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世界が驚く日本のすごい科学と技術
日本人なら知っておきたい
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2022年4月30日
- 書店発売日
- 2022年4月25日
- 登録日
- 2022年3月7日
- 最終更新日
- 2022年4月25日
紹介
7000 年受け継がれる漆、奈良の大仏のめっき技術、世界初の全身麻酔、世界最強ネオジム磁石、EV の要「リチウムイオン蓄電池」、照明を変えた青色LED、人工知能の将棋など、日本が世界に誇る文化や発明、科学、技術を、ベストセラー『絶対に面白い化学入門 世界史は化学でできている』(ダイヤモンド社)の著者が、縄文時代~現代の流れに沿って紹介。日本で発明された技術を歴史的に位置づけるとともに、日本の科学技術史の過去・現在の「光」を浮かび上がらせ、現在・未来を担う人々を応援する内容です。
【目 次】
まえがき/⽬次/01 七〇〇〇年受け継がれる縄文の美「漆」/02 七〇〇〇年前の縄文時代のヒスイの玉作り/03 日本独自の砂鉄と木炭からの鉄作り「たたら製鉄」/04 いかなる地震でも倒れない?法隆寺の五重塔がスゴい/05 一四〇〇年の歴史を超え進化する和紙/06 おいしく長期保存するための発酵技術漬物・醤油・味噌/07 金ピカな東大寺大仏を造ったのは最先端のめっき技術/08 継承された古代技術の粋「日本刀」/09 一〇五四年かに座の超新星の記録が残る『明月記』/10 膨大な時間をかける天然藍染め/11 江戸時代の人の屎尿の肥料へのリサイクル/12 江戸在住医師たちによる革命的翻訳事業/13 四〇〇〇万歩を歩き通して日本地図を完成した伊能忠敬/14 医療の暗黒時代の終焉へ/15 江戸時代から存在した珍しい朝顔や金魚/16 「酸素」「窒素」などの化学用語は江戸時代に創られた/17 発明王・田中久重の「からくり」作りの心が進めた日本技術の近代化/18 世界で初めて日常生活で使える乾電池を作った屋井先蔵/19 コッホに師事し、近代日本医学の礎を築いた北里柴三郎/20 ノーベル賞級と絶賛されたタカジアスターゼとアドレナリンの発見/21 工場制手工業から機械工業へ豊田佐吉の動力織機/22 「甘味」「酸味」「苦味」「塩味」の基本味に加わった、日本発祥の「うま味」/23 世界初の化学療法剤は、秦佐八郎らが開発した梅毒の治療薬サルバルサン/24 日本人を脚気から解放した鈴木梅太郎のオリザニン/25 日本人の伝統的な食文化、和食が世界に認められた/26 今日のがん研究の道筋をつけた山極勝三郎・市川厚一の人工がん実験/27 アルマイト加工はアルミニウム中心の軽金属時代をつくった/28 世界で初めてブラウン管に文字を表示させた高柳健次郎/29 レーダーから電子レンジまで現役の大発明「分割型マグネトロン」/30 昭和天皇の即位式で実証された日本の写真電送技術/31 第二次世界大戦の行方も変えた八木・宇田アンテナ/32 中谷宇吉郎が明らかにした様々な雪の結晶が生まれる条件/33 世界最強のアルミニウム合金「超々ジュラルミン」/34 深刻な大気汚染から日本を救った脱硫・脱硝・集じん除去技術/35 今日の内視鏡診断に大きく寄与した杉浦睦夫の胃カメラ/36 ご飯炊きの重労働から主婦を解放した世界初の全自動炊飯器/37 トランジスタの黎明期、多数の不良品の原因から見抜いた江崎玲於奈のトンネル効果/38 「チキンラーメン」のアイデアは奥さんの天ぷら料理から?/39 世界の高速鉄道開発の先がけになり、世界へ飛躍した新幹線/40 最高性能の光ファイバーを発明し、光通信の基礎を築いた西澤潤一/41 電卓戦争は熱かった!/42 セイコーが作った世界初、電子で刻む正確なクォーツ腕時計/43 光触媒は、太陽光で水から水素を作る目標から、今、環境浄化技術として発展中/44 血液の色で呼吸の機能をチェックできる医療現場の優れもの「パルスオキシメータ」/45 「導電性高分子」/46 鉄粉が錆びるときに出る熱を利用した使い捨てカイロ/47 じゃま者のうず電流を活用したIH 調理器/48 井深大の個人的な楽しみから生まれたウォークマン®/49 訪日外国人旅行者が絶賛する温水洗浄便座/50 フラッシュメモリ開発と企業内開発者・基礎研究の悲運/51 道案内のストレスをなくし、移動に革命をもたらしたカーナビ/52 世界に冠たるゲーム天国日本の黎明期/53 世界最強のネオジム磁石は日本人が開発した/54 