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教科書には書かれていない江戸時代 山本 博文(著/文) - 東京書籍
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教科書には書かれていない江戸時代 (キョウカショニハカカレテイナイエドジダイ)

歴史・地理
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発行:東京書籍
四六判
272ページ
定価 1,400円+税
ISBN
978-4-487-81171-7   COPY
ISBN 13
9784487811717   COPY
ISBN 10h
4-487-81171-6   COPY
ISBN 10
4487811716   COPY
出版者記号
487   COPY
Cコード
C0021  
0:一般 0:単行本 21:日本歴史
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2018年8月
書店発売日
登録日
2018年6月21日
最終更新日
2018年8月1日
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紹介

武士はなぜ腹を切るのか?
赤穂浪士の討入りは主君のためだけではない!
参勤交代は超高速が当たり前?
薬の値段はどれくらい?
学問は個人の出世のためではなかった!
ドラマや小説ではわからない江戸時代の真相!

本書は、江戸時代の武士と町人たちの実像を、当時の文書(もんじょ)から蘇らせ、人々が幕藩体制という社会制度のもと、どのように暮らし、どのような課題を抱えていたかを、江戸学の第一人者山本博文東大教授が、わかりやすく解説した書籍である。
江戸時代については、家康から幕末期の慶喜まで、映画やテレビ、小説などで様々に描かれているが、どうしても現代劇的な面が強調され、嘘とまではいかないが、真相とずれている内容が見受けられる。
例えば、有名な忠臣蔵の討入りは主君のためだけに行われたわけではない。
背景には討入りをしなければならなかった武士としての理由があった。
著者はわかりやすい文章でその背景を鮮やかに導き出して見せる。
また、現代の人々は参勤交代というと「下に、下に」という厳格な面しか思い浮かべないが、どうもそうでもないらしい、ということを著者は教えてくれる。
本書の面白さはここにある。
この一冊から、教科書には書かれていない江戸時代が次々と出てくる楽しさを味わってほしい。

【参考】
江戸時代、人々は武士と百姓・町人という身分に大きく分けられていた。江戸時代後期の人口は推定約3200万人。構成は武士約7%、町人約5%、百姓約85%、その他約3%である。
大坂夏の陣を最後に戦乱は止み、平和な時代が続くようになる。武士は公務員化し、戦で功を立てることは不可能なため、出世コースに乗ることが大きな目標となる。町人たちの多くは、貧富の差に関係なく、日々楽しく暮らすことを第一として生きるようになる。学問の世界では、自由闊達な雰囲気のもと様々な研究が登場し、最先端の「知」が江戸に花開く。学びは庶民にまで広がり、現代に繋がる学問の基礎が築かれたのも江戸時代である。

目次

【第1編 武家の世界】
第1章 武士の稼業も楽じゃない
1 武士と武士道
2 武士はなぜ腹を切るのか?
3 どんなことで切腹をしたのか?
4 刀を差した官僚たち―旗本たちの出世競争
第2章 参勤交代の経済学
1 江戸時代を決定づけた参勤交代
  一日に進む距離はフルマラソンと同じ/ヨーロッパン人も驚く街道の賑わい 他
2 参勤交代の本当の姿
  参勤交代の道中のしきたり/参勤交代の費用は?/意外といい加減な大名行列の実態 他
第3章 武士の黄昏―幕末期の武士たち
1 幕末期のある旗本の一生
2 時代に翻弄された女性…天璋院篤姫
3 大奥の人々…将軍生母、老女、御中臈たちの実態
4 家茂と孝明天皇
5 最後の将軍・慶喜の決断

【第2編 庶民の世界】
第1章 多様性のある江戸時代の都市
1 様々な形で発展する江戸時代の町
2 巨大都市の誕生と発展
第2章 明日は今日より面白い
1 江戸は庶民が主役
  景気の変遷/江戸版グルメの時代/女性の髪型と化粧の流行/歌舞伎と見世物/宵越しの金が持てない人々 他
2 町人社会の現実
  現代社会の原型が見られる元禄時代/飛脚問屋の動かす金 他
第3章 江戸時代は薬社会
1 庶民に普及し始めた薬
2 薬の普及と人気薬の登場

【第3編 学問の世界】
第1章 儒学者の時代
1 なぜ儒学が盛んになったのか
2 儒学の世界
3 天才・熊沢蕃山
第2章 江戸に花開く知
1 実証的・実学志向の学問
2 万能型人物を輩出する時代
第3章 蘭学者に対する弾圧
1 迫りくる西洋文明
2 強化される弾圧

著者プロフィール

山本 博文  (ヤマモト ヒロフミ)  (著/文

1957年岡山県津山市生まれ。東京大学文学部卒業。同大修士課程修了。文学博士。現在、東京大学大学院情報学環教授、同史料編纂所教授。
『江戸お留守居役の日記』(読売新聞社)(1991)で、日本エッセイストクラブ賞受賞。『鎖国と海禁の時代』(校倉書房)(1995)では、従来の「鎖国令」の定説をくつがえし、教科書が書き換えられている。豊臣政権から江戸時代の政治や武士社会を中心に研究している。
著書は、『流れをつかむ日本史』(角川新書)、『東大教授の「忠臣蔵」講義 』(角川新書)、『歴史の勉強法 確かな教養を手に入れる』 (PHP新書)、『天皇125代と日本の歴史』(光文社新書)、『格差と序列の日本史 』(新潮新書)、『歴史をつかむ技法 』(新潮新書)、『日本史の一級史料』(光文社新書)、『信長の血統』(文春新書)、『武士道の名著』(中公新書)など多数。
東京書籍からは、『読み方で江戸の歴史はこう変わる』、『教科書には出てこない江戸時代』、『こんなに変わった歴史教科書』ほか。

上記内容は本書刊行時のものです。