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森有礼が切り拓いた日米外交 国吉栄(著/文) - 勉誠出版
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森有礼が切り拓いた日米外交 (モリアリノリガキリヒライタニチベイガイコウ) 初代駐米外交官の挑戦 (ショダイチュウベイガイコウカンノチョウセン)

歴史・地理
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発行:勉誠出版
A5判
320ページ
定価 4,800円+税
ISBN
978-4-585-22213-2   COPY
ISBN 13
9784585222132   COPY
ISBN 10h
4-585-22213-8   COPY
ISBN 10
4585222138   COPY
出版者記号
585   COPY
Cコード
C1021  
1:教養 0:単行本 21:日本歴史
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2018年6月13日
最終更新日
2018年6月29日
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紹介

着任から帰国までを、大量の新史料を駆使して描く。
信教の自由、学校制度、女子教育、図書館・精神病院の設立等々。森の広範な活動の軌跡をたどりつつ、非業の死に至る出来事をも浮き彫りにする。
米国務長官からの厚き信認と、岩倉使節団との深刻な対立。日本の進むべき道を模索し続けた真の姿に迫る。
史料発掘者が描き出す新たな森有礼像。

目次

目 次

はじめに i

第一部 初代駐米外交官森有礼の出発
はじめに
第一章 エドワード・キンズレーとの出会い
(一) 実証的資料に基づく新たな視点を
大陸横断途上の予定変更/キンズレー口述記Arinori Mori
(二)重要な岐路
ブロクトンではなくボストンへ/多彩な有力者たちとの知遇を得る/ハリス傘下から踏み出す
第二章 森有礼の著作について
(一)Life and Resources in America
章立てと単行本刊行時期の検討/「ランマン執筆」も疑問?
(二)Education in Japan
友人たちからの回答集/興味深い序文/祖国再建への問題意識
(三)Religious Freedom in Japan
自分の道をじっくりと進み、決して行程を変えなかった/まず「宗旨一条伺」で政教分離を主張/存在しないものとして扱われる? 献上聖書と同じか?
第三章 豊富な情報
(一)キンズレーが語った興味深いことども
(二)新島襄との関係
キンズレーが設定したふたりの出会い/新島を引き立てる森
(三)帰国直前の森有礼
金子堅太郎自叙伝/キーパーソンとしてのキンズレー
第四章 キンズレー関係書簡
(一)キンズレー宛森有礼書簡
(二)キンズレー宛ブルークス書簡

第二部 岩倉使節団と開拓使派遣女子留学生をめぐる諸問題
はじめに
第一章 開拓使派遣女子留学生をめぐる森有礼とチャールズ・デロングの対立
(一)開拓使派遣女子留学生関係資料
(二)英文書簡にみる両者の対立
(三)開拓使文書にみる森の主張の根拠
第二章 森有礼の外交交渉のはじまり
(一) もうひとつの外交交渉、はじまる
岩倉を巻き込む争い/デロングの追及/森の応酬/情実外交を排す森の姿勢
(二)森有礼の辞職願について
森有礼、辞職願を提出する/本国は森に全き信認を与えていた/吉田清成、デロングに呼び出される
第三章 開拓使派遣女子留学生の教育に果たした森の働き
(一)女子留学生の将来の教育を見据えて
わが国初の女子留学生の受け入れ/幼稚園教師を雇う/少女たちの心情も踏まえて
(二)女子留学生に対して森が負った責任
ランマンとの契約解除と五人の留学生のその後/女子留学生の教育の目的

