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a:9:{s:12:"shoshi_title";s:34:"理工系のための一般化学 ";s:11:"shoshi_isbn";s:17:"978-4-501-63050-8";s:16:"shoshi_publisher";N;s:11:"description";s:222:"化学の基礎知識全般を取り扱う大学初年次向け教科書。各項目の基本原理をわかりやすく解説するとともに、理解を深めるため、例題と練習問題を豊富に収録した。";s:6:"author";s:25:"鈴木 隆之()…他1名";s:10:"publishers";s:27:"東京電機大学出版局";s:9:"publisher";N;s:9:"productor";s:27:"東京電機大学出版局";s:12:"release_date";i:1490022000;}

理工系のための一般化学

自然科学 ラノベ

鈴木 隆之(編著 | 編著), 石丸 臣一(他著)
発行:東京電機大学出版局

B5判   224頁  並製
価格 2,400円+税

ISBN 978-4-501-63050-8   C3043
在庫あり(出版社情報)

奥付の初版発行年月 2017年3月
書店発売日 2017年3月21日
登録日 2017年1月31日

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紹介

化学の基礎知識全般を取り扱う大学初年次向け教科書。各項目の基本原理をわかりやすく解説。講義に必要な項目のみ選択できるよう、章ごとに内容を独立させるとともに、理解を深めるため、例題と練習問題を豊富に収録した。

目次

第1章 原子の電子配置と周期表
 1-1 原子の構造
  (1) 原子と元素
  (2) 電子の発見
  (3) 原子核の大きさと原子モデル
 1-2 水素原子のスペクトル
  (1) ボーアの水素原子モデル
  (2) 光の波動性と粒子性
  (3) 物質の波動性
 1-3 シュレディンガーの波動方程式
  (1) 量子数
  (2) オービタルの形と軌道のエネルギー準位
  (3) 原子の電子配置
  (4) パウリの排他原理
  (5) フントの規則
 1-4 電子配置と周期律
  (1) 典型元素と遷移元素
  (2) 金属元素,非金属元素,両性元素
  (3) イオン化エネルギーと電子親和力の周期性
  (4) 原子の大きさとイオンの大きさの周期性
第2章 化学結合
 2-1 結合の種類
  (1) 金属結合
  (2) イオン結合
  (3) 共有結合
 2-2 点電子構造と共鳴
 2-3 電気陰性度と双極子モーメント
 2-4 分子の形と混成軌道
  (1) 原子価殻電子対反発モデル
  (2) 混成軌道
  (3) 炭素-炭素結合
 2-5 配位結合
 2-6 分子と分子の間に働く力
  (1) 水素結合
  (2) 双極子-双極子相互作用
  (3) 分散力
第3章 化学反応
 3-1 化学変化のあらわし方
 3-2 化学反応式のあらわし方
 3-3 化学反応の分類
  (1) 化合反応
  (2) 分解反応
  (3) 燃焼反応
 3-4 水溶液における化学反応
 3-5 沈殿反応
  (1) 水溶性のイオン性化合物
  (2) 不溶性のイオン性化合物
 3-6 酸塩基反応
  (1) アレニウスの酸と塩基および中和
  (2) ブレンステッド・ローリーの酸と塩基
  (3) ルイスの酸と塩基
 3-7 酸化還元反応
  (1) 酸素原子からみた酸化還元反応
  (2) 水素原子からみた酸化還元反応
  (3) 電子からみた酸化還元反応
  (4) 酸化数から酸化・還元を考える
  (5) 酸化還元反応式を作る
  (6) 酸化還元反応の化学量論
第4章 気体-液体-固体
 4-1 気体
  (1) ボイルの法則
  (2) シャルルの法則
  (3) アボガドロの法則
  (4) 理想気体の状態方程式
  (5) 混合気体
 4-2 気体分子の運動論
  (1) 気体の分子運動と気体の圧力
  (2) 気体分子の平均速度
 4-3 実在気体の状態方程式
 4-4 液体
  (1) 気体の凝縮
  (2) 液体の蒸発
  (3) 液体の凝固
 4-5 固体
  (1) 剛体球モデルと最密充填構造
  (2) 合金とイオン結晶
  (3) 格子,単位胞,結晶面
 4-6 相図
 4-7 バンド理論と電気伝導
第5章 分子集団と熱力学
 5-1 熱力学と系
 5-2 熱力学第一法則-エネルギー保存則
  (1) 内部エネルギー
  (2) 熱と仕事
  (3) 定圧変化とエンタルピー
  (4) 状態変化・化学変化とエンタルピー変化
 5-3 熱力学第二法則
  (1) エントロピー
 5-4 熱力学第三法則
 5-5 自由エネルギー
第6章 溶液
 6-1 溶解現象と溶解度
  (1) 溶解現象
  (2) 溶解度
 6-2 理想溶液と非理想溶液
  (1) 理想溶液(ラウールの法則)
  (2) 理想希薄溶液(ヘンリーの法則)
  (3) ギブズエネルギーと化学ポテンシャル
  (4) 濃度と活量
 6-3 束一的性質
  (1) 蒸気圧降下(沸点上昇)
  (2) 凝固点降下
  (3) 浸透圧
 6-4 電解質溶液
  (1) 電解質溶液の活量係数
  (2) イオンの水和
  (3) イオン伝導
第7章 反応速度論
 7-1 反応速度
 7-2 反応速度の解析
  (1) 反応次数の決定
  (2) 素反応の反応速度(一次反応と二次反応)
 7-3 反応速度の温度変化
  (1) 活性化エネルギーとアレニウス式
  (2) 活性化エネルギーと頻度因子の原因
 7-4 触媒
  (1) 触媒とは
  (2) 酵素とミカエリス-メンテン式
第8章 化学平衡
 8-1 化学平衡
  (1) 可逆反応と化学平衡
  (2) 化学平衡の法則
  (3) ル・シャトリエの原理
 8-2 電解質溶液中の平衡移動
  (1) 電離平衡
  (2) 水の平衡
  (3) 電解質溶液の平衡移動
第9章 電気化学
 9-1 酸化還元反応と電子のエネルギー
 9-2 電池と電解
  (1) 電極の名称
  (2) ダニエル電池
  (3) 燃料電池と水の電気分解
 9-3 電極電位
  (1) 標準水素電極
  (2) 標準電極電位
  (3) ネルンストの式
  (4) 平衡定数と標準電極電位
 9-4 実用電池
  (1) マンガン・アルカリマンガン乾電池
  (2) 鉛蓄電池
  (3) リチウムイオン蓄電池
 9-5 発光ダイオードと太陽電池

