書店員向け情報 HELP
出版者情報
ジャコメッティ 彫刻と絵画
- 書店発売日
- 2018年6月23日
- 登録日
- 2017年6月13日
- 最終更新日
- 2018年6月18日
書評掲載情報
2018-08-18 |
朝日新聞
朝刊 評者: 椹木野衣(美術批評家) |
2018-07-22 |
読売新聞
朝刊 評者: 鈴木幸一(インターネットイニシアティブ会長CEO) |
MORE | |
LESS |
紹介
「わたしは風物を見ることにそれほど関心がない。なぜなら、テーブル上のひとつのコップが以前よりもずっとわたしを驚かすからだ。(…)見えるとおりのコップを描こうとすることは、かなり控え目な企てのようにみえる。とはいっても、それは事実上不可能だとわかっているので、それが控え目なのか傲慢なのかさえももはやわからないのだ」(A・G)
「芸術家は、写生で仕事をしながらたがいに変化し矛盾する記憶の集積を構築しようが、あるいは記憶で仕事をしながら自分が見てきた思い出の総合を組み立てようが、けっして目的に達しえない。ジャコメッティの作品は、自分が見ているものをコピーしようとしてきたすべての芸術家が知る絶望を剝き出しにしておく。同時にそれは、いままでに見たいっさいのものとまさに同じ堅い核が存在するということ、そしてそれが固定化され、保存され、不滅のものであるかのように表現されうるということの主張なのである」(D・S)
ジャコメッティの彫刻はなぜかくも細いのか…。1948年に出会って以来親しく交流、矢内原伊作と同様にモデルとしてポーズをとり、ロンドンでの大回顧展をも実現させたイギリス人美術批評家・キュレーターによる金字塔的エッセイ。見ること、見たものを再現すること、そして創造することの意味を「全身芸術家」とともに考えつづけた半世紀の軌跡。1964年9月、著者を聞き手におこなわれたジャコメッティ・BBCインタビューを完全収録。
目次
まえがき
I
消え去るものの不滅化
暗闇のなかの盲目の男
時空の円板
対立するものの関連性
ヴィジョンの残余
II
罠
わずかな変化とともに
失敗と発見
まったく見知らぬもの
単独者の現前
静寂のようなもの
ジャコメッティ・インタビュー
注
伝記的覚え書
謝辞
訳者あとがき
上記内容は本書刊行時のものです。