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シリコンバレー 脇 英世(著) - 東京電機大学出版局
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シリコンバレー (シリコンバレー) スティーブ・ジョブズの揺りかご (スティーブジョブズノユリカゴ)

コンピュータ
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四六判
560ページ
並製
価格 2,500円+税
ISBN
978-4-501-55210-7   COPY
ISBN 13
9784501552107   COPY
ISBN 10h
4-501-55210-7   COPY
ISBN 10
4501552107   COPY
出版者記号
501   COPY
Cコード
C3004  
3:専門 0:単行本 04:情報科学
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2013年10月
書店発売日
登録日
2013年10月30日
最終更新日
2017年3月10日
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紹介

多くの半導体企業が誕生したシリコンバレー。いまやハイテク企業の一大拠点となっている。シリコンバレーの誕生から、そこで活躍する人々や企業の歴史についてエピソードを交え詳細に語る。スティーブ・ジョブズがアップル社を創業する基盤がそこにあった。まさしくジョブズのゆりかごであったといえる。

目次

第1部 シリコンバレー探訪640キロ
  アウター・サンセットのスティーブ・ジョブズの家
  レッドウッドシティのオラクルへ
  エル・カミノ・リアルを通ってスタンフォード大学へ
  スタンフォード・ショッピング・センター
  ヒューレット・パッカードの旧社屋跡を求めて
  ステーキ・ハウス・ハリス
  メンローパークからパロアルトへ
  スタンフォード・リサーチ・パーク
  ヒューレット・パッカードの研究所と本社
  ロッキード・マーティン・ミサイルズ&スペース社
  ゼロックス・パロアルト研究所 PARC
  バリアン関連企業
  マウンテンビューとアイクラー・ホームズ
  モンタ・ローマ小学校
  クリッテンデン中学校
  ショックレー半導体研究所
  フェアチャイルド・セミコンダクター
  グーグルとWi-Fi
  コルテ・ビアのミステリー
  ロスアルトス
  クパチーノ中学校とホームステッド高校
  クパチーノとファン・バウティスタ・ディ・アンザ
  インフィニット・ループ1番地のアップル本社
  ディアンザ・カレッジ
  シャロン・ハイツのベンチャー・キャピタル
  マイコン革命の聖地 SLAC
  『カッコーの巣の上で』のペリー・レーン
  フレッド・ターマンの家
  フレッド・ターマンのエンジニアリング・ラボラトリー
  シリコンバレー発祥の地
  バイト・ショップ
  サニーベール
  スティーブ・ウォズニアックの育った家
  アンディ・キャップスの酒場
  アップルの旧跡
  サンタクララ市
  インテル
  ワゴン・ウィール
  アドバンスド・マイクロ・デバイセズ AMD
  サン・マイクロシステムズ
  モフェット飛行場
  ネクスト
  エレクトロニック・アーツ
  ピクサー
第2部 シリコンバレーはいかにして作られたか
 第1章 スタンフォード大学
  リーランド・スタンフォードの少年時代