EVは軽くて高性能で充電できるリチウムイオン電池なしにあり得ない/55 高輝度青色発光ダイオード(青色LED)の実用化が照明を変えた/56 ナノカーボン(フラーレン、ナノチューブ)/57 各種電子決済で使用されるQRコードもやっぱり日本の技術だった/58 CDからDVDへ互換性と大容量化の両立/59 底辺の広い日本の技術開発から生まれたデジタル一眼レフカメラ/60 かざすだけで簡単に支払いできる非接触IC カード技術/61 細胞の時間を巻き戻した!!iPS細胞の発見/62 「はやぶさ」奇跡の帰還とイオンエンジン/63 初の日本由来の時代名「チバニアン」誕生と松山基範/64 もうどんな棋士もかなわない毎年更新される人工知能の将棋力
目次
【目 次】
まえがき/⽬次/01 七〇〇〇年受け継がれる縄文の美「漆」/02 七〇〇〇年前の縄文時代のヒスイの玉作り/03 日本独自の砂鉄と木炭からの鉄作り「たたら製鉄」/04 いかなる地震でも倒れない?法隆寺の五重塔がスゴい/05 一四〇〇年の歴史を超え進化する和紙/06 おいしく長期保存するための発酵技術漬物・醤油・味噌/07 金ピカな東大寺大仏を造ったのは最先端のめっき技術/08 継承された古代技術の粋「日本刀」/09 一〇五四年かに座の超新星の記録が残る『明月記』/10 膨大な時間をかける天然藍染め/11 江戸時代の人の屎尿の肥料へのリサイクル/12 江戸在住医師たちによる革命的翻訳事業/13 四〇〇〇万歩を歩き通して日本地図を完成した伊能忠敬/14 医療の暗黒時代の終焉へ/15 江戸時代から存在した珍しい朝顔や金魚/16 「酸素」「窒素」などの化学用語は江戸時代に創られた/17 発明王・田中久重の「からくり」作りの心が進めた日本技術の近代化/18 世界で初めて日常生活で使える乾電池を作った屋井先蔵/19 コッホに師事し、近代日本医学の礎を築いた北里柴三郎/20 ノーベル賞級と絶賛されたタカジアスターゼとアドレナリンの発見/21 工場制手工業から機械工業へ豊田佐吉の動力織機/22 「甘味」「酸味」「苦味」「塩味」の基本味に加わった、日本発祥の「うま味」/23 世界初の化学療法剤は、秦佐八郎らが開発した梅毒の治療薬サルバルサン/24 日本人を脚気から解放した鈴木梅太郎のオリザニン/25 日本人の伝統的な食文化、和食が世界に認められた/26 今日のがん研究の道筋をつけた山極勝三郎・市川厚一の人工がん実験/27 アルマイト加工はアルミニウム中心の軽金属時代をつくった/28 世界で初めてブラウン管に文字を表示させた高柳健次郎/29 レーダーから電子レンジまで現役の大発明「分割型マグネトロン」/30 昭和天皇の即位式で実証された日本の写真電送技術/31 第二次世界大戦の行方も変えた八木・宇田アンテナ/32 中谷宇吉郎が明らかにした様々な雪の結晶が生まれる条件/33 世界最強のアルミニウム合金「超々ジュラルミン」/34 深刻な大気汚染から日本を救った脱硫・脱硝・集じん除去技術/35 今日の内視鏡診断に大きく寄与した杉浦睦夫の胃カメラ/36 ご飯炊きの重労働から主婦を解放した世界初の全自動炊飯器/37 トランジスタの黎明期、多数の不良品の原因から見抜いた江崎玲於奈のトンネル効果/38 「チキンラーメン」のアイデアは奥さんの天ぷら料理から?/39 世界の高速鉄道開発の先がけになり、世界へ飛躍した新幹線/40 最高性能の光ファイバーを発明し、光通信の基礎を築いた西澤潤一/41 電卓戦争は熱かった!/42 セイコーが作った世界初、電子で刻む正確なクォーツ腕時計/43 光触媒は、太陽光で水から水素を作る目標から、今、環境浄化技術として発展中/44 血液の色で呼吸の機能をチェックできる医療現場の優れもの「パルスオキシメータ」/45 「導電性高分子」/46 鉄粉が錆びるときに出る熱を利用した使い捨てカイロ/47 じゃま者のうず電流を活用したIH 調理器/48 井深大の個人的な楽しみから生まれたウォークマン®/49 訪日外国人旅行者が絶賛する温水洗浄便座/50 フラッシュメモリ開発と企業内開発者・基礎研究の悲運/51 道案内のストレスをなくし、移動に革命をもたらしたカーナビ/52 世界に冠たるゲーム天国日本の黎明期/53 世界最強のネオジム磁石は日本人が開発した/54 EVは軽くて高性能で充電できるリチウムイオン電池なしにあり得ない/55 高輝度青色発光ダイオード(青色LED)の実用化が照明を変えた/56 ナノカーボン(フラーレン、ナノチューブ)/57 各種電子決済で使用されるQRコードもやっぱり日本の技術だった/58 CDからDVDへ互換性と大容量化の両立/59 底辺の広い日本の技術開発から生まれたデジタル一眼レフカメラ/60 かざすだけで簡単に支払いできる非接触IC カード技術/61 細胞の時間を巻き戻した!!iPS細胞の発見/62 「はやぶさ」奇跡の帰還とイオンエンジン/63 初の日本由来の時代名「チバニアン」誕生と松山基範/64 もうどんな棋士もかなわない毎年更新される人工知能の将棋力
