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琉球列島の蚊の自然史 宮城 一郎(著) - 東海大学出版部
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琉球列島の蚊の自然史 (リュウキュウレットウノカノシゼンシ)

自然科学
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B5判
244ページ
上製
定価 4,800円+税
ISBN
978-4-486-02129-2   COPY
ISBN 13
9784486021292   COPY
ISBN 10h
4-486-02129-0   COPY
ISBN 10
4486021290   COPY
出版者記号
486   COPY
Cコード
C3045  
3:専門 0:単行本 45:生物学
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2017年3月1日
書店発売日
登録日
2017年2月7日
最終更新日
2017年3月21日
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紹介

長年にわたる琉球列島の蚊相の研究で得られた知識やノウハウ、蚊が伝播するフィラリア症、マラリア、デング熱、日本脳炎など医動物学分野の情報と最新知見を解説する。

目次

はじめに
第1章 琉球列島の蚊相とその特徴
 1.1 琉球列島
 1.2 蚊研究の経過
 1.3 多種多様な琉球列島の蚊相
 1.4 東南アジアの蚊相のミニチュア版・東洋のガラパゴス
 1.5 いろいろな発育ステージで越冬する琉球列島の蚊
第2章 蚊科の分類研究を始めるに際して
 2.1 国際命名規約,学名とは
 2.2 蚊科の分類体系
 2.3 ハエ目(Diptera)全体を眺めること
 (1)蚊科の形態的特徴
 (2)検索表
 (3)多数の標本を集める
 (4)文献を手元に収集する
 (5)標本と記載
 2.4 沖縄島北部「お山」での観察
 (1)かくれんぼ実験
 (2)交雑実験
 2.5 分子生物学的な方法による蚊の分類
 (1)蚊のDNAバーコーディングとは
 (2)蚊DNAの塩基配列
 (3)同種でも各島間でDNAの塩基配列は多少異なる
 2.6 蚊科の姉妹群・チスイケヨソイカ科
第3章 蚊の生活史
 3.1 卵,幼虫,蛹,成虫の特性
 3.2 交尾の仕方
 3.3 吸血嗜好性
 3.4 蚊の口器
 (1)幼虫の摂食の仕方
 (2)七つ道具からなる成虫の口器
 3.5 産卵方法
 (1)卵粒産卵
 (2)卵塊産卵
 (3)抱卵する熱帯雨林の蚊
 3.6 水溜まりの分類
 3.7 卵巣の観察から分かること
 (1)形態
 (2)未経産蚊と経産蚊
 (3)血を吸わないで卵を産む蚊
 3.8 吸血量と卵巣発育
第4章 蚊の採集と飼育方法
 4.1 成虫採集
 (1)ライトトラップ
 (2)動物囮,炭酸ガストラップ
 (3)カエル鳴き声トラップ
 (4)その他の方法
 4.2 幼虫と卵の採集
 (1)掬い取り法
 (2)オビトラップ(産卵用わな)
 (3)吸水ポンプ
 (4)卵の採集
 4.3 蚊の輸送
 4.4 飼育方法
 (1)幼虫の飼育
 (2)成虫の飼育
 (3)累代飼育
 (4)簡便な飼育かご・コネクションケージ
 (5)個別飼育
 4.5 標本作製
 4.6 マクロ撮影
第5章 各島の蚊
 5.1 絶海の孤島・南北大東島
 (1)島の地勢
 (2)吸血に飛来した珍品
 (3)ダイトウシマカと命名
 (4)蚊相と各種の由来
 (5)ダイトウシマカの祖先は?
 5.2 蚊多様性の西表島
 (1)島の地勢
 (2)様変わりする自然環境
 (3)エセコブハシカの再発見
 (4)固有種イリオモテチビカ
 (5)蚊学講座
 5.3 渡瀬ライン境界のトカラ諸島
