版元ドットコム

探せる、使える、本の情報

文芸 新書 社会一般 資格・試験 ビジネス スポーツ・健康 趣味・実用 ゲーム 芸能・タレント テレビ・映画化 芸術 哲学・宗教 歴史・地理 社会科学 教育 自然科学 医学 工業・工学 コンピュータ 語学・辞事典 学参 児童図書 ヤングアダルト 全集 文庫 コミック文庫 コミックス(欠番扱) コミックス(雑誌扱) コミックス(書籍) コミックス(廉価版) ムック 雑誌 増刊 別冊
普遍的価値を求める 許紀霖(著) - 法政大学出版局
.
【利用可】

書店員向け情報 HELP

書店注文情報

在庫ステータス

在庫あり

取引情報

取引取次: ト|ニ|楽天|中|八木
直接取引:あり(その他)

出版社への相談

店頭での販促・拡材・イベントのご相談がありましたらお気軽にご連絡ください。

普遍的価値を求める (フヘンテキカチヲモトメル) 中国現代思想の新潮流 (チュウゴクゲンダイシソウノシンチョウリュウ)

このエントリーをはてなブックマークに追加
四六判
358ページ
上製
価格 3,800円+税
ISBN
978-4-588-01121-4   COPY
ISBN 13
9784588011214   COPY
ISBN 10h
4-588-01121-9   COPY
ISBN 10
4588011219   COPY
出版者記号
588   COPY
Cコード
C1310  
1:教養 3:全集・双書 10:哲学
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2020年8月8日
書店発売日
登録日
2020年6月16日
最終更新日
2022年3月11日
このエントリーをはてなブックマークに追加

書評掲載情報

2020-09-26 日本経済新聞  朝刊
評者: 加藤徹(明治大学教授)
MORE
LESS

紹介

普遍という概念は、いまもなお警戒されている。西洋近代も日本も自らを普遍と称し、それは数え切れない暴力を引き起こしてきた。では中国はどうなのか。本書は、中国中心主義や中国特殊論の批判を踏まえて、価値相対主義に陥ることなく、「共に享受する普遍性」としての「新天下主義」を提唱し、文明、文化、国家へと議論を展開する。真に多様性・多元性を尊重するための思考とともに、《ウニベルシタス》もまた、新たに始動する。

目次

序 普遍性の再建――新天下主義と現代中国思想

第Ⅰ部 来たるべき東アジア
第一章 新東アジア秩序の構想――EU式の運命共同体
 一 古代から現在までの四種類の東アジア秩序
 二 帝国秩序から共同体秩序への転換
 三 EU式運命共同体の存在を支える三本の柱
 四 「国家的視野における東アジア」から「東アジア的視野における国家」へ

第二章 世界的な保守主義時代の到来
 一 三つの本位的保守主義の台頭
 二 世俗と宗教︱近代文明の苦境
 三 ポリティカル・コレクトネスは正しいのか、いかに正しいのか

第三章 新天下主義と中国の内外秩序
 一 天下主義の普遍的価値
 二 脱中心化し、脱ヒエラルキー化した新たな普遍性
 三 天下の内部秩序――多元一体の国家統治
 四 天下の外部秩序――国民国家主権という観念を超える
 五 東アジア運命共同体はいかにして可能か

第Ⅱ部 自由主義を問い直す
第四章 中国は何を根拠に世界を統治するのか

第五章 二つの啓蒙――文明的自覚か、文化的自覚か
 一 文明的自覚と文化的自覚
 二 新文化運動は最初の文明的自覚である
 三 九・一八事変後の文化的自覚
 四 「よい」文明と「われわれの」文化

第六章 自由主義はなぜ枢軸文明に接続しなければならないのか
 一 自由主義の文明的基礎に関する三つの選択肢
 二 包括的な文明としての自由主義は可能か
 三 なぜ信仰と理性はともに重要なのか
 四 なぜ自由な選択は善を必要とするのか

第Ⅲ部 国家主義を超えて
第七章 普遍的文明か中国的価値か――中国の歴史主義思潮への批判
 一 八〇年代の普遍的理性から九〇年代の啓蒙の歴史化へ
 二 普遍性に挑戦する――歴史主義の勃興
 三 普遍性を争う――中国の興隆を背景として
 四 「殊途同帰」、「分道揚鑣」から「理一万殊」へ

