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本当のたばこの話をしよう 片野田耕太(著/文) - 日本評論社
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本当のたばこの話をしよう (ホントウノタバコノハナシヲシヨウ) 毒なのか薬なのか (ドクナノカクスリナノカ)

医学
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発行:日本評論社
四六判
240ページ
定価 1,600円+税
ISBN
978-4-535-58730-4   COPY
ISBN 13
9784535587304   COPY
ISBN 10h
4-535-58730-2   COPY
ISBN 10
4535587302   COPY
出版者記号
535   COPY
Cコード
C3047  
3:専門 0:単行本 47:医学・歯学・薬学
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2019年6月15日
書店発売日
登録日
2019年3月1日
最終更新日
2019年6月12日
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紹介

鳥越 俊太郎氏(ジャーナリスト)推薦!
「私も若い頃たばこを吸っていたが、28歳でやめ、
以来一切吸っていない。本書ではたばこは「薬物」
とされており、またたばこ産業の陰謀も正確な情報
を元に書かれ、興味深いだけでなく「恐怖」も覚える。
たばこを吸う人も吸わない人にも一読を勧めたい」

たばこをめぐる矛盾や素朴な疑問に対して
「(可能な限り)科学的」に答えます! 

たばこを吸う方も吸わない方も、たばこについての、
健康のこと、病気のこと、家族のこと、美容のこと、
そしてたばこ産業がこれまでやってきたこと
――を広く知ることで、たばこに対する考え方が変わってきます。

◎著者のコメント
たばこネタは必ず炎上するといわれます。私自身、
この業界で15年近く仕事をしながら、さまざまな論争に
巻き込まれ、なぜケンカになってしまうのかということを
ずっと自問し続けてきました。本書は、その問いに対する
一つの答えです。
吸う人、吸わない人、社会全体、それぞれの視点から「科学」
の眼でたばこを見つめ直してみました。

目次

第1部 タバコを吸う人の話

第1章 タバコを吸っても長生きする人がいるのはなぜか
タバコが吸える=元気の証?
寿命=運?
タバコを吸っても平気な遺伝子?
第2章 タバコを吸う医者やスポーツ選手がいるのはなぜか
ストレス解消になる?
集中力向上?
第3章 百害あって一利なし、は本当か
タバコでなりにくくなる病気もある
コミュニケーションツール
第4章 それでもタバコを止めたほうがよい理由
ピンピンコロリ、太く短く生きる、の幻想
タバコを吸うと体の中で何が起こるか
依存症とは
発がん
血管への影響
肺への影響
タバコが引き起こす病気のリスト
第5章 禁煙で得られるもの、失うもの
タバコを止めると体の中で何が起こるか
高齢でも禁煙は間に合う
楽に、安く禁煙する方法
禁煙することで失うもの?
知ることで価値観も変わる

第2部 タバコを吸わない人の話

第1章 「受動喫煙の害は証明されていない」は本当か
日本人による世界初の報告
受動喫煙とは
平山論文
科学的な反論
社会的なバッシング
その後の科学的検証
実験研究も含めた検証
それでも「受動喫煙の害は証明されていない」?
第2章 本当にあった陰謀の話
受動喫煙はタバコ産業のアキレス腱
受動喫煙=他者危害
「いまだ証明されていない」という決まり文句
1950年代に編み出された戦略
証明されていない→研究が必要 の無限ループ
受動喫煙の害をめぐるタバコ産業の猛攻
タバコ会社がタバコ研究の財団を作る
科学としての一線を超える
第3章 タバコ産業の研究不正
「日本人配偶者研究」(Japanese Spousal Study)
タバコ産業のトータルプロデュース
「根本的な問題」のある論文
研究者に知らせずに出版
研究者側の執念の反論
ヨーロッパでのタバコ産業の干渉
米国、そして日本でも
内部文書が明らかにした歴史
第4章 持たざる者の逆襲――訴訟
飲食店を訴える――スタローン対マクドナルド訴訟
雇い主を訴える――マガウ対ミドルタウン教育委員会訴訟
タバコ会社を訴える――ブロイン対タバコ会社訴訟
米国訴訟史上最高の賠償額――州政府による医療費請求訴訟
日本の裁判はタバコ産業寄り
日本のタバコ会社を訴えた裁判
科学と法廷での闘いから社会のルールへ

第3部 社会全体の話

第1章 世界中で公共の場所が禁煙になっているわけ
タバコ対策のために条約を作る
科学に基づいて作られた条約
条約のメニュー
分煙ではだめなのか
法律を作ると病気が減る
アジア諸国でも屋内は禁煙
未成年者が同乗する車も禁煙
第2章 われらがガラパゴス、日本
屋外で吸えない
市民の声
やけどのわかりやすさと肺がんのわかりやすさ
路上のもつ公共性
反対勢力が少ない
屋外を禁煙にしたツケ
タバコ産業の思惑どおり
「客が選べればよい」の怖さ
第3章 ガラパゴス日本の法改正 その顛末
「改正健康増進法」の成立
すべては東京五輪から始まった
タバコフリー(タバコのない)オリンピック
日本はすべて努力義務
オリンピックをきっかけに健康増進法を改正する
「タバコ白書」の公表
安倍総理の答弁
「たたき台」の公表
業界団体のヒアリング
自民党による袋だたき
「たたき台」の変更
「タバコ議連」の対案
塩崎大臣の直談判と場外乱闘
小池劇場
衆議院選挙、財務省主導へ
大幅緩和の報道と「新厚労省案」
閣議決定と国会での場外乱闘
署名活動
根深い社会構造
第4章 お金がモノを言う社会
タバコの税収=年2兆円
JTの筆頭株主=財務大臣
役員報酬と天下り
広告料、テレビのスポンサー
タバコ産業の「健全な発展」
アリと象の闘い
みんなが少しずつタバコに依存している
5.タバコのこれから
タバコ税を健康のために使う
計画的にタバコのない社会(Tobacco-free)を目指す
タバコを薬物として規制する――米国の例
ハーム・リダクション-害をなくすより減らす
新型タバコの登場
加熱式タバコでハーム・リダクション?
「低タールタバコ」での前科
タバコ産業の本気度――1兆円を投じた研究財団
研究費という毒まんじゅう
科学雑誌のささやかな抵抗――投稿受付禁止
タバコ対策関係者の踏ん張りどころ
正解のない問題にどう対峙するか

著者プロフィール

片野田耕太  (カタノダ コウタ)  (著/文

1970年、大阪生まれ。東京大学法学部を卒業後、同大学院医学系研究科に進学、脳科学の研究を行う。2002年博士課程修了後、国立健康・栄養研究所研究員として、健康・栄養調査の分析など、社会医学系の研究に従事。
2005年より国立がん研究センター(旧国立がんセンター)研究員となり、たばこの健康影響とがんの統計の分野の研究活動に携わる。2017年より、がん統計・総合解析研究部長として、たばこ対策、がんの統計、がん教育など幅広い分野での研究活動を行っている。
2016年には厚生労働省「喫煙の健康影響に関する検討会報告書」(いわゆる「たばこ白書」)を編集責任者としてとりまとめた。
主な著書に『がん・統計白書2012――データに基づくがん対策のために』(祖父江友孝、片野田耕太ほか編、篠原出版新社)がある。

上記内容は本書刊行時のものです。