第三部 初代駐米外交官森有礼のさまざまな働き
はじめに
第一章 米国公文書館所蔵公文録にみる森有礼
(一)単純で一直線、森の外交手法
米国務長官への最初の願い/ダイレクトな交渉が次々に奏功/大統領の差別的関税撤廃宣言
(二)政府の代任たる交際官吏
黒田丸とケプロン丸/政府の代任たる交際官吏
第二章 簡易英語採用論
(一)「簡易英語採用論」とそれに対する痛烈な反論
平易な英語に変革せよ/痛烈な反論
(二)森はなぜ「簡易英語採用論」を打ち出したのか
「簡易英語採用論」の根拠/英語の簡易化は世界にとって不可欠な仕事/全米教育大会での演説
第三章 森有礼と図書館
(一)ウイリアム・ホイットニー宛アドルフ・ドゥアイ書簡
ドゥアイ、ホイットニーに森への仲介を懇願する/国会図書館が所蔵するドゥアイの著作/森の「簡易英語」から見たThe Kindergarten
(二)図書館の成立と再生に森有礼が果たした役割
森有礼由来文献のゆくえを探る/森が在米中に本国に送ったもの/森が米国から帰国後に手放したもの/森の斡旋ないしは関与によってわが国に輸入されたもの/その答えは森有礼にあり
第四章 音楽教育導入への布石
(一)森有礼と洋音楽
洋音楽との出会い/森の英訳学制にみる「音楽」/わが国における「唱歌」の誕生
(二)メーソン派遣へとつながるトゥルジェーとの会談
トゥルジェー、教員養成における音楽教育の重要性を論じる/岩倉使節団、トゥルジェーが合唱団の総指揮をした大音楽会に参加/ブロック島でのトゥルジェーとの「chance meeting」
第五章 森有礼と精神病院
(一)森有礼と精神病院設立とのかかわり
ドロシア・ディックス宛森有礼書簡(一八七五年一一月二三日付)/『明治事物起源』に翻訳あり/本書簡をどう読むか
(二)森を待ち受ける故国の現状
新聞記事「森の悪評」/記事が書かれた背景
第六章 森有礼への期待と危惧
(一)オクタビウス・ペリンチーフの手紙
「私は今まで以上に日本と日本人に興味をもつようになった」(一八七一年九月二七
日付)/先達としての自負と自戒、そして日本人に対する畏怖(一八七二年一月二三日付)
(二)ジョセフ・ヘンリーの手紙
森の危険な立場を予見―ランマンへの手紙(一八七二年九月一一日付)/「諦めてはいけない。長い時間を要するのだ」―森有礼への手紙(一八七五年六月二一日付)
第七章 森有礼と幼稚園
(一)エリザベス・ピーボディーのKindergarten Messenger
クラウスの手紙/ピーボディーの脚注
(二)知られざる森有礼と幼稚園とのかかわり
幼稚園とのかかわりを示す資料群/文部大輔田中不二麿の幼稚園設立願い

結語に代えて
アメリカ側の資料が照らす森有礼/服従して果てるのではない/わが国は森有礼を受け止めることができるであろうか/幼稚園史研究の場合

参考・引用文献
『新修森有礼全集 別巻四』所収 駐米公使時代関係資料一覧
附録 森有礼の足跡をたどる旅
一 エリザベス・ピーボディーのボストン/二 森有礼の足跡をたどってニューヨークへ

あとがき

著者プロフィール

国吉栄  (ニヨシサカエ)  (著/文

1949年生まれ。明治学院大学文学部英文科卒。お茶の水女子大学大学院修士課程修了(児
童学専攻)。立教女学院短期大学附属愛児研究所勤務ののち、以下の各校で非常勤講師
として幼児教育関係科目を担当(2014 年で終了)。
群馬県立保育大学校、頌栄保育専門学校、共立女子大学、白百合女子大学。
主な著書に『日本幼稚園史序説 関信三と近代日本の黎明』(新読書社、2005 年)、『幼稚園誕生の物語 「諜者」関信三とその時代』(平凡社、2011年)、共著に『幼児理解と保育援助』(森上史朗、浜口順子編、ミネルヴァ書房、2003 年)、『戦後の子どもの生活と保育』(日本保育学会編、相川書房、2009 年)、『新修 森有禮全集』別巻4(文泉堂書店、2015 年)などがある。

上記内容は本書刊行時のものです。