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トウモロコシの種蒔き シャーウッド・アンダーソン(著/文) - 柏艪舎
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トウモロコシの種蒔き (トウモロコシノタネマキ) S・アンダーソン短編集 (エス アンダーソンタンペンシュウ)
原書: Collected Stories

文芸
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発行:柏艪舎
発売:星雲社
四六判
重さ 300g
176ページ
並製
定価 1,500円+税
ISBN
978-4-434-24337-0   COPY
ISBN 13
9784434243370   COPY
ISBN 10h
4-434-24337-3   COPY
ISBN 10
4434243373   COPY
出版者記号
434   COPY
Cコード
C0097  
0:一般 0:単行本 97:外国文学小説
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2018年3月
書店発売日
登録日
2018年2月7日
最終更新日
2018年3月16日
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書評掲載情報

2018-07-01 山梨日日新聞  
2018-06-24 岐阜新聞  
2018-06-20 山陽新聞  
2018-03-25 読売新聞  朝刊
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紹介

アメリカ文学史上極めて重要な位置づけをされている作家、シャーウッド・アンダーソン。
世の不条理や様々な人間模様、あるいは人の深層心理の綾をその鋭い観察眼で抉り出す。
単行本未収録の短編15編を収録した傑作短編集。
シリーズ〈世界の文豪〉第5作。
読売新聞、柏艪舎等が後援する「文芸翻訳検定」初の1級合格者、後藤健治氏による翻訳作品。

目次

妹 3
白い筋 7
途切れぬもの 16
不意打ち 26
完全な行き詰まり 35
ミスター・ジョーの友人ドクター 50
トウモロコシの種蒔き 57
確執 65
ハリー、達観する 73
ミセス・ワイフ 83
二人の恋人たち 107
ホワイトスポット 129
誰も笑わなかった 138
土地所有者 154
嘘は、吐き通せば、うそでなくなる 162
訳者あとがき 172

前書きなど

訳者あとがき

本書は『SHERWOOD ANDERSON COLLECTED STORIES』に収められた『uncollected stories』の全訳である。著者のシャーウッド・アンダーソンはノーベル文学賞受賞作家ウィリアム・フォークナーをして、「我々の世代のあらゆる作家の父親」と言わしめたほどの人物だが、残念ながら、日本ではあまり知られていない。この短編集が、アメリカ文学史上において極めて重要な位置づけをなされている作家、シャーウッド・アンダーソンを知るきっかけになってもらえれば、と思っている。
本書は十五の短編から構成されており、各編の中で、様々な切り口から多彩な人間模様が描かれている。人間の本質を追求しようとする、いわゆる純文学的な作品である。各編のストーリーに関連性はなく(別個のストーリーに同一人物が登場している場合もあるが、ストーリー自体は独立している)、従って、どの話から読んでも内容を理解する上で支障はないものの、基本的に執筆された年代順に収録されているので、最初から順を追って読み進めるほうが、“人間とは何か”という永遠のテーマに挑もうとしている著者自身の思考の移ろいみたいなものが見えてきやすいかもしれない。
アメリカ文学史を語る上で決して見逃せない作家シャーウッド・アンダーソンは、冒頭で述べたフォークナーのみならず、これまたノーベル文学賞受賞作家であるアーネスト・ヘミングウェイにも多大な影響を及ぼした。簡潔な文体、平易な言い回し、明確な文章構造、そして、時に見られる奇妙にも新鮮な語彙選択、それらの要素が相まって、作品全体に歯切れの良さをもたらし、心地よいリズムを生み出している。二人のノーベル賞作家が心酔したのも当然のことと言えよう。そのような文章スタイルは長編よりはむしろ短編に向いており(ちなみに、アンダーソンの代表作である『ワインズバーグ・オハイオ』も二十二の短編から成っている)、本短編集でシャーウッド・アンダーソンという作家の真髄に触れてもらえれば、訳者として、これに勝る喜びはない。

本書を訳出するにあたっては、今述べたようなアンダーソン独特の文章スタイルを生かすことを念頭に置いた。ただ、収録作品の中には相当昔に執筆されたものも含まれているため、文字どおり訳すと現代の読者には意味が把握しにくくなると思われる箇所があり、そのような箇所については、意訳、あるいは、超訳的な訳を試みたことをご了承願いたい。
最後に、文芸翻訳検定後、未熟な自分に『uncollected stories』の翻訳を任せてくれた柏艪舎の皆様方に感謝の意を表したい。とりわけ、当出版社の代表であり、自分の恩師でもある翻訳家の山本光伸先生には、訳出にあたって、言い尽くせないほどお世話になった。編集の青山さんからも貴重なアドバイスをいただいた。深謝するばかりである。
以下、収録作品の原題と発表年(初出)を記しておく。

妹(sister, 1915)
白い筋(the White Streak, 1918)
途切れぬもの(Certain things last, 1920s)
不意打ち(Off Balance, 1933)
完全な行き詰まり(I get So I can't Go On, 1933)
ミスター・ジョーの友人ドクター(Mr.Joe's Doctor, 1934)
トウモロコシの種蒔き(The Corn Planting, 1934)
確執(Feud, 1935)
ハリー、達観する(Harry Breaks Through, 1936)
ミセス・ワイフ(Mrs. Wife, 1937)
二人の恋人たち(Two Lovers, 1939)
ホワイトスポット(White Spot, 1939)
誰も笑わなかった(Nobody Laughed, 1939)
土地所有者(A Landed Proprietor, 1941)
嘘は、吐き通せば、嘘でなくなる(The Persistent Liar, 1946)                      

版元から一言

20世紀アメリカ文学を代表する作家、S・アンダーソンの純文学短編集。
本作は、人間をときに厳しく、ときに優しく見つめながら、彼らの心奥を抉り出そうとするアンダーソンの真骨頂と言えるだろう。

著者プロフィール

シャーウッド・アンダーソン  (シャーウッド アンダーソン)  (著/文

1876年、オハイオ州キャムデン生まれ。高校を中退後、軍隊に入隊。その後さまざまな職を転々とし、1913年にシカゴに居を移し、執筆活動を始める。1919年、オハイオ州の小さな田舎町を舞台にした短編集『ワインズバーグ・オハイオ』を発表。E・ヘミングウェイ、J・スタインベック、R・カーヴァーなど、多くの作家に影響を与えている。1941年没。

後藤 健治  (ゴトウ ケンジ)  (

1966年1月14日生まれ。青山学院大学文学部フランス文学科卒。北星学園大学で翻訳法の講師を務めている。札幌市在住。

上記内容は本書刊行時のものです。