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教科書で教えたい 真実の中国近現代史 宮脇 淳子(著/文) - 柏艪舎
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教科書で教えたい 真実の中国近現代史 (キョウカショデオシエタイ シンジツノチュウゴクキンゲンダイシ)

歴史・地理
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発行:柏艪舎
四六判
282ページ
並製
価格 1,700円+税
ISBN
978-4-434-21943-6   COPY
ISBN 13
9784434219436   COPY
ISBN 10h
4-434-21943-X   COPY
ISBN 10
443421943X   COPY
出版者記号
434   COPY
Cコード
C0095  
0:一般 0:単行本 95:日本文学、評論、随筆、その他
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2016年4月
書店発売日
登録日
2016年4月8日
最終更新日
2016年11月17日
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紹介

日中関係論者のカリスマ!
宮脇淳子氏の最新刊!!

近年悪化の一途を辿る日中関係。
その原因はどこにあるのか? 
また、この関係は修復が可能なのだろうか?
右派的論調を封印し、近現代における日中間のしがらみを冷静に分析する―宮脇氏渾身の一冊。

目次

目次

序 章 尖閣問題とは何か  7
中国と韓国は七十年前の戦勝国ではない/中国人にとって、歴史は政治/中国が尖閣諸島の領有権を主張するようになったのは一九七○年/大陸の政権と日本に両属していた琉球王国が日本領になる/尖閣諸島は下関講和条約以前にすでに日本領になっていた/一九七○年までは尖閣諸島が日本の領土であると中国も台湾も認めていた/尖閣諸島の政治問題化と日本の対処の稚拙さ/民主党政権時代の中国漁船衝突事件/反日デモの実体/尖閣諸島は中国領であるという国連での発言/日本人にできること

第1章 「中国」とは何か  31
「中国」は二十世紀に誕生した/中国語には「近代」はなく、すべて「現代」/「支那」は江戸時代から使われる/「支那」も「チャイナ」も語源は「秦」/「支那」から「中国」へ/「中国語」の誕生は一九一八年/「支那」という漢字がタブーになった理由/「中国五千年」も二十世紀に誕生した

第2章 近代以前の歴史  45
黄河文明の誕生/漢人はどこから来たのか/中国史(シナ史)は大きく四つに時代区分できる/秦の始皇帝の統一/漢の武帝と司馬遷/漢の版図拡大/『三国志』の時代/隋・唐の再統一/科挙と官僚組織/契丹と女真と宋/モンゴル帝国の建国/元の時代/元と高麗の関係/明の時代/清の勃興/明が滅び清がシナ本土を支配する

第3章 アヘン戦争の衝撃  91
清朝とはどのような国家だったのか/清朝の斜陽の始まり/イギリス最初の清朝使節マカートニー/カントン体制/アヘン貿易/清朝のアヘン禁止政策/欽差大臣林則徐、アヘンを没収/アヘン戦争/南京条約/「アヘン戦争から中国の近代が始まった」という説は毛沢東が作った/アヘン戦争後も清朝はすぐには変わらなかった/アヘン戦争が日本に与えた衝撃/アヘン戦争が日本人を変えた

第4章 清の衰退―太平天国の乱と第二次アヘン戦争  125
二十世紀になってもてはやされた「太平天国の乱」/近代中国の革命において客家の果たした大きな役割/洪秀全とキリスト教/初期の布教/太平天国の蜂起/地上の天国の実情/太平天国の終焉/白蓮教徒の乱/捻軍の乱/雲南の漢族と回民の対立/清の地方行政―科挙官僚の支配の仕組み/団練から郷団へ―軍閥の起源/小刀会の蜂起と租界/第二次アヘン戦争(アロー戦争、一八五六~六〇年)/北京条約(一八六〇年)/太平天国と欧米列強/ロシアの黒龍江進出と沿海州獲得/外務省にあたる総理衙門を作る

