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出版者情報
ヴァルター・ベンヤミン/グレーテル・アドルノ往復書簡 1930-1940
発行:みすず書房
A5判
416ページ
定価
7,800円+税
- 書店発売日
- 2017年11月16日
- 登録日
- 2017年10月20日
- 最終更新日
- 2017年11月9日
書評掲載情報
2017-12-24 |
東京新聞/中日新聞
朝刊 評者: 細見和之(京都大学教授・ドイツ思想) |
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紹介
20世紀の知的アヴァンギャルドとして輝きを放ちつづけるベンヤミンと、やがて彼の盟友テオドーア・アドルノの妻となるグレーテル。二人が交わした180通の書簡を集成する。
「わたしは子供を産むことはないでしょうから、あなたを養子にします」(グレーテル、1933年)。
ナチ党の政権奪取後、グレーテルは亡命したベンヤミンを文通と送金によって精神的、経済的に支えつづけた。
ベンヤミンはグレーテルに、読書や執筆の計画、アイデアを書き送った。困窮、孤独や不安も隠さなかった。実現しなかった企画、掲載されなかった原稿、もつれる人間関係……手紙には、研究対象を追い求める不器用なベンヤミンの姿が表れる。「早くお返事をください。あなたがいてくださることを、今またとても必要としています」(ベンヤミン、1939年)
戦争勃発後、行き場をなくしたベンヤミンは死の数か月前、20年間の突破口である考えを書きとめた、それをあなたに手渡したいという意図を、グレーテルに伝えた。のちに「歴史の概念について」と呼ばれるテーゼである。
本書は、ベルリンのユダヤ知識人コミュニティの残照を記録し、またベンヤミンが「パサージュ論」やさまざまな原稿を執筆した状況を伝える歴史・思想史上の証言である。秘密の情熱を絶やさないままに、試練に鍛えられた男女の友情の稀有なドキュメントが、困難の中で人間のつながりとは何かを照らし出す。
目次
ヴァルター・ベンヤミン グレーテル・アドルノ往復書簡 1930-1940
編者あとがき
訳者解説 ベンヤミンの命を救った手紙
文献の省略表記一覧
人名索引
上記内容は本書刊行時のものです。