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出版者情報
EUの揺らぎ
- 書店発売日
- 2018年2月24日
- 登録日
- 2018年1月10日
- 最終更新日
- 2018年2月20日
紹介
揺れ動くEUの未来はどうなるのか。さまざまな試練に直面するEUの現在を法・政治・経済の各分野の専門家が読み解く学際的研究。
現在EUは、ギリシャに端を発する金融危機、イギリスのEU離脱、移民・難民問題、テロ問題など様々な側面からの試練を受けている。EU懐疑派の台頭を受けEUがこれまでどおりの結束を維持できるか、あるいはどのように変容するのか、法・政治・経済の観点から検討する。
目次
まえがき
第1部 混迷するEU法体系
第1章 EUの回復力[リミヌッチ・ミケーラ]
1.はじめに
2.ヨーロッパとは
3.誠実協力の意味
4.多速度式欧州へ向けて
5.おわりに
第2章 EU市民権概念をめぐる収斂と揺らぎ[髙希麗]
1.はじめに
2.EUにおける市民の範疇
3.収斂された加盟国国籍法制等
4.EUを揺るがす諸事例
5.再国民化の動向とEU市民権の本質
6.おわりに
第3章 EU民事司法協力と国際商事仲裁─国際仲裁の≪localisation≫と≪delocalisation≫─[越智幹仁]
1.はじめに
2.仲裁手続と訴訟手続の競合
3.仲裁判断と裁判判決との競合
4.おわりに
第4章 EUを揺さぶる法的原理としての民主制─英国のEU脱退を1つの例に─[井上典之]
1.はじめに─「欧州はどこへ行くのか(Quo vadis Europe)」?
2.民主制原理が持つ意味
3.法的視点からみるBrexit
4.まとめとして─統合とは何か?
第2部 転換期にあるEU政治
第5章 「ドイツのための選択肢」と欧州懐疑主義[近藤正基]
1.欧州懐疑主義政党の台頭
2.「ドイツのための選択肢」の躍進─結党から欧州議会選挙まで
3.「ドイツのための選択肢」の変容─5つの州議会選挙,党分裂,原則綱領
4.「ドイツのための選択肢」の欧州懐疑主義
5.比較の中の「ドイツのための選択肢」
第6章 EUの移民政策─政治と文化の絡み合い─[坂井一成]
1.はじめに
2.共通移民政策の形成
3.移民政策の2段階
4.地中海を渡る移民・難民の大量流入への対応
5.自由と安全の間の矛盾
6.移民政策における文化の視点
7.おわりに
第7章 EUと域外紛争─開発・安全保障の結合という視点から─[増島建]
1.はじめに
2.EUにおける開発と安全保障の結合を分析する視点
3.EU安全保障戦略(ESS)の形成と開発・安全保障の結合
4.EUグローバル戦略の作成
5.CBSD─開発と安全保障の新たな結合か?
6.おわりに
第8章 EU対外政策の将来[安井宏樹]
1.はじめに
2.ヨーロッパ対外政策統合の展開
3.EUの対外政策形成過程
4.おわりに─EU対外政策の将来
第3部 停滞するEU経済
第9章 ユーロ圏経済の長期停滞の可能性について─2000─2016年─[松林洋一]
1.はじめに
2.ユーロ圏経済の概観
3.設備投資の動向
4.期待利潤率の動向
5.金融機関のパフォーマンス
6.おわりに
第10章 EUの銀行同盟─金融的安定という観点から見た意義と課題─[花田エバ]
1.はじめに
2.EUの銀行同盟の概要
3.金融的安定から見た銀行同盟の意義
4.銀行同盟の展望
5.おわりに
第11章 ギリシャ経済危機の原因─危機は終わったのか─[吉井昌彦]
1.はじめに
2.ユーロ採択時のギリシャ経済
3.2000年代中頃のギリシャ債務問題
4.ユーロ危機後のギリシャ財政
5.ギリシャ経済危機の今後
索引
上記内容は本書刊行時のものです。