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出版者情報
トリエステの亡霊
サーバ、ジョイス、ズヴェーヴォ
- 書店発売日
- 2017年2月11日
- 登録日
- 2017年1月23日
- 最終更新日
- 2017年2月14日
紹介
アドリア海に面した港湾都市トリエステ。この町の名は、須賀敦子の本を通してよく知られている。オーストリア=ハンガリー帝国支配下、過ぎし日の栄光と繁栄が消え残る20世紀初頭、ここに三人の詩人と小説家がいた。
「イタロ・ズヴェーヴォ、ジェイムズ・ジョイス、ウンベルト・サーバ……私がトリエステに到着した時点では、もちろん、彼らが亡くなってからずいぶんたっていた。リテラリー・トリエステ。そのテーマで私は本を書くつもりだった。ヴィジョンを喚起する力があったなら、私には本でできた町が見えていたことだろう。『老年』『トリエステとひとりの女』『ジアコモ・ジョイス』『ポームズ・ペニーチ』『ゼーノの意識』、そして、これらの本に関する本。私はまだ読んだことがなかったが、奇妙な名前をもった作家たちの本。ベンコ、ズラタペル、バズレン、ミヒェルシュテッテル、ジョッティ、ストゥパリヒ、マリン……。ようするに本書は、亡霊の町について亡霊が語ったゴースト・ストーリーである。それは、ほとんど本を通じて知ったにすぎない過去を思い出しながら、温かな暮らしが流れてゆく姿を見る物語。そのムードは、めまぐるしく姿を変える幻影のよう。ただし、マ・ノン・トロッポ。ほどほどに」(本文より)
歴史・言語・芸術の枠をこえ、ミステリーの雰囲気とマニアックな学識をただよわせる、文学紀行の名品。
目次
まえがき
いくつかの重要な日付
ミラマーレ
上へ
三つのトリエステ
地図製作の愉しみ
トリエステの三人の殉教者
忠実に待つ
タブロー・モール
フェアヴューのぬかるみ
見出されたトリエステ
市民庭園の三巨匠
三つの別れ
付録
翻訳
登場人物名簿
リテラリー・トリエステ、その存在証拠
原注
参考文献
謝辞
トリエステ関連年表補遺(訳者あとがきに代えて)
上記内容は本書刊行時のものです。