第八章 中国にはリバイアサンが必要なのか――国家主義思潮への批判
 一 左から右へ――国家主義の二つの思想の脈絡
 二 「応答的民主主義」か「応答的権威主義体制」か
 三 シュミット主義の亡霊――国家の絶対的な権威
 四 呪術化に向かう国家理性

第九章 儒家の孤魂、身体はどこに
 一 王官の学は袋小路である
 二 心の宗教への転換――欲することはできても求めることはできない
 三 「文教」としての儒家――希望は民間にあり

付録 対話(許紀霖・中島隆博・石井剛・鈴木将久・林少陽・王前)

監訳者あとがき 許紀霖――普遍の擁護者

出典と翻訳担当者一覧

人名索引

著者プロフィール

許紀霖  (キョ キリン)  (

(Xu Jilin)
1957年生まれ。華東師範大学歴史系教授。主に20世紀中国思想史と知識人研究及び上海都市文化研究を行っている。著作に、『中国知識人十論』(『中国知識分子十論』、復旦大学出版社、2003)、『啓蒙の自己瓦解』(『啓蒙的自我瓦解』共著、吉林出版集団、2007)、『現代中国の啓蒙と反啓蒙』(『当代中国的啓蒙與反啓蒙』、社会科学文献出版社、2011)、『家国天下―近代中国における個人・国家・世界のアイデンティティ』(『家国天下:現代中国的個人、国家與世界認同』、上海人民出版社、2017)、『中国の出番? 富強から文明崛起への歴史的論理』(『中国時刻?従富強到文明崛起的歴史邏輯』、香港城市大学出版社、2019)、Rethinking China’s Rise: A Liberal Critique (Cambridge University Press, 2018)などがある。2004年には『南方人物週刊』によって中国を代表する公共的知識人50名のひとりに選ばれ、『中国知識人十論』は2005年中国国家図書館文津図書賞を受賞、『中国の出番?』は香港の『亜洲週刊』によって2019年十大中国語良書のトップに選ばれている。

中島隆博  (ナカジマ タカヒロ)  (監訳

1964年生まれ。東京大学東洋文化研究所教授。専門は中国哲学、世界哲学。主な著作に、『残響の中国哲学――言語と政治』(東京大学出版会、2007)、『荘子――鶏となって時を告げよ』(岩波書店、2009)、『共生のプラクシス――国家と宗教』(東京大学出版会、2011)、『悪の哲学――中国哲学の想像力』(筑摩書房、2012)、『思想としての言語』(岩波書店、2017)、『コスモロギア――天・化・時』(編著、法政大学出版局、2015)、『法と暴力の記憶――東アジアの歴史経験』(共編著、東京大学出版会、2007)、『世界哲学史』(全8巻、共編著、筑摩書房、2020)、アンヌ・チャン『中国思想史』(共訳、知泉書館、2010)など。

王前  (オウ ゼン)  (監訳

1967年生まれ。東京大学教養学部附属東アジア・リベラルアーツ・イニシアティブ特任准教授。専門は政治哲学、思想史。主な著作に、『中国が読んだ現代思想――サルトルからデリダ、シュミット、ロールズまで』(講談社、2011)、『近代日本政治思想史――荻生徂徠から網野善彦まで』(共著、ナカニシヤ出版、2014)、『現代中国のリベラリズム思潮――1920年代から2015年まで』(共著、藤原書店、2015)など。

及川淳子  (オイカワ ジュンコ)  (

中央大学文学部准教授。主な著作に、『現代中国の言論空間と政治文化――「李鋭ネットワーク」の形成と変容』(御茶の水書房、2012)など。

徐行  (ジョ コウ)  (

1981年生まれ、北海道大学大学院法学研究科准教授。主な著作に、『要説中国法』(共著、東京大学出版会、2017)など。

藤井嘉章  (フジイ ヨシアキ)  (

1987年生まれ。東京外国語大学特別研究員。主な著作に、「本居宣長の俗語訳論――徂徠・景山の系譜から」(『日本語・日本学研究』第9号、2019)など。

上記内容は本書刊行時のものです。