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中国バブルはなぜつぶれないのか
- 書店発売日
- 2017年7月27日
- 登録日
- 2017年7月19日
- 最終更新日
- 2017年8月1日
書評掲載情報
2017-08-26 | 日本経済新聞 朝刊 |
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紹介
■米国イェール大学・ノーベル経済学者賞を受賞したロバート・シラーが序文を寄稿。シラーと同じイェール大学、またカリフォルニア大学で、行動ファイナンス、投資論など金融論教授として活躍した実績を持ち、中国に帰国した気鋭の中国人経済学者が、中国経済が過剰な生産能力を積み上げ、バブルを生み出すに至った背景を、経済学のロジックに基づき、鮮やかに解き明かす。
■不動産市場、株式市場などの資産市場の異常な高騰、また、銀行による信用の膨張、シャドーバンキングの隆盛――これら中国経済に見られるバブルは、経済成長を国民の不満を抑える頼みの綱とする、中央政府、地方政府によって「保証」されたものであり、政府による「保証」があるからこそ、人々は安心して投資を続ける。その構図が過剰設備、過大な不良債権を生み出した本質的な要因だと分析。経済成長実現のために、企業、債務者たちが破綻を免れるように政府が暗黙の保証で支えているがゆえに、本来破裂するはずのバブルがなかなか崩壊しない背景を明らかにする。
■中国経済は、「新常態」をキャッチフレーズに掲げた習近平政権が改革案を示したものの、政権内の路線対立もあり、立て直しへの明確な見通しが立たないなかで、改革は進んでいない。著者は、中国のバブルが政府に保証されたものであり、構造改革が成功しなければ今後の持続的な成長は困難であり、いずれは行き詰まって巨大なバブルは崩壊せざるをえないと警告する。
目次
第1章 無傷のデフォルト
第2章 破綻はひとつの選択肢(中国のシャドーバンキング問題)
第3章 損失を出せない住宅購入者
第4章 中国証券監督管理委員会への陳情
第5章 オルタナティブ金融イノベーション
第6章 成長エンジンの裏側――深刻な低迷
第7章 あり余る生産能力
第8章 フォーチュン500社から真に国際競争力のある企業へ
第9章 すべての信用の源泉――デフォルトとは無縁の政府
第10章 まじない師の統計
第11章 保証された破綻? 暗黙の保証、海外の教訓
第12章 潮が引いたとき――改革をどう進めるか
上記内容は本書刊行時のものです。