前書きなど

はじめに
 本書を手にとられたときに,どのような印象をもたれたであろうか。カバーのカラフルなイラストから,大学で学ぶ化学の本とは想像もつかなかったのではないだろうか。しかも,教科書を前提にしている本だとは。実をいうと,この本はそう思われたい本である。化学は,苦しい思いをしながら学ぶものではなく,カバーイラストのようにカラフルな物質の世界を対象とした,楽しく役に立つ学問であるというメッセージを,本全体から感じとってもらいたかった。読者に本を開いてもらってからこのメッセージを訴えることも考えたが,それでは手遅れだとすぐに気づいた。なぜなら「自分は理工系とはいっても機械工学や電気・電子工学を専攻とする学科に入ったので関係ない」と思ったり,「化学と聞くだけでも嫌になる」といった学生が,そもそも化学の教科書を棚から手にとるはずがない。そんな学生でも思わず手にとってしまうようにしたのである。それでは,だまし討ちだといわれるかもしれない。確かに,そのときはそのように思われても仕方がないが,読み進めるうちに「化学って面白いじゃないか!!」と感じてもらえることを願い,私たちは執筆にとり組んだ。
 本書の内容は,カバーイラストから始まっている。今から約20年前に,英国の理論物理化学者である,ピーター・アトキンスが『元素の王国(The Periodic Kingdom)』(草思社)という初学者向けの化学の「物語」を世に出した。この本では,周期表を元素という住民で組織された王国と捉えて,この国のかたちを語っていくのである。たとえば,西海岸に住む元素たち(アルカリ金属)は雨に敏感で,火を吹いたり,中には爆発する者もいる,といった具合である。はじめて化学を学ぶ読者を虜にしてしまう秀逸な筆致で書かれた文章に,化学を専門とする我々もやられてしまった。本書のカバーイラストは『元素の王国』に書かれた世界を,筆者とイラストレータの大高郁子さんが表現したものである。
 本書は教科書であるので,原理原則を正確に伝えなければならない。そのため,元素を住民に喩えて説明することは,誤解を生みかねない。しかし,物語のように各章を関係づけながら読めるような工夫はできるはず。第1章は,周期表に住む元素の一人ひとりとはいわないが,化学の世界の最小単位である元素の原子から説明していき,第2章の化学結合へとつながってゆく。これによって元素の種類以上に多様な物質が出現することを理解できるようになる。さながら,元素の住民どうしが同盟を結ぶようなイメージである。第3章以降は,別紙の本書の構成にて,詳しく紹介する。物語ほど綿密に構成されてはいないが,章から章へ話がつながることを意識した。それは,各章の冒頭の文章を読めば,ご理解いただけるはずである。
 なぜ,各章を物語のように関係づけたのか。それは,人は物語として入ってくる情報を記憶に留めやすいという特徴をもっているからである。たとえどこかの内容を忘れてしまっても,物語の関係性から記憶を辿ることができるに違いない。
 化学の世界も科学技術の発展とともに細分化が進んでいる。そのため,初学者に必要とされる分野の選定には注意した。当然ながら,基礎となる理論化学や物理化学の知識は欠かせないが,そればかりでは学生も高校化学の延長としか感じてもらえないであろう。そう考え,最後の章(9章)では,喫緊の課題であるエネルギー問題を視野に入れて,電気化学の基本に加えて発展著しい電池の解説を詳しく紹介した。
 昨今,教育現場ではインターネットの活用が盛んである。その利用法には未だ本命がなく,日々,新たな提案が登場している。本書も本体の紙媒体に加えて電子媒体のあり方について検討し,紙媒体には,重要事項を盛り込んだ例題をその詳細な解説と一緒にした。また,練習問題の解答のみも掲載し,常に目に入るようにした。一方,電子媒体には,余力のある学生が自主的に学習するための役割を担ってもらうことにした。その詳細な解説をみたい場合には,QRコードに電子機器をかざせば簡単に電子媒体上の解説にアクセスできるようにした。
 最後に,本書の執筆と出版にあたり多大なお世話をしてくださった東京電機大学出版局の吉田拓歩氏,石井理紗子氏に感謝の意を表す。
2017年2月
著者を代表して
鈴木 隆之

上記内容は本書刊行時のものです。