書店員向け情報 HELP
出版者情報
社会的ネットワークと幸福感
計量社会学でみる人間関係
- 書店発売日
- 2017年1月17日
- 登録日
- 2016年12月7日
- 最終更新日
- 2017年1月13日
紹介
若年者の非婚や高齢者の孤立が社会問題化する現在、私たちの人間関係は何によって規定され、幸福感にどのような影響をもたらしているのだろうか。本書は、親族・隣人・友人関係の地域差と階層差や、ネットワークが幸福感に及ぼす影響を「30自治体調査」「未婚者調査」「後期高齢者調査」のデータを用いて計量分析によって検証する。
目次
まえがき
序章 変容する人間関係と幸福感
1.都市社会学と社会老年学からのアプローチ
2.「幸福」を測定する
3.未婚化・高齢化のインパクト
4.本書で用いるデータ
5.本書の構成
第Ⅰ部 概念と理論
第1章 人間関係をとらえる概念
1.社会的ネットワークとは
2.ネットワークが幸福感に及ぼす影響─概念モデル
第2章 人間関係を読み解く理論─都市,エイジングと社会的ネットワーク
1.都市/地域とネットワーク
2.エイジングとネットワーク
第Ⅱ部 人間関係の地域差と階層差
第3章 都市住民の親族・隣人・友人関係は衰退しているのか?─都市度と社会的ネットワーク
1.ネットワークに対する都市効果─理論的系譜と方法論的課題
2.日本における先行研究と仮説
3.方法
4.親族・隣人・友人関係に対する都市効果
5.考察─減少する近距離親族・隣人数,増大する中距離友人数
第4章 階層的地位は,親族・隣人・友人関係の格差をうみだすのか?─社会階層と社会的ネットワーク
1.ネットワークに対する学歴・職業・所得の効果
2.方法
3.ネットワークの性差と階層差
4.考察─「ネットワークを広域化する資源」としての学歴・所得
第Ⅲ部 幸福感を規定する要因
第5章 サポートを増やすべきか,否定的相互作用を減らすべきか?─社会的サポート,否定的相互作用とメンタルヘルス
1.人間関係のプラスとマイナスの機能
2.方法
3.誰の受領サポートと否定的相互作用が多いのか
4.受領サポートと否定的相互作用がメンタルヘルスに及ぼす影響
5.考察─否定的相互作用が及ぼすマイナス効果
第6章 ソーシャル・キャピタルの高さは満足度を高めるのか?─地域環境と居住満足度
1.理論的説明と方法論的課題
2.先行研究と仮説
3.方法
4.地域環境が居住満足度に及ぼす影響
5.考察─地域レベルの社会的凝集性と犯罪被害認知の直接効果
第Ⅳ部 未婚・高齢社会における人間関係と幸福感
第7章 孤独なのは誰か,孤独は不幸をもたらすのか?─未婚者の社会的孤立と孤独感
1.「社会的孤立」「孤独感」と幸福感
2.方法
3.ネットワーク,孤独感が幸福感に及ぼす影響
4.考察─未婚者にとっての「恋人の存在」の力
第8章 重要なのは親族なのか,友人なのか?─後期高齢者の社会的ネットワークと生活満足度
1.幸福に老いる条件としてのネットワーク
2.先行研究と仮説
3.方法
4.ネットワークがメンタルヘルスと生活満足度に及ぼす影響
5.考察─ネットワーク効果の性差
終章 人間関係という「つながり」と「しがらみ」
1.分析結果のまとめ
2.理論的/政策的インプリケーション
3.ネットワークと幸福感─今後の課題
文献
あとがき
人名索引/事項索引
初出一覧
上記内容は本書刊行時のものです。