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水を科学する 川瀬義矩(著) - 東京電機大学出版局
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水を科学する (ミズヲカガクスル)
原書: 0

自然科学
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A5判
176ページ
並製
定価 1,900円+税
ISBN
978-4-501-62660-0   COPY
ISBN 13
9784501626600   COPY
ISBN 10h
4-501-62660-7   COPY
ISBN 10
4501626607   COPY
出版者記号
501   COPY
Cコード
C3058  
3:専門 0:単行本 58:その他の工業
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2011年4月
書店発売日
登録日
2011年4月20日
最終更新日
2011年10月14日
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紹介

水の構造と性質,自然・人工の機能水,水を利用した今後の技術。わたしたちの体と生活に欠かせない水を解説。

目次

第1章 水の役割―地球は水に支配されている―
 1 人間にとって重要な水
  1-1 人間の体の60%は水からできている
  1-2 水が人間の体温を調整している
  1-3 人間の祖先は水の中(海)で誕生した?―体液と海水の成分は似ている―
 2 水の循環が地球の気象を支配している
  2-1 水は生命が生きやすい環境を作っている
  2-2 水は汚染物質を拡散している―生物濃縮と酸性雨―
  2-3 異常気象も水によって演出されている―エルニーニョとラニーニャ―
  2-4 森林破壊と水の関係は
  2-5 環境の改善に水を利用する
 3 おいしい水と健康によい水―おいしい水を求めて―
  3-1 水道水―結構おいしい水―
  3-2 おいしい水の要素
  3-3 水の種類と値段はいろいろ―機能化すると値段は高くなる?―
  3-4 ミネラルウォーター―大地が作るおいしい水―
  3-5 健康によい水―スポーツドリンク―
 4 食品の水―料理の味も水次第―
  4-1 食品に含まれている水の働き
  4-2 電子レンジによる調理も水のおかげ―摩擦熱で食品を直接温める―
  4-3 フリーズドライ―凍らせてから乾燥させる―
第2章 水は特殊な液体―水の構造と性質―
 1 水分子の構造―極性を持つ構造―
 2 水の状態―通常の温度と圧力で固体,液体そして気体にもなるめずらしい物質―
 3 水の特性―水は特徴的な性質を多く持った不思議な物質である―
  3-1 水は氷になって体積を増やす―4℃の不思議―
  3-2 水の融点と沸点は一般の物質に比べて異常に高い―大きな熱を奪う水―
  3-3 水は比熱(熱容量)が高い―水は暖まり難く冷め難い―
  3-4 水の表面張力は大きい―体のすみずみまで血液が行き渡る―
  3-5 水の粘度は温度が高くなると減少する―流体の流れやすさ―
  3-6 水は物質を溶かしやすい―物質を溶かして輸送する―
 4 重水と軽水―重水は軽水よりも特異な水―
 5 超臨海水―液体であって気体でもある流体―
 6 高温高圧の水(亜臨界水)と高温高圧水蒸気―反応性に富んだ水―
第3章 機能水―活性化の方法と利用法―
 1 自然による機能化―自然が活用化した水の利用―
  1-1 海洋深層水―海洋が活用化した水の利用―
  1-2 海洋深層水氷―海洋が持っている資源の利用―
  1-3 海水から採取され利用されている資源―塩―
  1-4 淡水化―豊富にある海水を真水にする―
  1-5 水産資源―海洋が育む資源の行方は?―
  1-6 海水および海底の鉱物資源:海水溶存資源・熱水性鉱床・マンガン団塊―海洋は資源の宝庫である―
  1-7 ハイドレート―深い海底に眠る新しい資源とは―
  1-8 二酸化炭素の海洋隔離―地球温暖化の解決策になるのか?―
  1-9 海洋温度差発電・波力発電・潮汐発電―海要は巨大なエネルギー源である―
  1-10 地熱発電:水蒸気と熱水―クリーンな国産エネルギーがある―
  1-11 高温岩体・マグマ―熱エネルギーを水の気化を利用して取り出す―
  1-12 温泉―古くから利用してきた地熱エネルギーでリラックス―
  1-13 水力発電―水の位置エネルギーを利用した発電―
  1-14 太陽光温水器―水を使って太陽エネルギーを利用する―
  1-15 ナチュラルウォーター―自然が作り出すミネラルが溶け込んだ恵みの水―
 2 人工的な機能水―意図的に活性化した機能水―
  2-1 水道水―安全な飲み水を作る(原水を活性化による飲料水に変える)―
  2-2 浄水器でおいしい水―活性炭と膜で活性化する―
  2-3 おいしい氷―活性化された氷―
  2-4 医学的な水:スポーツドリンクと生理食塩水
  2-5 超純水―限りなく純度100%を求めた機能水―
  2-6 下水処理―きれいな水にして自然に返す。さらに,下水を資源に変える―
  2-7 電解水―電気分解で得られる機能水―
  2-8 超臨界・亜臨界水
  2-9 過熱水蒸気・高温高圧水蒸気―水蒸気の持っている機能とは―
  2-10 高圧水―高圧という機能を利用した技術―
  2-11 溶存ガス制御水―オゾン,水素などを溶解することで機能を持った水―
  2-12 脱気水―溶存ガスを脱気して活性化した水―
  2-13 超音波処理水―超音波を照射して活性化―
 3 科学的根拠が示されていない機能水―いろいろある「不思議な水」―
  3-1 π(パイ)ウォーター―水のパイ化って何なの?―
  3-2 波動水(薬石水)―自然鉱石により処理して活性化した水?―
  3-3 電磁場処理水(磁気処理水)―磁気処理で水はどう変わったの?―
  3-4 活性水素水―活性水素って何? 有名な奇跡の水である ドイツのノルデナウ地区の湧水も活性水素水って本当?―
第4章 これからの水と人間―環境に優しい水―
 1 健康に役立つ水
  1-1 水耕(養液)栽培による植物工場―安全な食料の確保につながるのか―
  1-2 水と光触媒による健康的な居住空間―酸化分解力と超親水性でクリーニング―
 2 環境に役立つ水
  2-1 超臨界水酸化分解―ダイオキシンやPCBなどを無害化―
  2-2 雨水の利用―大切な自然の恵みの有効利用―
 3 エネルギーに役立つ水
  3-1 自らの水素の製造―燃料を作り出す―
  3-2 携帯機器用小型メタノール燃料電池―燃料の原料はメタノールと水―
  3-3 ハイドレートによる天然ガスの輸送
  3-4 水を使ったヒートポンプ―低い温度から高い温度へ熱をくみ上げる―
索 引

