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a:9:{s:12:"shoshi_title";s:25:"〈獄中〉の文学史 ";s:11:"shoshi_isbn";s:17:"978-4-305-70806-9";s:16:"shoshi_publisher";N;s:11:"description";s:2008:"〈獄中〉のことばが社会と文学のなかで特権的な意味を持ち続けてきたのはなぜか。 過剰な言葉あふれる〈獄中〉。そのダイナミックな営みの歴史的記憶を明治期からたどる書。 様々な意味やコンテクスト、そして同時代的な欲望が多様に交錯し、化合することによって生み出されてきた、イメージと記号が重なり合う入れ子型の空間であった〈獄中〉。その中で育まれた近代日本文学の想像力は、現代日本の言説空間にも、いまだ影響力を与え続けている。一体そこでは何が起こっていたのか。明治期から平成にいたるまで、検証していく。付録「〈獄中〉言説年表」(明治期〜一九九〇年代まで)。 【近代日本文学が抱え込んできた歴史性を示す言説として、一連の〈獄中〉言説とその表象の展開、そして消費形態を捉え直し、そこに発動した想像力と「文学」との関係構造を検証することが、本書の目的である。出版ジャーナリズムと政治体制との対立構造が生まれた明治初期から、一九三〇年代後半のいわゆる〈文芸復興〉期までの近代日本文学の歴史的展開を中心に、〈獄中〉言説とその表象がそこで果たした多元的機能を検証してゆきたい。そこでは、いわゆる「獄中記」的言説に限らず、報道や娯楽記事、広告等をも含めた〈獄中〉に関する雑多な言説を、同時代の出版・雑誌メディアとの関係と相互作用という側面を重視して考察する。また、そのような〈獄中〉表象が、アジア・太平洋戦争の敗戦に伴う制度的転換と社会構造の変化を経由した戦後の言説空間においてどのように展開され、消費されるようになったのかについても考察を加える。】……「序論」より";s:6:"author";s:22:"副田 賢二(著/文)";s:10:"publishers";s:12:"笠間書院";s:9:"publisher";N;s:9:"productor";s:12:"笠間書院";s:12:"release_date";i:1462892400;}

〈獄中〉の文学史 夢想する近代日本文学

文芸 ラノベ

副田 賢二(著)
発行:笠間書院

四六判   444頁  並製
価格 2,200円+税

ISBN 978-4-305-70806-9   C0095
在庫あり(出版社情報)

奥付の初版発行年月 2015年5月
書店発売日 2016年5月11日
登録日 2016年4月11日

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書評掲載情報

2016-11-15 日本近代文学  第95集
評者:佐藤泉氏
2016-08-13 図書新聞  
評者:中山弘明(徳島文理大学教授)
2016-08-07 東京新聞/中日新聞  朝刊
評者:川村湊(文芸評論家)
2016-07-24 西日本新聞  
評者:前山光則(作家)
2016-07-24 読売新聞  朝刊
評者:安藤宏(国文学者、東京大学教授)
2016-07-21 出版ニュース  
評者:Book Guide欄
2016-06-05 神戸新聞  

紹介

〈獄中〉のことばが社会と文学のなかで特権的な意味を持ち続けてきたのはなぜか。
過剰な言葉あふれる〈獄中〉。そのダイナミックな営みの歴史的記憶を明治期からたどる書。
様々な意味やコンテクスト、そして同時代的な欲望が多様に交錯し、化合することによって生み出されてきた、イメージと記号が重なり合う入れ子型の空間であった〈獄中〉。その中で育まれた近代日本文学の想像力は、現代日本の言説空間にも、いまだ影響力を与え続けている。一体そこでは何が起こっていたのか。明治期から平成にいたるまで、検証していく。付録「〈獄中〉言説年表」(明治期〜一九九〇年代まで)。

【近代日本文学が抱え込んできた歴史性を示す言説として、一連の〈獄中〉言説とその表象の展開、そして消費形態を捉え直し、そこに発動した想像力と「文学」との関係構造を検証することが、本書の目的である。出版ジャーナリズムと政治体制との対立構造が生まれた明治初期から、一九三〇年代後半のいわゆる〈文芸復興〉期までの近代日本文学の歴史的展開を中心に、〈獄中〉言説とその表象がそこで果たした多元的機能を検証してゆきたい。そこでは、いわゆる「獄中記」的言説に限らず、報道や娯楽記事、広告等をも含めた〈獄中〉に関する雑多な言説を、同時代の出版・雑誌メディアとの関係と相互作用という側面を重視して考察する。また、そのような〈獄中〉表象が、アジア・太平洋戦争の敗戦に伴う制度的転換と社会構造の変化を経由した戦後の言説空間においてどのように展開され、消費されるようになったのかについても考察を加える。】……「序論」より

