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カメムシの母が子に伝える共生細菌 細川 貴弘(著/文) - 共立出版
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カメムシの母が子に伝える共生細菌 (カメムシノハハガコニツタエルキョウセイサイキン) 必須相利共生の多様性と進化 (ヒッスソウリキョウセイノタヨウセイトシンカ)

自然科学
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発行:共立出版
B6判
184ページ
定価 1,800円+税
ISBN
978-4-320-00921-9   COPY
ISBN 13
9784320009219   COPY
ISBN 10h
4-320-00921-5   COPY
ISBN 10
4320009215   COPY
出版者記号
320   COPY
Cコード
C3345  
3:専門 3:全集・双書 45:生物学
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2017年10月11日
最終更新日
2017年10月28日
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紹介

カメムシの産卵と孵化においては,新しい生命の誕生と同時に,“母から子への共生細菌の受け渡し”という,もう一つのイベントが繰り広げられている。これがうまくいかないと新しい生命の誕生もなかったことになってしまうという,カメムシにとってはとてつもなく重要なイベントである。なぜそれほどまでに重要なのかというと,カメムシは共生細菌の力に強く依存して生きており,共生細菌がいないと生きていけないからである。つまりカメムシは,どんなに元気な子が生まれても,母親から子への共生細菌の受け渡しがうまくいかないとその子は成長できずに死んでしまう。すなわち新しい生命の誕生はなかったことになってしまうのだ。そして共生細菌を受け渡す方法は,カメムシの種類によって大きく異なる。そんな知られざる,しかし非常に重要なイベントに強く魅了され,「研究ってめっちゃ楽しいなぁ,これはやめられまへんなぁ」とカメムシの研究にのめり込むようになった著者が,研究の楽しさと発見の喜び,そのワクワク感とドキドキ感を込めて,カメムシと細菌の共生という現象の面白さをいきいきと伝える。

目次

1 昆虫と共生細菌の必須相利共生
1.1 昆虫の多様化における共生細菌の貢献
1.2 菌細胞の内部に共生
1.3 宿主の母親から子へ垂直伝播
1.4 宿主昆虫と共種分化
1.5 ゲノムの縮小

2 マルカメムシの共生細菌とカプセル
2.1 “腸内”共生細菌
2.2 カプセルによる垂直伝播
2.3 共生細菌の機能
2.4 共種分化とゲノム縮小
2.5 カメムシ類の共生細菌の魅力
2.6 共生細菌の置き換え実験で得られた新発見
2.7 カプセルとは何か?

3 クヌギカメムシの共生細菌とゼリー
3.1 卵を覆うゼリーと冬に生まれるカメムシ
3.2 共生細菌の特徴と機能
3.3 ゼリーに含まれているもの
3.4 ゼリーの進化的起源

4 ベニツチカメムシの共生細菌と母親による子の世話
4.1 母親が子を守り,育てるカメムシ
4.2 いつ共生細菌を出すのか?
4.3 共生細菌の機能と特徴
4.4 子の世話をする他のカメムシ

5 チャバネアオカメムシの共生細菌と置換
5.1 共種分化が起きていないカメムシ
5.2 共生細菌の種内多型
5.3 共生の歴史が長い共生細菌,短い共生細菌
5.4 置換は何回起きたのか?
5.5 共生細菌の起源
5.6 環境細菌はカメムシと相利共生関係になれるか?
5.7 共生細菌の置換は今後も起こる?
5.8 新たな疑問と今後の展望

6 ホソヘリカメムシの共生細菌と環境中からの獲得
6.1 共生細菌を子に伝えないカメムシ
6.2 世代ごとに環境中から共生細菌を獲得する
6.3 共生細菌の機能
6.4 バークホルデリアと共生する他のカメムシ

7 ヒメナガカメムシの共生細菌と菌細胞の進化
7.1 盲のうを失ったカメムシ
7.2 ヒメナガカメムシ類の共生細菌
7.3 菌細胞の複数回進化
7.4 菌細胞内の共生細菌の機能
7.5 菌細胞塊の形成に関与する遺伝子
7.6 ヘリカメムシ上科とホシカメムシ上科の盲のうを失ったカメムシ

8 トコジラミの共生細菌と寄生から相利共生への進化
8.1 血を吸うカメムシ
8.2 トコジラミの共生細菌の正体
8.3 トコジラミとボルバキアの関係
8.4 ボルバキアの全ゲノム解析とゲノム比較
8.5 トコジラミの共生細菌研究の今後

引用文献

あとがき

異種の助け合いとは何か―ナチュラリストの先端生物学―(コーディネーター 辻 和希)

索 引

上記内容は本書刊行時のものです。