第5章 洋務運動と日本の明治維新―清はなぜ日清戦争に負けたのか 167
洋務運動/中体西用/西太后はどのようにして実権を握ったのか/西太后はなぜ有名なのか/日本への黒船来航から江戸幕府の開国/日本とロシアの国境画定/国民国家という世界の新しい流れを受け入れた日本、取り残されたシナと朝鮮半島/七世紀以来の大陸との政経分離を破った日清修好条規/台湾出兵と沖縄県設置/清仏戦争に負けた清朝が、あわてて台湾を省に格上げする/日本からの正式な使者を拒絶した朝鮮王朝/日鮮修好条規が対等の条約でなかったのは、日清修好条規があったから/壬午軍乱と済物浦条約/清の李鴻章が先に朝鮮を属国にしようと企んだ/日本と清国が天津条約を結ぶ/日清戦争(一八九四~九五年)/三国干渉とロシアの南下/清国分割の危機/日清戦争に敗れた衝撃と変法論の挫折/日本をまねて近代化をはかった清国

第6章 孫文にまつわる真実と嘘―辛亥革命から国共合作へ 209
孫文の生い立ち/辛亥革命は新軍のクーデター、清朝は中華民国に平和裡に禅譲した/孫文よりも袁世凱のほうが上手/袁世凱に出した日本の二十一箇条要求と孫文の関係/「大ボラ吹き」の孫文と、ロシア革命で反日になった中国人/孫文の国共合作

第7章 二十世紀前半の日中関係史 227
李氏朝鮮が反日になりロシアにつく/義和団の乱から北清事変へ/ロシアが満洲を占領し、朝鮮にまで南下/日露戦争のときもなお、韓国皇帝はロシア側につこうとした/日露戦争後、列強は日本の韓国支配を認める/日本の満洲経営の始まり/満洲への日本の投資/日本とロシアが密約を結ぶ/第一次世界大戦の最中のロシア革命と日本のシベリア出兵/パリ講和会議とワシントン会議/中華民国とは名ばかりで軍閥闘争が続く/張作霖が爆殺され、満洲が国民政府の統治下に入る/張学良が満洲で排日を激化させる/満洲事変の原因を作ったのは?/満洲事変から満洲国建国/蒋介石は共産党が嫌いだったのに国共合作をさせられる/支那事変

