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老いの荷風 川本 三郎(著/文) - 白水社
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老いの荷風 (オイノカフウ)

文芸
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発行:白水社
四六判
238ページ
定価 2,400円+税
ISBN
978-4-560-09556-0   COPY
ISBN 13
9784560095560   COPY
ISBN 10h
4-560-09556-6   COPY
ISBN 10
4560095566   COPY
出版者記号
560   COPY
Cコード
C0095  
0:一般 0:単行本 95:日本文学、評論、随筆、その他
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2017年3月28日
最終更新日
2017年5月12日
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書評掲載情報

2017-12-17 毎日新聞  朝刊
評者: 持田叙子(近代日本文学研究者)
2017-06-25 毎日新聞  朝刊
評者: 持田叙子(日本近代文学研究者)
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紹介

『濹東綺譚』以降の荷風を探る
 『荷風と東京 「断腸亭日乗」私註』(読売文学賞)をはじめ、荷風評論に他の追随を許さぬ第一人者が、これまで注目されることの少なかった『濹東綺譚』以降の作品や生活を中心に、老いを生きる荷風の孤愁ともいうべき姿を、絶妙な視点と筆さばきで描く力作。
 戦争中、60代後半に差しかかっていた荷風は、『踊子』『来訪者』『問はずがたり』など、発表のあてもなく、時勢の定まらぬなか、新しい小説を書きたいという強い意欲をもち、日々の研鑚を重ねていた。戦後発表されたこれらの作品には、老いゆく荷風の憂いが色濃くあらわれていると著者は指摘する。
 本書ではほかにも、市川移住で生まれた戦後の諸短篇「羊羹」「或夜」「にぎり飯」などを取り上げながら、市川周辺をはじめ、亀戸や小岩といった隅田川の向こう側光景を、荷風が抱き続けた都市の周縁への関心と併せて論じている。
 〈人の世を、早いころから「老い」の目で見る。現実社会と深く関わらない「老い」の目で、時代を見る。そこに荷風文学の真骨頂があるように思えてならない〉という著者の指摘が、深い説得力をもって読者に迫ってくる。

著者プロフィール

川本 三郎  (カワモト サブロウ)  (著/文

1944年東京生まれ。東京大学法学部卒業。評論家。「大正幻影」でサントリー学芸賞、「荷風と東京」で読売文学賞、「白秋望景」で伊藤整文学賞を受賞。

上記内容は本書刊行時のものです。