 5.4 奄美大島・徳之島の固有種アマミムナゲカ
 5.5 塩水溜まりに発生するトウゴウヤブカ
第6章 蚊の珍しい生態
 6.1 魚の血を吸う蚊
 (1)マングローブ林内の小火山
 (2)アナジャコの巣穴を利用する蚊
 (3)地下水をポンプでくみ上げる
 (4)淡水性のカニ類の巣穴を棲み家にする蚊
 (5)地下の水溜まりで越冬するボーフラ
 (6)二つの疑問
 (7)巣穴坑道の構造は?
 (8)丑三つ時のマングローブ林内
 (9)トントンミーとのお見合い
 (10)蚊の胃内の血液は魚由来
 6.2 竹筒内に生息するスマートな蚊
 (1)幻のボーフラ
 (2)幼虫は裁断者
 (3)網目から脱走した軽業師
 (4)竹筒に孔を開けるカミキリムシ
 (5)ヤンバルギンモンカと命名
 (6)コロンブスの卵
 (7)特殊な交尾・産卵習性
 (8)銀紋の役割は?
 (9)ヤンバルギンモンカの親戚
 6.3 シリアゲアリに依存するカギカ(好蟻性蚊)
 (1)最も特殊化した蚊
 (2)パプアニューギニアでの出会い
 (3)アリの口から栄養液を略奪する
 (4)棲み家は葉腋の水溜まり 
 (5)自宅の庭での越冬観察
 (6)沖縄でのオキナワカギカ成虫の摂食方法は?
 6.4 西表島の固有種クロフトオヤブカ
 6.5 蚊を食べる蚊の幼虫
 (1)巨大な蚊・オオカ
 (2)有害蚊駆除の試み
 (3)獰猛なカクイカ
 6.6  ヤエヤマナガハシカの産卵行動
 (1)有彩色の純色と無彩色に対する抱卵蚊の反応
 (2)無彩色の明度の違いによる抱卵蚊の反応
 (3)水の有無容器への産卵
 6.7カエルの鳴き声に誘引される蚊類
 (1)カエルの血を吸うチビカ
 (2)カエル鳴き声トラップの考案
 (3)混合と単独カエル鳴き声トラップで採集された蚊類
 (4)鳴き声のスペクトルとは
 (5)人工合成音の作製
 (6)チビカとチスイケヨソイカでは合成音への異なる反応
 (7)胃内の血液のDNA
 (8)多種多様なチビカ類
第7章 琉球列島に生息する蚊 (成虫, 幼虫) の検索表
第8章 沖縄県で過去に流行した蚊が媒介する病気
 8.1.デング熱
 (1)媒介蚊
 (2)流行を繰り返したデング熱
 (3)消えたネッタイシマカ
 (4)しばしば移入されるネッタイシマカ
 (5)ヒトスジシマカの越冬
 (6)代々木公園で流行したデング熱
 (7)バリ島での媒介蚊の調査
 (8)「危険なアジアの虎」 北米に侵入
 (9)チクングニア熱とジカウイルス感染症
 8.2 日本脳炎
 (1)激減する患者
 (2)沖縄の媒介蚊
 (3)南琉球で初記録されたニセシロハシイエカ
 (4)種同定用プライマーの開発
 (5)北上するニセシロハシイエカ
 (6)ウエストナイル熱
 8.3 マラリア
 (1)八重山諸島で流行したマラリア
 (2)減少する宮古島の媒介蚊
 (3)沖縄島で流行したマラリアの媒介蚊は?
 (4)森林内で昼間血を吸うオオハマハマダラカ
 (5)ラオス国におけるマラリアの疫学的調査研究
 8.4 ヒトの糸状虫 (フィラリア) 症と媒介蚊
 (1)糸状虫症撲滅の経緯
 (2)防圧成功のカギ
 (3)大発生していたネッタイイエカ
 (4)近年激減するネッタイイエカ
 8.5 イヌの糸状虫 (フィラリア) 症
 (1)過去に流行した2種の犬糸状虫
 (2)4島のイヌの糸状虫保有状況
 (3)媒介蚊
 (4)仔虫は非定期出現性
 (5)蚊の脱糞と共に排出される仔虫
 (6)各種蚊の感染実験
 (7)蚊体内での仔虫の発育
おわりに

付表 1 琉球列島に生息する蚊の和名,学名
   2 日本産蚊科の分類体系と各地域の種数
   3 琉球列島に生息する蚊とその分布
   4 琉球列島に生息する蚊の生息水域

索引

著者プロフィール

宮城 一郎  (ミヤギ イチロウ)  (

琉球大学医学部名誉教授

當間 孝子  (トウマ タカコ)  (著/文

琉球大学教授

上記内容は本書刊行時のものです。