  弁護士としてミシガン湖畔の辺境を目指す
  ゴールド・ラッシュのカリフォルニアへ
  リーランド・スタンフォードのビジネス
  政治への進出
  リーランド・ジュニアの誕生と夭折
  パロアルト・ストック・ファーム
  スタンフォード大学の開校
  ユニバーシティ・パーク
  カレッジ・テラスとメイフィールド
  スタンフォード帝国の黄昏
 第2章 スタンフォード大学周辺の企業の誕生
  サイ・エルウェル
  フェデラル電信会社
  リー・ド・フォーレスト
  独立した研究者・事業家になる
  エジソンの電球とエジソン効果
  ジョン・アンブローズ・フレミング
  オーディオン
  無線電話への転進と再度の倒産
  パロアルトと三極間増幅装置
  アマチュア無線家達の文化
  チャールズ・リットン
  ウィリアム・イーテルとジャック・マクルー
  伝家の宝刀 独占禁止法
  イーテル&マクルー社とリットン技術研究所の設立
 第3章 バリアン
  アイルランドからパロアルトへ
  ラッセル・バリアン
  さすらいの研究者
  シガード・バリアン
  ウィリアム・ハンセン
  ルンバトロン
  クライストロン
  バリアン・アソシエイツ社
  微妙な関係
  リットン・インダストリーズ
  イーテル&マクルー社の消滅
  バリアン・アソシエイツの解体
 第4章 ヒューレット・パッカード
  デイビッド・パッカード
  ウィリアム・ヒューレット
  デイブとビルの出会い
  GEでの経験と現場を歩き回る管理
  ウィリアム・ヒューレットの才能の突然の開花
  デイビッド・パッカードも呼び戻す
  アディソン街367番地のガレージの神話
  HPの最初の製品モデル200A
  ウォルト・ディスニーの神話『ファンタジア』
  ノーマン・ニーリー
  第二次世界大戦で急成長
  理想の会社とHPウェイ
  HPコーポレート・オブジェクティブ
 第5章 フレッド・ターマン
  スタンフォードで育ち、生き、生涯を終える
  ハリス・ライアン教授の薫陶を受ける
  西海岸から東海岸へ、そしてまた西海岸に戻る
  闘病期間中の読書と転進
  打倒モーアクロフトの秘策
  スタンフォード通信研究所
  無線研究所 RRL
  スティープルズ・オブ・エクセレンス
  フレッド・ターマンの教育論
  スタンフォード・インダストリアル・パーク
  優等強調プログラム HCP
  スタンフォード・インダストリアル・パーク周辺の企業
  スタンフォード・リサーチ・インスティチュート SRI
  ダグラス・エンゲルバート
  全学でのスティープルズ・オブ・エクセレンスの実践
 第6章 サンタクララバレーの曙
  海軍モフェット飛行場
  NACAエイムズ研究センター
  1950年頃のサンマテオ郡とサンタクララ郡
  ロッキード・ミサイルズ&スペース LMSC
 第7章 シリコンバレーの父 ウィリアム・ショックレー
  天才に成りそこねた少年
  UCLAからカリフォルニア工科大学へ
  MITとプリンストン
  フィリップ・マコード・モース
  ベル電話研究所
  ウィリアム・ショックレー ベル研究所に勤務
  ウォルター・ブラッテン
  マービン・ケリー
  みじめな失敗
  ラッセル・オール
  PN接合の発見
  P型とN型を分ける不純物
  第二次世界大戦の嵐
  ベル電話研究所の改編
  ジョン・バーディーン
  ショックレーの電界効果増幅器
  点接触型トランジスターの発明
  トランジスターの名前の起こり
  軋轢の発生
  ジョン・シャイブの実験
  ゴードン・ティールとモルガン・スパークス
