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ヴァルター・ベンヤミン/グレーテル・アドルノ往復書簡 1930-1940 H・ローニツ(編集) - みすず書房
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ヴァルター・ベンヤミン/グレーテル・アドルノ往復書簡 1930-1940 (ヴァルターベンヤミングレーテル アドルノオウフクショカンセンキュウヒャクサンジュウセンキュウヒャクヨンジュウ)

哲学・宗教
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発行:みすず書房
A5判
416ページ
定価 7,800円+税
ISBN
978-4-622-07989-7   COPY
ISBN 13
9784622079897   COPY
ISBN 10h
4-622-07989-5   COPY
ISBN 10
4622079895   COPY
出版者記号
622   COPY
Cコード
C1010  
1:教養 0:単行本 10:哲学
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2017年10月20日
最終更新日
2017年11月9日
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書評掲載情報

2017-12-24 東京新聞/中日新聞  朝刊
評者: 細見和之(京都大学教授・ドイツ思想)
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紹介

20世紀の知的アヴァンギャルドとして輝きを放ちつづけるベンヤミンと、やがて彼の盟友テオドーア・アドルノの妻となるグレーテル。二人が交わした180通の書簡を集成する。
「わたしは子供を産むことはないでしょうから、あなたを養子にします」(グレーテル、1933年)。
ナチ党の政権奪取後、グレーテルは亡命したベンヤミンを文通と送金によって精神的、経済的に支えつづけた。
ベンヤミンはグレーテルに、読書や執筆の計画、アイデアを書き送った。困窮、孤独や不安も隠さなかった。実現しなかった企画、掲載されなかった原稿、もつれる人間関係……手紙には、研究対象を追い求める不器用なベンヤミンの姿が表れる。「早くお返事をください。あなたがいてくださることを、今またとても必要としています」(ベンヤミン、1939年)
戦争勃発後、行き場をなくしたベンヤミンは死の数か月前、20年間の突破口である考えを書きとめた、それをあなたに手渡したいという意図を、グレーテルに伝えた。のちに「歴史の概念について」と呼ばれるテーゼである。
本書は、ベルリンのユダヤ知識人コミュニティの残照を記録し、またベンヤミンが「パサージュ論」やさまざまな原稿を執筆した状況を伝える歴史・思想史上の証言である。秘密の情熱を絶やさないままに、試練に鍛えられた男女の友情の稀有なドキュメントが、困難の中で人間のつながりとは何かを照らし出す。

目次

ヴァルター・ベンヤミン グレーテル・アドルノ往復書簡 1930-1940

編者あとがき
訳者解説  ベンヤミンの命を救った手紙
文献の省略表記一覧
人名索引

著者プロフィール

伊藤白  (イトウマシロ)  (翻訳

1976年山口生まれ。専門はドイツ文学。国立国会図書館を経て現在、学習院大学文学部准教授。著書に『トーマス・マンの女性像 自己像と他者イメージのあいだで』(彩流社、2014)、翻訳に『ドイツ図書館入門 過去と未来への入り口』(日本図書館協会、2011)、『ヴァルター・ベンヤミン/グレーテル・アドルノ往復書簡 1930-1940』(共訳、みすず書房、2017)など。

鈴木直  (スズキタダシ)  (翻訳

1949年東京生まれ。ドイツ思想史専攻。東京大学教養学部ドイツ分科卒業、同大学院比較文学比較文化修士課程修了、博士課程退学。東京医科歯科大学教養部教授を経て、東京経済大学経済学部教授(社会思想史)。著書に『輸入学問の功罪』(ちくま新書、2007)、『マルクス思想の核心』(NHK出版、2016)、訳書にマルクス『資本論』第一巻(共訳、筑摩書房)、ベック『〈私〉だけの神』(岩波書店、2011)、シュヴェントカー『マックス・ウェーバーの日本』(共訳、みすず書房、2013)、シャバス『勝者の裁きか、正義の追求か』(岩波書店、2015)、シュトレーク『時間かせぎの資本主義』(みすず書房、2016)、『ヴァルター・ベンヤミン/グレーテル・アドルノ往復書簡 1930-1940』(共訳、みすず書房、2017)などがある。

三島憲一  (ミシマケンイチ)  (翻訳

1942年東京生まれ。大阪大学名誉教授。主著に『ニーチェ』『戦後ドイツ』(ともに岩波新書)、『ベンヤミン 破壊・収集・記憶』(講談社学術文庫)、『歴史意識の断層』(岩波文庫)、翻訳にベンヤミン『パサージュ論』(共訳、岩波書店)、ハーバーマス『近代 未完のプロジェクト』(岩波現代文庫)、レーヴィット『ヘーゲルからニーチェへ』(岩波文庫)、『ヴァルター・ベンヤミン/グレーテル・アドルノ往復書簡 1930-1940』(共訳、みすず書房)など。

上記内容は本書刊行時のものです。