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量子力学と経路積分[新版] R. P. ファインマン(著/文) - みすず書房
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量子力学と経路積分[新版] (リョウシリキガクトケイロセキブンシンパン)

自然科学
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発行:みすず書房
A5判
392ページ
定価 5,800円+税
ISBN
978-4-622-07897-5   COPY
ISBN 13
9784622078975   COPY
ISBN 10h
4-622-07897-X   COPY
ISBN 10
462207897X   COPY
出版者記号
622   COPY
Cコード
C1042  
1:教養 0:単行本 42:物理学
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2017年2月13日
最終更新日
2017年3月1日
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紹介

経路積分法は、量子のふるまいの直観的描像を捉え、取扱いの困難な諸問題にアプローチする有力な方法論として知られる。つねに直観的描像と理論の接点を意識していたファインマンの大きな遺産である。
本書では経路積分の概念を用いて量子力学の諸法則が記述され、シュレーディンガー方程式表示とのつながりが提示される。そのうえで、摂動論、統計力学、量子電気力学、変分原理などの諸領域が多くの具体例とともに扱われる。そこには、さまざまな系における経路積分の可能性を探るファインマンの苦闘の痕が刻まれており、読者は非凡なセンスをもった物理学者の洞察、きらめくアイデアに触れることができる。
また、ここにはファインマンが経路積分法に託していた大きな構想も、声高にではないがはっきりと提示されている。例えば、「エネルギー準位があるのにもかかわらずエネルギー準位に触れないようにすることの唯一の弁明は,そうすることによって物理過程の深い理解が得られるのではないかという期待であり,またおそらくもっと強力な統計力学の方法の出発点となるのではないかという期待であろう」(第10章 統計力学)。ファインマンの構想は、果敢であっただけでなく、予見的でもあった。パイオニアだけが見ることのできた地平を、本書は垣間見せてくれる。
初版から40年を経て、原著はスタイヤーにより校訂がほどこされた。本書は原著校訂版(2010年刊)を底本としている。

目次

序文
校訂版への前書き

第1章 量子力学の基本概念
第2章 量子力学の運動法則
第3章 特別な例によって概念を展開する
第4章 量子力学のSchrödinger表示
第5章 観測と演算子
第6章 量子力学における摂動論
第7章 遷移要素
第8章 調和振動子
第9章 量子電気力学
第10章 統計力学
第11章 変分法
第12章 確率論における諸問題

付録A 役に立つ積分
付録B 校訂者による注

訳者あとがき
新版へのあとがき
2017年版へのあとがき
索引

著者プロフィール

R. P. ファインマン  (ファインマン)  (著/文

1918-1988。ニューヨーク市に生まれる。1939年マサチューセッツ工科大学卒業。プリンストン大学大学院に学び、1942年博士号を取得。その後、原爆開発のマンハッタン計画に参加。1945‐50年コーネル大学助教授。1950年以後はカリフォルニア工科大学教授。1965年、量子電気力学の構成の業績で、シュヴィンガー、朝永振一郎と共にノーベル物理学賞を受賞。学部学生向けの教科書「ファインマン物理学」シリーズ(岩波書店)や、『ファインマン 統計力学』(シュプリンガー・ジャパン)をはじめとする独創的で魅力溢れる物理学書は世界中で読まれている。『物理法則はいかにして発見されたか』(ダイヤモンド社、のち岩波現代文庫)、『光と物質のふしぎな理論──私の量子電磁力学』『ご冗談でしょう、ファインマンさん──ノーベル賞物理学者の自伝』(いずれも岩波書店)などの著作も多くの読者に親しまれている。

A. R. ヒッブス  (ヒッブス)  (著/文

1924‐2003。ファインマンの講義をまとめて『量子力学と経路積分』の出版に尽力。また、『ご冗談でしょう、ファインマンさん』に序文を寄せ、学生時代に接したファインマンの人柄を描いている。元カリフォルニア工科大学ジェット推進研究所所員。

D. スタイヤー(校訂)  (スタイヤー)  (著/文

理論物理学者。オバーリン大学物理学部門John and Marianne Schiffer教授。著書に、Relativity for the Questioning Mind (Johns Hopkins University Press); The Strange World of Quantum Mechanics (Cambridge University Press); Quantum Mechanics Simulations (共著、John Wiley & Sons)ほか。

北原和夫  (キタハラカズオ)  (翻訳

1946年新潟県長岡市に生まれる。1969年東京大学理学部物理学科卒業。1974年東京大学理学系大学院中退。1971-74年ブリュッセル大学物理化学科に留学。マサチューセッツ工科大学研究員、東京大学助手、静岡大学助教授、東京工業大学教授、国際基督教大学教授を経て、東京理科大学教授。東京工業大学名誉教授・国際基督教大学名誉教授。著書に、Fluctuation Phenomena (North Holland)、『統計力学』『非平衡系の科学』(1・2)(以上、講談社)、『プリゴジンの考えてきたこと』『非平衡系の統計力学』(以上、岩波書店)ほか多数。訳書に、クライツィグ『技術者のための高等数学 1 常微分方程式』(共訳、培風館)、ニコリス/プリゴジン『複雑性の探究』(共訳、みすず書房)、『ファインマン 経路積分の発見』(共訳、岩波書店)、ファインマン/ヒッブス『量子力学と経路積分』(みすず書房)。

上記内容は本書刊行時のものです。