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翻訳のダイナミズム
時代と文化を貫く知の運動
発行:白水社
四六判
500ページ
定価
4,000円+税
- 書店発売日
- 2016年9月18日
- 登録日
- 2016年7月26日
- 最終更新日
- 2016年9月17日
書評掲載情報
2016-11-04 |
週刊読書人
評者: 松山洋平=名古屋外国語大学講師・イスラーム思想史専攻 |
2016-10-30 |
毎日新聞
朝刊 評者: 鴻巣友季子(翻訳家) |
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紹介
壮大詳細な《翻訳の世界史》
文化や学術が栄える時と場所には必ずその直前に旺盛な翻訳活動が行われている。本書は〈知の転移〉とも言われるこの営みをテーマとして古代ギリシアから古代ローマ、中世アラビア・ラテン世界、そして江戸明治期に至る知の継承の実際とその全世界的な伝播の系譜に迫り、現代の学術翻訳の問題にも切り込む意欲的な作品である。
古代ギリシアの叡智の多くは直接西欧近代に伝わったのではない。まずはシリア語・ペルシア語に、ついでアラビア語・ラテン語に翻訳されていった過程を主に科学作品を軸に追ってゆく。外来知を、専門用語をどう訳しどう現地化するのか。ジュンディーシャープールやバグダード、トレド、江戸の地で、史上随一の翻訳家とされるフナインばかりか、多くの学者やネストリウス派の人々、遍歴知識人等の苦闘が知的ノンフィクションのごとく描かれ、翻訳とは時に原典内容を変形し新たな文化を創出することでもあると強調される。その営為の計り知れない意義とダイナミズムを活写して絶賛された本書は、西洋文明の成立史に一撃を加え、かつ我々の現在をも照射する。叡知の継承を壮大詳細に描く未踏の《翻訳の世界史》。
上記内容は本書刊行時のものです。