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金融ジェロントロジー 清家 篤(著/文 | 編集) - 東洋経済新報社
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金融ジェロントロジー (キンユウジェロントロジー) 「健康寿命」と「資産寿命」をいかに伸ばすか

社会科学
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A5判
208ページ
定価 1,600円+税
ISBN
978-4-492-73342-4   COPY
ISBN 13
9784492733424   COPY
ISBN 10h
4-492-73342-6   COPY
ISBN 10
4492733426   COPY
出版者記号
492   COPY
Cコード
C3033  
3:専門 0:単行本 33:経済・財政・統計
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2017年3月17日
最終更新日
2017年4月14日
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紹介

金融機関も他人事ではなくなる2025年問題とは何か?
認知機能が低下した高齢者の資産管理はどうあるべきか?
再生医療や介護ロボットなどの実用可能性は?

日本の高齢化は世界に類を見ないものである。
2016年時点で65歳以上の高齢人口率は27%を超えているが、
この後も上昇を続け、今年(2017年)生まれた子供が大学生になる2035年には
日本の人口の3分の1になると予測されている。
また、認知症患者は2025年に700万人以上になると推計されている。

日本では、高齢化や認知症の問題は、
医療、介護、社会保障制度などを中心に議論されてきたが、
明るい高齢社会をいかに築くかを考えるとき、もう1つ大事な視点がある。
お金の問題である。

認知能力の低下した高齢者の増加で
最も深刻な影響を受ける可能性のある産業が金融業である。
複雑な金融商品の購入は認知能力のしっかりした個人でも容易ではない。
認知能力の低下した高齢者にそうした金融商品を買ってもらうわけにはいかない。

しかも、金融資産の保有量は年齢に比例して増える傾向にある。
日本の家計金融資産は、2016年9月時点で1752兆円。
貯蓄の6割、有価証券の7割を60歳以上の世代が保有している。
高齢者ほど多くの金融資産を保有しており、
かつ認知能力低下のリスクもより高く持っているのである。
高齢化と認知症の増加の問題は、
高齢者の資産管理・運用を担う金融機関の問題でもあるのだ。

すでに米国などでは、
老齢期及び老齢化のプロセスの研究であるジェロントロジー(老年学)と
金融(資産運用・資産管理)研究とを組み合わせた学際研究が進んでいる。
それが「金融ジェロントロジー」と呼ばれるものだ。

このような問題意識をもとに、
医学・工学などの自然科学、経済学・法学などの社会科学の研究者と、
金融機関や民間シンクタンクの知見を集め、
明るい高齢社会を築くために、
いかに「健康寿命」と「資産寿命」を伸ばすかについて、
現状の問題と解決のための提言をまとめたものが本書である。

目次

はじめに
序 章 ヘルスケアとウェルスケアの時代
第1章 超長寿社会における社会経済システムの構想
第2章 認知機能の低下した高齢者の意思決定
第3章 社会システムの変革で人口減少時代に挑む
第4章 高齢社会を支えるテクノロジーはどうあるべきか
第5章 高齢社会の働き方と健康
第6章 高齢者の認知機能の低下と法的問題
第7章 高齢者の資産管理のあり方を考える
第8章 グローバル化の中での日本の高齢化問題
おわりに
索引
研究参加者一覧

著者プロフィール

清家 篤  (セイケ アツシ)  (著/文 | 編集

清家 篤(セイケ アツシ)
慶應義塾長
1954年、東京都生まれ。1978年、慶應義塾大学経済学部卒業。1983年、同大学大学院商学研究科博士課程単位取得退学、1993年、同大学博士(商学)。慶應義塾大学商学部助教授、同教授、同学部長を経て、2009年より慶應義塾長。現在、社会保障制度改革推進会議議長、日本労務学会会長も務める。専門は、労働経済学。主な著書に、『高齢化社会の労働市場』(東洋経済新報社、労働関係図書優秀賞受賞)、『高齢者就業の経済学』(共著、日本経済新聞社、日経・経済図書文化賞受賞)、『雇用再生』(NHK出版)など多数。2016年、仏政府よりレジオン・ドヌール勲章受章。

上記内容は本書刊行時のものです。