おわりに 261

参考文献  265

図表一覧  268

索引  281

前書きなど

おわりに

現代中国や韓国が国際的に主張し、また自国民に教育している近代史は、七十年前に終わった日本の満洲や朝鮮半島統治を侵略と断定し、何の証拠もないのに日本人の残虐性を言い立てています。最近になってようやく日本人は、中国や韓国の言い分は政治的発言が優先し、嘘ばかりであることに気づきました。
しかし、もっと重大な問題は、まったく史実ではないそれらの事柄を、中国や韓国や、北朝鮮とすら仲良くしたい日本の進歩的知識人が、現地の言い分を重んじるという耳あたりのいい言いわけをしながら、日本の将来をになう若者を育てるための大切な歴史教科書に、そのまま取り入れていることです。しかも文科省の教科書検定も、「近隣諸国条項」などという規定が取り入れられ、史実かどうかよりも、中国や韓国との間で事を荒立てないようにという政治的判断を優先してきましたから、将来の日本を背負う子供たちに、自分の国に誇りを持てないような教育をしているのです。
真面目な先生ほど教科書通りに教えますし、なんか変だと思う先生たちは、近現代史をあまり熱心には教えません。その結果、何一つ史実を知らない日本人が、中国や韓国の言い分ばかりを聞かされて、そうなんだ、と思わせられる事態におちいってしまっています。日本の指導者を自任する人たちが、みずから自分たちの国家や先祖をおとしめ、嘘によって自国民の誇りを失わせるようなことをしていいものでしょうか。
前述したように、南京大虐殺は戦後の東京裁判のときに初めて出てきました。もし原爆や空襲で何十万人も殺されたのが中国人だったら、子々孫々まで、決してアメリカを許さずに報復を考えるでしょうが、日本人は、戦争のせいだから仕方がないとすべて水に流して生きてきました。軍事では敗れたけれども次は経済では負けないと、奇跡のような戦後復興も遂げたのです。
もちろん、アメリカに負けた悔しさを忘れず、反米になった日本人もいますが、問題は、反米がそのまま、親ソ・親中・親北朝鮮になったことです。
私が不思議に思うのは、左翼の進歩的知識人と呼ばれている日本人たちが、反米なのにもかかわらず、アメリカが押しつけた戦後憲法を後生大事にしていることです。日教組に代表される左翼の人たちは、戦前の日本の軍国主義こそが原爆投下の原因だ、アメリカと戦争さえしなければ日本は平和だったのに、と主張します。日の丸にアレルギーを示し、国歌斉唱にも起立しない教師は、いまだにアメリカがおしつけた東京裁判史観にマインドコントロールされているのです。
日本のマスコミや教育界がどうしてこんなに反日的なのかを私はずっと考えてきました。そして今ではこのように思います。
GHQの占領下で、アメリカだけでなく戦勝国になった中国やソ連にまで迎合し、さまざまな分野で本来の実力ではない権力を手にして影響力をふるった敗戦利得者の日本人は、その後も自分たちの利権を維持することばかり考えてきました。ことに教育界においては、彼らの弟子たちがその後ずっと日本の歴史教科書づくりを独占しているために、真実が語られないままなのではないかということです。
中国も北朝鮮も韓国も、今現在、国家を率いている支配層の統治の正統性は、他人の領土を侵略した悪い日本に抵抗して自分たちの民族国家を打ち立てた、という物語にあります。だから、自分たちの国内政治がうまくいかず国民の人気がなくなりかけると、日本がいかに悪かったか、それに比べて自分はいかに正しいかを国の内外に改めて表明しなければならなくなるのです。より反日であるという競争で政敵に勝つしかない、日本にとって極めて不幸な状況です。
同じことはじつはアメリカにも言えます。日本が悪いことをしたから原爆を落としたことは正義だったと、戦後七十年間、自分たちの過去を正当化してきました。もし日本がそんなに悪いことをしておらず、台湾や朝鮮半島の近代化に貢献し、植民地搾取もしていなかったとしたら、自分たちの方が無辜の民を大量虐殺したという悪魔の仕業をしたことになります。それだけは断じて認めることはできません。だから、史実かどうかではなく、自分たちにとってどちらの説明が都合がいいか、ということで判断をしようとします。アメリカ人がそういう気持ちでいることを知っているから、中国や韓国が日本に対して強い態度に出られるというわけです。
南京大虐殺や従軍慰安婦問題は、このような理由で世界中で日本叩きに使われています。しかしながら、だから、あきらめましょう、と私は言っているのではありません。中国人や韓国人やアメリカ人が、日本人の言うことに正義があると思うことは、それらの国家が続いている限り絶対無い、とわれわれの方で覚悟を決めればいいだけです。史実を立証しさえすれば問題は解決する、日本人が悪くないことを相手も理解するだろう、という期待を持たなければいいのです。
われわれは、将来の日本のために史実を明らかにし、それを世界に発信することだけを考えましょう。中国や韓国には、歴史を持ち出さないなら付き合います、と言えばいいのです。
中国における歴史は政治そのものである、ということを日本人が理解することがすべての出発点になると私は思います。本書が日本人の自虐史観のマインドコントロールを解く一助になることを願っています。
最後になりましたが、柏艪舎の山本光伸代表と編集者の熊木信太郎氏には、企画を頂戴してから書き上げるまで、ずいぶんお待たせしたことをお詫びいたします。

二〇一六年二月
宮脇 淳子

版元から一言

日中関係論者のカリスマ!
宮脇淳子氏の最新刊!!

近年悪化の一途を辿る日中関係。
その原因はどこにあるのか? 
また、この関係は修復が可能なのだろうか?
右派的論調を封印し、近現代における日中間のしがらみを冷静に分析する―宮脇氏渾身の一冊。

著者プロフィール

宮脇 淳子  (ミヤワキ ジュンコ)  (著/文

1952年和歌山県生まれ。京都大学文学部卒、大阪大学大学院博士課程修了。博士(学術)。東京外国語大学・常磐大学・国士舘大学・東京大学などの非常勤講師を歴任。最近は、ケーブルテレビやインターネット動画で、モンゴル史、中国史、韓国史、日本近現代史等の講義をしている。
著書に『モンゴルの歴史』(刀水書房)、『最後の遊牧帝国』(講談社)、『世界史のなかの満洲帝国と日本』(以上、ワック)、『真実の中国史』(李白社)、『真実の満洲史』(ビジネス社)など多数。

上記内容は本書刊行時のものです。