  ジョン・バーディーンとウォルター・ブラッデンのその後
 第8章 ショックレー半導体研究所
  めざましく進歩する半導体技術
  ガラスの天井に突き当たったショックレー
  アーノルド・ベックマン
  新会社設立の相談
  全米から俊秀をリクルート
  ジェイ・ラスト
  ロバート・ノイス
  豚の酒盛りと思わぬ蹉跌
  MITの博士課程進学
  フィルコ
  ショックレーの誘い
  ゴードン・ムーア
  サンアントニオ・ロード391番地
  ウィリアム・ショックレーのノーベル物理学賞受賞
  ウィリアム・ショックレーの人事管理 支配と偏執性
  秘書事件
  中途半端な改善策
  ヘイドン・ストーン・アンド・カンパニー
  アーサー・ロック
  シャーマン・フェアチャイルド
  リチャード・ホジソン
  裏切り者の八人
  その後のショックレー
 第9章 フェアチャイルド・セミコンダクター
  イースト・チャールストン・ロード844番地
  フェアチャイルド・セミコンダクターの最初の組織図
  IBMからの発注
  ステップ・アンド・リピート・カメラ
  ジャン・ホールニーとプレーナー型トランジスター
  エド・ボールドウィンとレーム・セミコンダクターの悲劇
  テキサス・インスツルメンツ
  ジェイ・ラスロップ
  米国標準局と近接信管
  フォトリソグラフィの誕生
  ジャック・キルビー
  テキサス・インスツルメンツの夏休み
  ロバート・ノイスのモノリシック集積回路
  集積回路の特許の係争
  その後のジャック・キルビー
  フェアチャイルド・セミコンダクターの変貌
  創業メンバー達の鬱積する不満
  ドン・バレンタイン
  ジェリー・サンダース
  マイクロ・ロジック・プレーナー開発プログラム
  ライオネル・カットナー
  イシュ・ハース
  アメルコ
  シグネティックス
  ロバート・ノーマン
  ジェネラル・マイクロ・エレクトロニクス GMe
  インターシル
  スピンオフと半導体産業の構造的変化
  チャールズ・スポーク
  企業規模の拡大と矛盾と危機
 第10章 モトローラとフェアチャイルド
  モトローラとポール・ガルビン
  モトローラのガルビン王朝
  ダン・ノーブルとウォーキー・トーキー
  レスター・ホーガン
  ホーガンの英雄達
  ウィルフレッド・コリガン
  フェアチャイルド・セミコンダクターの解体
 第11章 ナショナル・セミコンダクターの盛衰
  スプレーグ・エレクトリック・カンパニー
  クルト・レホベック
  ベルナルド・ロスライン
  ナショナル・セミコンダクターの設立
  ピーター・スプレーグ
  異端児ロバート・ワイルダー
  ピエール・ラモンドとプレッシー社
  仕掛人ドン・ルーカス
  チャールズ・スポーク、栄光への脱出
  フロイド・クバンメ
  三つの焦点
  アウトソーシング
  ナショナル・セミコンダクターの快進撃
  アイテル
  アドバンスド・システム AS
  IBMスパイ事件
  ロバート・スワンソン
  ナショナル・セミコンダクターの消滅
 第12章 インテルの誕生とマイクロコンピュータ革命前夜
  インテルの設立
  アンドリュー・グローブ
  ロバート・グラハム
  レスリー・バディーズ
  ブルース・E・ディール
  フェデリコ・ファジン
  ビジコン
  テッド・ホフ
  スタンリー・メーザー
  インテル4004
  ジョエル・カープ
  ウィリアム・レギッツ
  父親の多いインテル1103
  ドブ・フローマン
  EPROM
むすび
文 献
索 引

