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治る患者学
賢い患者になるための闘病生活ハンドブック
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2010年6月
- 書店発売日
- 2012年6月25日
- 登録日
- 2012年6月1日
- 最終更新日
- 2012年7月26日
紹介
大病やリハビリ、ドクハラを経験した著者が、
その経験から、患者や患者の家族側の論理で、
患者はどうあるべきか、あるいは病院とどう向き合うべきかを書き連ねた一冊
目次
もくじ
まえがき 1
第一章 賢い患者は自らを助く
身勝手で、わがままな患者より、
素直でいい患者が早く治るわけ 12
どこが痛いか、どう苦しいか
的確に伝える患者がいい患者 15
伝える努力をする患者は、
自らを救うことになる 19
我慢すべきことと、
我慢すべきではないこと 22
偉ぶりたい人ほど、
ストレスがたまっていく 26
非常識な家族は患者を追い込み、
常識ある家族は患者を助ける 30
権力よりも人のつながり、
友達の友達は大事な存在である 33
病院はひとつの社会であり、
病室はひとつのコミュニティである 36
病院は細菌の巣窟と考えることも、
必要なことと知るべし 39
リハビリは休まず、怠けず、あきらめず、
過ぎたるは及ばざるがごとし 42
正しい入院生活の心得を
しっかりと確認しておこう 46
当事者意識を持って調べることが、
病の克服には必要な場合もある 49
第二章 賢い患者は治りが早い
「だってみのさんが……」では、
医師や看護師もお手上げである 56
「調子がいいから、薬はもうやめよう」では、
せっかくの治療を台無しにする可能性あり 60
「全然よくならない!」人は、
入院すれば治ると思い込んでいる? 63
「先生! どうにかして~」と、
子供のように甘えたいなら、その手のお店へ 67
親切心を発揮させるには、
敬意を持って接することが必要 70
受け流すことを覚えると、
闘病生活は少し楽になる 74
「夜、眠れないんです」といいつつ、
昼寝を繰り返す悪循環を絶つこと 76
「欲しい物があって」と無断で外出する患者は、
適切な治療を受けるのは難しい 79
「ダメだろうなあ」と思ったのなら、
病院にふさわしくない物は持ち込まない 82
「ちょっとくらい、いいじゃないですか」と、
病室で飲酒する困った患者たち 86
看護師を呼びまくる狼少年は、
自分と他人の首を絞めることになる 89
「もう少し入院させてください」といって、
病院をホテル代わりにしないこと 93
「白衣姿っていいよなあ」などといったら、
セクハラで強制退去されるかも!? 96
第三章 病院と付き合う方法
インフォームド・コンセントでわかる
医師の姿勢と病院の体制 100
医師との信頼関係を壊す
民間療法の信仰者たち 104
いい病院を見つけるのは難しいが、
悪い病院は案外わかりやすい 109
医師の経歴も見ておくべきだが、
専門を調べるのが一番大切 113
医師と看護師はひとつのチーム
チームワークのない病院はダメ 115
信頼できない医師からは、
一刻も早く離れること 119
医師も人の子、間違うこともあると考えて、
患者側も自衛策をとっておく必要あり 122
簡単とはいえない
セカンド・オピニオン 125
医師に直接いえないことは、
ほかの専門家を頼る 128
開業医の経歴と人脈が、
大きく患者を左右することもある 131
医師との接し方を考えておくと
心が軽くなることもある 134
第四章 面会、見舞いの心得
家族が入院したときに、
必ずしておくべきこと 138
友人や同僚が患者や家族に変わって、
やってあげるべきこともある 143
お見舞いは多過ぎても、
少な過ぎても困るもの 146
家族が入院したら、
「引っ越し」のように考える 149
規則を守れない患者と、
規則を守らない患者の家族 153
見舞いには「花」という認識は、
いますぐ改める必要あり 158
不安を取り除いてあげることも、
家族や友人の大切な仕事 163
元気づける方法と、
負担を与えてしまうこと 165
リハビリ中の家族や友人が、
患者にしてあげるべきこと 168
〈入院時の持ち物リスト〉 172
前書きなど
まえがき
医師や看護師、あるいは医事ジャーナリストといった医療界側の論理で書かれた本は、世間にたくさん存在しますが医師や看護師の立場も考えた上で、患者サイドに立って書かれた本を目にしたことがありません。
『治る患者学』と名付けたこの本は、大病やリハビリ、ドクハラを経験し、いまも持病で通院を余儀なくされている私が、その経験から、患者や患者の家族側の論理で、患者はどうあるべきか、あるいは病院とどう向き合うべきかを書き連ねた一冊です。
執筆中は、苦しい闘病生活を思い出し、何度も途中で投げ出したくなりましたが、この本を手渡したいと思える友人の顔を思い浮かべて、書き続けました。
しかし、彼にこの本を手渡すことはできませんでした。本文を書き終わり、原稿を渡してほんの数日後、東京から彼が天国へ旅立ったという連絡がありました。二月に友人を亡くした心の傷が癒される間もなく、四十九日を前にして親友を失ってしまいました。
世の中に絶対はない。すぐに不可能だなんてあきらめてたまるか! と、私はいつも、思っていますが、たったひとつ例外があります。人間は百パーセント死ぬということです。それだけは絶対で、避けようがありません。でも、だからこそ、少しでも長く充実した時間を過ごしたいと思っていますし、大切な人には、快適で心穏やかな日々を過ごして欲しい。過ごさせてあげたい。そう願っています。
本書が、もし皆様の、あるいは皆様の大切な方々のお役に立てたら、これ以上の喜びはありません。どうか、本書を参考にしながら、病や病院との向き合い方を工夫し、充実した人生をお送りくださいませ。
最後になりましたが、本書の上梓にあたり、柏艪舎の可知佳恵様、たくさんの医療関係者の皆様のお世話になりました。御礼申し上げます。
瀧山大、矢萩肇、そして愛犬ベスの元にこの本が届きますように。
千石涼太郎
上記内容は本書刊行時のものです。