、同年、理学博士。東京学芸大学教育学部助教授、埼玉大学理学部教授をへて、2004年より東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻・生命環境科学系教授。専門は植物ゲノム・生命科学・生物情報解析など。著書に『エントロピーから読み解く 生物学──めぐりめぐむ わきあがる生命』(裳華房)、『40年後の『偶然と必然』──モノーが描いた生命・進化・人類の未来』(東京大学出版会)、共著に『光合成の科学』(同)、『生命科学』(羊土社)など。訳書にクリストフ・マラテール『生命起源論の科学哲学──創発か、還元的説明か』、ジャン・ドゥーシュ『進化する遺伝子概念』、ミシェル・モランジュ『生命科学の歴史――現代の生命思想を理解するために』(以上みすず書房)など。

上記内容は本書刊行時のものです。