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夏目漱石
非西洋の苦闘
発行:勉誠出版
A5判
400ページ
定価
4,800円+税
- 書店発売日
- 2017年2月28日
- 登録日
- 2017年1月26日
- 最終更新日
- 2017年1月26日
紹介
漱石の『クレイグ先生』を読んだ魯迅は仙台で習った藤野先生が懐かしくなった。
師弟関係の刺戟伝播こそ文化の伝播なのである。
「そのうちに中国から日本へとふたたび留学生が自由に渡航してくるような日があれば―その日が近いことを祈るが―そうした外国留学体験者は必ずや新しい目で魯迅の『藤野先生』を読み返すにちがいない。」
著者平川は漱石と魯迅の関係にふれつつ、文化大革命の最中にすでにそんな期待を述べていた。
本書は、中国一辺倒だった日本のチャイナ・スクールとは、品質も品格も違う、そんな自由な精神による日英中比較文学の先駆であり、古典である。来日した中国留学生が愛読したのはけだし当然であろう。
目次
第一部 クレイグ先生と藤野先生─漱石と魯迅、その外国体験の明暗─
まえおき
第一章 夏目漱石とクレイグ先生
第二章 魯迅と藤野先生
第三章 魯迅と漱石先生
第二部 漱石のあばたづら、鼻、白いシャツ─執筆衝動の裏にひそむもの─
第三部 詩の相会うところ、言葉の相結ぶところ─漱石における俳諧とシェイクスピア─
第一章 シェイクスピアと俳諧
第二章 日本美の自己主張
第三章 クレオパトラと藤尾
第四部 クレイグ先生ふたたび─漱石の小品とルーカスの随筆─
講談社学術文庫版へのあとがき
解 説 劉岸偉
国文学徒の眼を世界に開かせた本 西原大輔
著作集第三巻に寄せて─北京の一夜─ 平川祐弘
上記内容は本書刊行時のものです。