前書きなど
はじめに 読者のみなさんへ
本書は、日本で発明された技術を歴史的に位置づけてみようと、左巻健男 (『RikaTan(理科の探検)』誌編集長)+RikaTan委員有志の共同で取り組んだものです。
本書を書こうと思ったのは、わが国の科学技術創造立国の基盤が弱くなりつつあるのではないかという危機感からです。
わが国の科学技術史の過去・現在の「光」を知ることは、現在・未来を担う人々を応援することになるのではと思いました。
科学技術創造立国の基盤を強めるには、まず国民全体の科学リテラシーを上げ、科学技術の応援団になってもらうことです。それには、科学技術にかかわる職業に就かない人も、文学や音楽などと同様、科学技術を文化として楽しむような社会になることです。そのためには小学校・中学校・高等学校の理科教育の質を上げることが必要でしょう。
わが国のメーカーの国際的な凋落も気になります。
もうだいぶ前のことになりますが(二〇〇五年)、私は、思い立って東京・日本橋を出発点に京都・三条大橋に向けて旧東海道を歩き始めました。計一六日間の日程でした。
一三日目、一四日目は三重県亀山あたりを歩きました。シャープ亀山工場の前を通ったとき、「ここが世界的な『液晶のシャープ』の高画質・高品質の『亀山ブランド』液晶テレビの工場なんだ」という感慨をもちました。
液晶は一八八八年にオーストリアで発見され、その材料が米国に渡って一九六八年にRCA(アメリカ・ラジオ会社)の研究所が液晶ディスプレイを発明しました。液晶ディスプレイを実際に電卓に用い商品を市場に投入したのはシャープであり、以降、液晶テレビの事業化、産業化を先導したのは日本のメーカーでした。一九九〇年代後期に韓国や台湾が参入すると、数年のうちに日本は生産量で追い抜かれてしまい、シャープは、二〇一六年、台湾の鴻海精密工業傘下の企業となってしまいました。
光触媒の項の導入で紹介したように、藤嶋昭の研究グループが中国の大学に移動してしまったのも、わが国の研究状況について示唆的です。
それでも、私は、生まれてから現在まで(一九四九年~)の生活を振り返ると、すさまじい技術革新の恩恵を受けてきたことを実感します。
それは、私にとっては、創立一一〇周年を記念して発明協会が二〇一四年に選定した「戦後日本のイノベーション一〇〇選」と重なります(http://koueki.jiii.or.jp /innovation100/innovation.php)。
何せ、私は、栃木県小山市の貧しい家の生まれで、小学生時代は竈でご飯を炊くのは私の仕事でした。楽しみは真空管ラジオで連続ドラマを聞くことでした。ところが、とくに一九五〇年代後半、白黒テレビ、電気洗濯機、電気冷蔵庫の家電三製品が「三種の神器」と言われ、家での労働は非常に楽になり、楽しみが増えました。さらに現在は、ずっと便利で豊かになりましたが、支える技術群にはたくさん日本発のものがあります。
人類の歴史はおよそ七〇〇万年前に登場した初期猿人まで遡れます。木の上での生活を捨て、地上を二本足で歩くようになり、人の体に重要な変化が起こりました。手足がはっきり分かれ、手は歩くことから完全に解放され、いっそう器用になっていき、道具をつくり出すようになりました。木材や石を材料にした道具づくりは今から約一八〇万年前に始まったと考えられています。性能のよい脳、集合知を可能にした言葉、道具づくり、火の使用と技術は、人間の諸能力を拡大していきました。
日本列島に人がやってきたのは、ウルム氷期(第四紀の氷河時代の最後の氷期。ほぼ七万年~一万年前)の時代のおよそ四万年前から三万八千年前のことと考えられています。その時代は旧石器時代と呼ばれています。
本書は、旧石器時代の次、日本列島に暮らす人が独自の技術と文化をもっていた可能性のある縄文時代のヒスイ孔開け技術からテーマを設定しました。
各テーマは、技術やシステムの発明と関わる人物を中心にして歴史のなかに位置づけ、いわば日本の科学技術史の「光と陰」の「光」を浮かび上がるようにと考えました。
本書は、どこを読んでもタメになる、おもしろい解説になるように努力しました。
ぜひお楽しみください。
編著者 左巻 健男
上記内容は本書刊行時のものです。