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アジャイル概論 長瀬嘉秀(監修) - 東京電機大学出版局
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アジャイル概論 (アジャイルガイロン)

コンピュータ
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A5判
180ページ
並製
価格 2,500円+税
ISBN
978-4-501-55060-8   COPY
ISBN 13
9784501550608   COPY
ISBN 10h
4-501-55060-0   COPY
ISBN 10
4501550600   COPY
出版者記号
501   COPY
Cコード
C3004  
3:専門 0:単行本 04:情報科学
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2012年5月
書店発売日
登録日
2012年5月10日
最終更新日
2021年1月12日
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紹介

近年のソフトウェア開発には迅速・適応的・軽量が求められている。それに応えるべく登場したのがアジャイル手法である。すでに世界中で取り入れられ、数々の成果をあげている。本シリーズは、アジャイル開発技術を短時間で効率よく習得できるようにと考えられた実践的教科書で、基礎編と応用編から構成されている。あらゆるソフトウェア開発に必要な、プログラム言語、設計技術、開発プロセスを、全10巻の中で解説。基本的な解説、たくさんの応用例、ふんだんな演習問題と解答によって、理解が深まる。

目次

第1章 総論
 1.1 アジャイル開発とは
 1.2 アジャイルの背景
 1.3 アジャイル開発の特徴
第2章 スクラムとストーリー
 2.1 スクラム概要
 2.2 ストーリー概要
第3章 XP概要
 3.1 XPとは
 3.2 XPの価値
 3.3 XPのプラクティス
第4章 アジャイルプロジェクト計画
 4.1 プロジェクト事前準備
 4.2 要求面での事前準備
 4.3 プロセス面での事前準備
 4.4 環境面での事前準備
 4.5 イテレーション設計
第5章 アジャイルプロジェクト進行
 5.1 イテレーションの計画
 5.2 イテレーション計画会議とは
 5.3 イテレーション計画会議第1部で行なうこと
 5.4 計画会議第2部で行なうこと
 5.5 日時進捗管理の考え方
 5.6 検査と適応
第6章 チーム運営に必要なプラクティス
 6.1 進捗管理に有用なプラクティス
 6.2 タスクボードについて
 6.3 バーンダウンチャートについて
 6.4 バージョン管理
 6.5 継続的結合
 6.6 その他のプラクティス
演習問題
解答
索引

前書きなど

 アジャイルソフトウェア開発宣言から10年,国内においてもアジャイル開発の知名度はずいぶん上がってきた。業態によりその活用度合いはさまざまだが,導入事例も増えてきている。そして昨今,アジャイル開発の流れが大きく変わってきているのを強く感じている。それは,アジャイル開発手法をそのまま使うのではなく,既存のプロセスと融合させて使っていこうという変化である。私たちを含め,さまざまな企業でそのようなハイブリッド型のアジャイル開発プロセスを策定・活用している。
 使われないプロセスはただのお飾りなので,このような導入可能性を追求するアプローチは好ましいと考えている。しかし既存のプロセスと融合させる際に,アジャイルが本来もつ価値を忘れて形式的に採用してしまい,そのメリットを引き出せなくなるケースもまた増えている。アジャイルの応用的な活用方法に注目が集まる昨今だからこそ,なおさらアジャイルの基本を押さえることの重要性を感じている。
 では,アジャイルの価値とはどのようなものなのだろうか。アジャイルのもたらした大きな価値は,「ビジネスを見つめること」と「人を見つめること」の2つの価値観の転換であると考えている。
 ビジネスを見つめるとは,ソフトウェアの価値を評価する際に,どれだけビジネス価値を生み出すことができるのかという視点で捉えることを意味する。そのような視点に立てば,自ずと反復型や適応型といった考え方に行き着くことになるだろう。
 人を見つめるとは,人のもつ効率性や創造性そして不確実性などの特性を受け入れて,それを活用する方向でプロセスを考えるということである。自律性を引き出すしくみ,改善を促すしくみ,創造性を発揮させるしくみ―アジャイル開発手法にはそのようなしくみが備わっている。アジャイル開発のメリットを最大限に享受するためには,そのようなしくみを有効活用することが大切である。
 本書は大きく2つに分かれる。アジャイル概要を説明する前半部と,具体的なアジャイルプロジェクトの進め方を説明する後半部とである。前半部は第1~3章から構成され,後半部は第4~6章からなる。
 アジャイル開発の基礎的な知識を整理したい方は,前半部から読んでいくことをお勧めする。アジャイルのプロセス定義の基礎的な知識を得ることができる。とくにビジネスを見つめるといった視点で読み進めていただけると,より理解が進むだろう。少しずつ段階的にフィードバックを繰り返しながらビジネス価値を探索する―そのような考え方がプロセスのいたるところに散りばめられているということを感じてもらえればと思う。
 続いて後半部では,実際のアジャイルプロジェクトの進め方を,経験に基づく勘所を含めて解説している。計画の部分を第4章で解説し,プロジェクト開発後の進め方を第5章で整理する。そして,開発技法としてのプラクティスについて第6章で紹介している。アジャイル開発においては,人の要素を見つめ,人を活かすことが重要となる。そのため,本書では会議体の運営方法を中心としPCDAサイクルの回し方を中心に紹介するアプローチを取った。人の自律性や創造性を,お題目を唱えるだけでなく,しくみとして実現しようとするアジャイル開発の取り組みが理解していただけると思う。

 本書は,これからアジャイル開発を始めようという方に,必要となる基礎知識を提供するものである。皆が幸せになるアジャイルプロジェクトの一助となれば幸いである。

 2012年3月
 設楽秀輔

上記内容は本書刊行時のものです。