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ニューロラカン 久保田 泰考(著/文) - 誠信書房
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ニューロラカン (ニューロラカン) 脳とフロイト的無意識のリアル (ノウトフロイトテキムイシキノリアル)

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発行:誠信書房
A5判
236ページ
定価 3,000円+税
ISBN
978-4-414-41630-5   COPY
ISBN 13
9784414416305   COPY
ISBN 10h
4-414-41630-2   COPY
ISBN 10
4414416302   COPY
出版者記号
414   COPY
Cコード
C3011  
3:専門 0:単行本 11:心理(学)
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2017年7月27日
最終更新日
2017年8月30日
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書評掲載情報

2017-12-10 毎日新聞  朝刊
評者: 斎藤環(精神科医、筑波大学教授)
2017-10-22 毎日新聞  朝刊
評者: 斎藤環(精神科医、筑波大学教授)
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紹介

ラカン対脳?!――これまでラカニアンにとって脳を語ることは暗黙のタブーだった。しかし真にフロイトへの回帰を志向するなら、その神経学的基盤にも回帰せざるを得ず、要するにフロイトは元来ニューロフロイトなのだ。では、ニューロラカンを語る根拠はどこに見出されるのか。人はそこで『エクリ』におけるピンポイント攻撃というべき脳への正確な言及を思い起こすだろう。精神分析と神経科学の交錯から明らかになるフロイト的無意識のリアルとは?

目次

導入に代えて、あるいは、どうしてあなたはラカンを読むのか(よりにもよって)? 
 どうしてこんな書き方になったのか?
 誰がラカンを必要とするのか?
 あなたはどの程度ラカンを必要としているのか?
 ラカンは何をしたのか?
 フロイトは未だ読まれていない
 フロイトの反復強迫
 フロイトの精神分析を生き延びさせるために

第1章 最後の精神分析家
 最後の分析医?
 精神療法 VS 薬物療法
 誰がそれを恐れるのか?
 精神分析の幻想の未来
 ラカンへの回帰

第2章 夢の中のクオリア
 無意識のクオリア
 マトリックスと夢
 あなたはもうすぐ目覚める……
 REM睡眠と夢をめぐる論争
 私たちは意識体験において何を見ているのか?
 光学装置と主体
 もう一つの場所
 デジタルイメージにおける無意識

第3章 もし意識がなかったら、神経症は存在しないだろうか?
 一九五〇年代の「脳科学的」精神分析家
 ジャクソン――神経システムのアナーキー
 精神病は無政府状態ではない
 何が進歩したのか?
 側頭葉てんかん、扁桃体、ネガティブなクオリア
 発作を起こすドストエフスキー
 父の死後、何も許されない
  
第4章 意識・サブリミナル・無意識
 パラパラ漫画とストロボ(回転)円盤
 運動を視る脳
 アニメーションの極限
 意識体験を編集する
 皮膚電気反応――意識されない精神過程の指標
 「ヘビだ!」
 無意識の発見・サブリミナルの発見
 意識の時間性と解釈
 運動=行為の時間知覚と解釈

第5章 精神病・シニフィアン・意味
 パリ・ラカン派の精神科医たち
 ラカン派の「臨床」などない?  
 精神病という存在
 「精神病治療技法論」などない
 幻聴と「あなた」  
 難聴の精神病患者たち
 幻聴の神経基盤  
 ほんとうにそれは聴こえているのか?
 シニフィアンと脳
 幻聴をイメージする
 幻聴はバーチャルリアリティーではない

第6章 言説の「外」――パラノイアと自閉症論の現在
 「人間」の権利
 シュレーバーは何者だったのか
 「望んでも狂者にはなれない」
 自閉症と精神病

第7章 もし言語がなければ統合失調症はないだろうか 1
 統合失調症の「神話学」
 古典的な言語障害と意味処理のネットワーク
 言説における異常
 「排除」という想定と、その影響のもとにある存在
 意味の限界へ

第8章 もし言語がなければ統合失調症はないだろうか 2
 「初期の精神分裂病」の症例
 表象の意識化というオペレーション
 脳は意味である
 「穴は穴である」、あるいは「全部言葉だべ」
 どこまで行けば、言葉から自由になれるのか

第9章 死の欲動論 1
 生命と渦巻き
 結晶と死
 「フロイトの生物学」という困難
 ゾウリムシの「性と死」
 エントロピー・熱力学・情報
 死の欲動の臨床
 革新される精神分析

第10章 死の欲動論 2
 フロイトと戦争
 神経回路における思考、ボルツマン的な無意識
 トラウマと反復
 見られるものとしての私
 アヴァター――仮象としての自我
 自我、無意識、脳
 「死の欲動」の未来
 フィナーレ

あとがき、あるいはその体裁をとったもうひとつの導入

文  献
索  引

著者プロフィール

久保田 泰考  (クボタ ヤスタカ)  (著/文

滋賀大学保健管理センター教授、医学博士

上記内容は本書刊行時のものです。