前書きなど

 特別な性質を持っている水は,空気とともに人類にとって欠くことのできない物質である。常温常圧で他の物質とは大きく異なる性質を示し,それらは人類が生きていく上で重要な,なくてはならない役割を果たしている。飲み水としての水,食品原料としての水,ものを溶かし輸送する溶媒としての水,物質を分散させる溶媒としての水,結合剤としての水,エネルギー媒体としての水など,人間の存在に深く関わっている。さあらに,人類が生きている自然環境も水の循環により成り立っている。それゆえ,水に関する本は科学的なもの,哲学的なもの,そして文学的なものまで幅広い分野で数多く出版されている。健康志向と環境問題の関心が高まる中で,水は読者の興味を引く重要なテーマである。その大事さゆえに,水にまつわる話は多いが,残念ながらその多くは科学的根拠が示されていないものが多い。科学的な本の著者達さえも,「不思議な水」に惑わされてたのか,著書の中で科学的な話と「不思議な水」が一線を画して説明されていないために,数多くの誤解を招いている。本書では,あくまでも科学的に水を捉え,科学的根拠が示されていない事柄についての記述は最小限に留めた内容になっている。

 本書は,高校生からエンジニアそして一般の人まで,水に興味のあるすべての方々に読んでいただこうと思い書いた本である。ぜひ幅広い人々に読んでいただきたいので,わかりやすく書いたつもりである。第1章では,水が人類にどのように関わっているかについておもなトピックスを取り上げた。人類が地球上で生きていくためにどんなに水が重要な役割を果たしているのかを理解していただけると思う。第2章では,水の科学的特性についてわかりやすく説明した。水分子の構造により発生した電子の偏りである極性によって生じる水のいろいろな特性を理解していただけると思う。やさしく書いたつもりであるが,聞きなれない言葉が出てきて読みづらいかも知れない。読み飛ばしても結構である。第3章では,機能水について自然の機能水と人工の機能水に分けて解説した。人工的に作られた機能水だけではなく,自然の力により活性化された機能水にもいろいろあることに驚かれると思う。第4章では,今後展開されるであろう水が関係した技術について述べている。今後も水を上手に利用していかなければならないことを認識していただければ幸いである。
 本書を書くことを進めていただきながら,多々ご迷惑をお掛けした(株)工業調査会編集部の一色和明氏に深く感謝申し上げます。また,資料の整理と原稿の推敲を手伝ってくれた家族にも大変感謝しております。
 2007年10月
 川瀬 義矩

 追 記
 本書は2007年の初版発行以来,(株)工業調査会から刊行され,幸いにも長きにわたって多くの読者から愛用されてきました。このたび東京電機大学出版局から新たに刊行されることとなりました。本書が今後とも,読者の役に立つことを願っています。
 2011年4月
 川瀬 義矩

追記

当書籍は(株)工業調査会からの継続販売書籍です。

上記内容は本書刊行時のものです。