前書きなど

 インターネットができる前は、米国の最新のコンピュータ事情を知るには、直接米国に行くしか方法がなかった。私が特に利用したのは、ラスベガスで開かれた「コムデックス(COMDEX)」という展示会で、これはほぼ毎回出かけた。
 コムデックスの会場の展示ブースを回って夢中で集めたパンフレットやプレスキットは膨大な量になった。北米路線の航空機では、トランク二個の持物までは許されていたが、容積からも重量からも集めたパンフレットが全部入るわけがなかった。あの時代の人は皆そうであったと思うが、米国から帰国の前の晩は、ほぼ徹夜でパンフレットの整理をし、不要なカバーや広告などを捨てて本質的な情報だけに削って必要最小限に収めた。それでもトランクが閉まらなかったり、鍵が壊れてガムテープでぐるぐる巻きにしたりした。
コムデックスの帰りには、ほとんど必ずサンフランシスコに寄った。サンフランシスコを拠点にシリコンバレーの各社の見学をしたり、フライズ・エレクトロニクスで部品や基板を買ったり、コンピュータ・リテラシーというコンピュータ専門の本屋でコンピュータ関係の本をボール箱一杯買ったりした。鞄に空きがないのに、どうやって運ぶかは考えていなかった。何があろうと必ず持って帰るという信念だけであった。
 サニーベールのローレンス・エクスプレスウェイと平行するレイクサイド・ドライブにあるコンピュータ・リテラシーという本屋に寄ることは絶対的な条件で、もし日中ツアーで立ち寄れない時は、夜、一緒にツアーに行った友人のチャーターして来たリムジンや、米国の友人の運転するベンツに乗ってコンピュータ・リテラシーに出かけて行って、しこたま専門書を買ってきた。
 ある時、スウェーデンに行って、帰りに米国を回って結果的に世界一周旅行になった。その時、家内とコンピュータ・リテラシーを訪ねたら、廃屋になっていた。寂しい気がした。インターネットの普及で情報の入手が楽になり、相対的にコンピュータ・リテラシーに対する需要が減ったのだろう。
 コムデックスだけでなく、シリコン・グラフィックなどのコンピュータ会社や、SCO(サンタ・クルーズ・オペレーションズ)などのソフトウェア会社や、MAP(マニュファクチャリング・オートメーション・プロトコル)やLAN関係の群小のネットワークの会社を直接訪ねることも多かった。
 アラン・ブラッドレーやケーブルトロンなどは、どこへ行ってしまったのだろうなどと振り返ってみると、シリコンバレーには、色々なつかしい思い出がある。
 シリコンバレーの名の由来は、1971年、ドン・ホーフラー(Don Hoefler)が、サンタクララ市に本拠を置くエレクトロニック・ニュース紙に「シリコンバレーUSA」という連載を始めてからである。ドン・ホーフラーは、シリコンバレーの内幕物を得意としたライターであったらしい。
 本書は、元々は、ある目的のために書き始めた序章のようなものであった。しかし私の体力を考えると、もう一回本格的にこのテーマに取り組む事は無理かもしれないと思った。そこで腰を据えて、マイクロコンピュータ革命前夜までのシリコンバレーについて書いた。ある意味でシリコンバレーの歴史の話ではあるが、実はシリコンバレーを作り上げて行った人達の話である。私自身が知りたいと思っていたことや、はっきりさせたいと思っていたことを、この機会に多少系統的に調べた部分もある。
 シリコンバレーといえば、半導体など技術的な内容に触れざるを得ない部分もあるが、一般の読者がつらさを感じない程度の記述に留めた。ただし正確さについては、原資料を参照し、できるだけ厳密を期したつもりであるが、浅学非才な筆者のことゆえ、うっかりした誤りもあろうかと思う。読者の御寛恕を頂ければ幸いである。
 本書はシリコンバレーの黎明から、マイクロコンピュータ革命前夜までを扱う。
 本書は2部構成になっている。
 第1部は、2012年の年末に行なった現在のシリコンバレー訪問記である。シリコンバレーが、どんな所か、概略をご理解頂けるようにと考えた。ある意味でハリウッドのビバリー・ヒルズ巡りのようなものである。
 第2部は、シリコンバレーの時系列的な、いわば正統的な歴史である。じっくり最初から読んで頂ければ幸いであるが、興味のある所から読んで頂いて結構である。
 地名や人名の表記については、かなり気を使ったつもりである。地名はできるだけグーグルの地図に準拠したが、可読性が低いと判断した場合は適当に変更してある。グーグルの地図では、たまに奇妙な食い違いがある。人名についても、あまりに原語と乖離していると判断した場合は音引き等を直した。グーグルの検索の場合は音引きを直しても見つかると思う。
 本書が成立できたのは、熱心に編集に当たって頂いた東京電機大学出版局の石沢岳彦課長、小田俊子氏、徳永美樹氏をはじめとする皆さんのおかげである。厚く感謝する。また、家内と次男をはじめ家族には多大の協力をしてもらった。あらためて感謝の意を表したい。

2013年9月
脇 英世

上記内容は本書刊行時のものです。