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風土記説話の表現世界 谷口 雅博(著) - 笠間書院
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風土記説話の表現世界 (フドキセツワノヒョウゲンセカイ)

文芸
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発行:笠間書院
A5判
312ページ
上製
価格 6,500円+税
ISBN
978-4-305-70890-8   COPY
ISBN 13
9784305708908   COPY
ISBN 10h
4-305-70890-6   COPY
ISBN 10
4305708906   COPY
出版者記号
305   COPY
Cコード
C0095  
0:一般 0:単行本 95:日本文学、評論、随筆、その他
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2018年2月
書店発売日
登録日
2018年2月15日
最終更新日
2018年3月2日
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紹介

風土記作品論のあらたな可能性を切り拓く!

風土記は、各編者が地域独自の文書として仕上げ、中央へ提出したものであった。そのため、各国風土記の文章には土地の言葉を示そうとする様々な「装い」が凝らされ、そこに文学作品として享受し得る要因が存在する。

まとまった写本が伝わる、常陸・出雲・豊後・肥前・播磨国の風土記を対象に、文字テキストとして神話・説話を検討し、構成・配列意識も含め、文学作品としての意義・価値を位置づける。

目次

凡例

序章 風土記の成立と性質
一 風土記撰進の官命と各国風土記の記事内容
二 風土記を読むということ
三 本書の概略

第一部 風土記の異伝

第一章 『常陸国風土記』国号起源説話考
はじめに
一 異説並記・茨城郡名の場合
二 異説並記・角折浜の場合
三 国名起源譚
おわりに

第二章 『播磨国風土記』「一云」「一家云」の用法
はじめに
一 「一云」と旧地名
二 異説配列の意識
三 異説並記の意義
おわりに

第三章 『肥前国風土記』佐嘉郡郡名起源説話の特質―異伝記載の意図を考える―
はじめに
一 『肥前国風土記』の「一云」
二 佐嘉郡郡名起源後半部の考察
三 佐嘉郡郡名起源前半部の考察
四 地名由来の重層性
おわりに

第二部 風土記の作品世界

第四章 『常陸国風土記』「風俗諺」の記載意義
はじめに
一 「諺」の範囲
二 『常陸国風土記』中の「諺」
三 国名起源譚の特異性
四 本文と注記との関係
五 古老伝承と「俗」詞章との対応
おわりに

第五章 『常陸国風土記』倭武天皇の時代認識
はじめに
一 時代と人物との対応
二 「古」「昔」の時代と天皇の時代
三 征討の時代から巡行の時代へ
四 倭武天皇の問題
おわりに

第六章 『常陸国風土記』多珂郡「サチ争い」説話の意義
はじめに
一 記事内容の検討(1)狩への誘い
二 記事内容の検討(2)狩猟の失敗
三 橘皇后と常世国
四 記事配列の意識
おわりに

第七章 『出雲国風土記』「古老伝云」の内と外
はじめに
一 『出雲国風土記』の「古老」
二 大原郡における古老系と非古老系
三 来次郷―八十神と青垣山―
おわりに

第八章 『出雲国風土記』郡郷名の表記意識―地名起源説明記事との関わりから―
はじめに
一 好字と起源説明記事
二 改字の実態
三 改字の二重性
四 好字の意味内容
五 地名起源記事と地名表記との関わり
おわりに

第九章 『出雲国風土記』地名起源記事の文体―〈秋鹿郡〉を中心に―
はじめに
一 「神坐型」
二 「神詔型」
三 〈秋鹿郡〉郡名起源と郷名起源
おわりに

第三部 風土記神話の文学性

第十章 風土記の異類婚―始祖を語る〈型〉―
はじめに
一 風土記の異類婚の特質
二 『常陸国風土記』の蛇神祭祀
三 ヌカビコ・ヌカビメ
おわりに

第十一章 『常陸国風土記』香島郡「事向」の文脈
はじめに
一 『古事記』の「言向(言趣)」
二 『常陸国風土記』香島郡前半部の分析
三 『常陸国風土記』香島郡後半部の分析
おわりに

第十二章 『出雲国風土記』の「御祖命」―仁多郡三津郷を中心に―
はじめに
一 「大神」と「御祖命」
二 『古事記』の「御祖(命)」
三 『出雲国風土記』の「御祖」
おわりに

第十三章 『播磨国風土記』の天日槍命と葦原志許乎命
はじめに
一 『日本書紀』の天日槍
二 『播磨国風土記』の天日槍命
三 葦原志許乎命登場の所以
おわりに

第十四章 『肥前国風土記』弟日姫子説話考―異類婚姻譚と歌―
はじめに
一 問題の所在
二 狭手彦と弟日姫子
三 神人の歌の持つ意味
四 風土記的始祖伝説
五 異類婚姻譚と歌
おわりに

終章 風土記の装いと記事配列意識

初出一覧
あとがき
索引(事項・引用文献)

前書きなど

風土記の研究はここ数十年の間に各段に進展してきた感がある。本文批評、受容史、研究史等、多くの論考が発表されてきた。しかし、やはりその書としての性質上、個々の風土記をそれぞれに文学作品として検討するということには慎重さが求められるように思われる。本書では各章において、各国風土記の作品研究の可能性を論じてきた。現状ではまだほんの一部を検討したにすぎない。今後も風土記の作品研究を─できる限り慎重に─推進して行きたい。……終章より

著者プロフィール

谷口 雅博  (タニグチ マサヒロ)  (

1960年9月、北海道生まれ。
1991年3月、國學院大學大学院文学研究科博士課程後期 所定単位修得退学。
2009年7月、博士(文学)取得(國學院大學)。
現在、國學院大學文学部准教授。

主な著書
『古事記の表現と文脈』(おうふう、2008年11月)
『風土記探訪事典』(共著、東京堂出版、2006年9月)
『風土記を読む』(共著、おうふう、2006年6月)

上記内容は本書刊行時のものです。