目次

●口絵
1 近代日本の監獄/2 イメージとしての「監獄」/3 トピックスとしての〈獄中〉/4 〈獄中〉からの言葉

序 論 〈獄中〉と文学的想像力

なぜ〈獄中〉なのか/監獄制度と「近代」/本書での「〈獄中〉言説」「〈獄中〉表象」/「書くこと」の想像力と歴史的に結びつく〈獄中〉/近代日本の〈獄中〉表象の展開/近代日本文学の〈獄中〉表象の特異性とは何か/普遍的イメージ空間としての〈獄中〉をどう捉えるか/本書での〈獄中〉言説のカテゴリーを定義する

第一章 明治期―〈獄中〉の主題化とその表象の展開

1 〈獄中〉言説の定義とその表象の系譜
明治維新期の〈獄中〉言説/前田愛の「〈牢獄〉文学」研究/「牢獄」から「監獄」へ
2 近代監獄制度の成立と浮上する〈獄中〉言説
近代監獄制度と〈獄中〉言説/明治初期の新聞メディアと言論統制/「監獄」への柳北のまなざし/出版メディアの相関構造/自由民権運動と〈獄中〉表象/政治小説における〈獄中〉/〈獄中〉表象の複合化
3 北村透谷の「牢獄」―孤立する〈獄中〉表象
宮崎夢柳と北村透谷/「楚囚之詩」の位相/「我牢獄」と〈獄中〉の観念化/翻訳小説と「暗黒」の〈獄中〉/趣向の場としての〈獄中〉/「鍛錬」の場としての〈獄中〉
4 「社会主義者」たちによる〈獄中〉言説の構造化
「監獄法」と監獄制度の近代化/『平民新聞』における〈獄中〉/「社会主義者」たちと〈獄中〉
第一章・注

第二章 大正期1―メディア空間で記号化される「言葉」と「獄中記」

1 「大正的」言説の構造的特性をめぐって
「大正的」言説と雑誌メディア空間
2 メディア空間としての『中央公論』―雑多な記号の交錯と流通
『中央公論』での記号の流通と「問題」化/『青鞜』と自己記号性のゆくえ
3 松崎天民の流通と終焉―記号の駆使者として
『中央公論』「説苑」欄と松崎天民/再構成される〈獄中〉言説/「書くこと」をめぐる転換
4 大杉栄『獄中記』の誕生―規範的ジャンルとしての「獄中記」
「社会主義者」という自己記号性/「獄中記」の誕生
5 〈獄中〉の想像力のゆくえ―こぼれ落ちる言葉/堕胎される身体
〈獄中〉のフェミニニティ
第二章・注

第三章 大正期2―内的な自己超越のトポスに変貌する〈獄中〉

1 近代出版メディアと山中峯太郎(一)―変貌する自己記号性とその流通
山中峯太郎の記号的「漂流」/〈獄中〉と自己変革のコンテクスト
2 近代出版メディアと山中峯太郎(二)―〈獄中〉者と宗教者の融合
自己記号性をめぐる融合と展開
3 〈獄中〉に投影される内的変革のドラマ
「冥想」の場としての〈獄中〉/尾崎士郎「獄中より」の意義
4 ジャンル化される〈獄中〉言説/制度化される想像力
反転するユートピア/赤瀾会をめぐるメディア報道
第三章・注

第四章 大正期3〜昭和期1―文学的トポスとしての〈獄中〉と「闘争」のロマンティシズム

1 プロレタリア文学の〈獄中〉と「闘争」をめぐる表象
プロレタリア文学の〈獄中〉と「闘争」/葉山嘉樹の固有性
2 芥川龍之介と「獄中の俳人」和田久太郎
芥川龍之介と「社会主義者」/ロマン化される〈獄中〉
3 暴力性のゆくえと治安維持法
「赭土に芽ぐむもの」と「外地」の〈獄中〉
4 『新青年』における〈獄中〉表象の消費
『新青年』の〈獄中〉表象
第四章・注

第五章 昭和期2―プロレタリア文学から一九三〇年代の言説空間へ

1 昭和初期の〈獄中〉言説―メタ視線とニヒリズムの浮上
一九二〇年代後半の〈獄中〉言説の様相/〈獄中〉をめぐる記号消費
2 〈獄中〉文学者・林房雄(一)―「文学」をめぐる発信と受信
林房雄と「文学」概念の再編成/歴史性としての〈獄中〉の再生/林房雄ブームの同時代的位相
3 〈獄中〉文学者・林房雄(二)―氾濫するエクリチュール
「独房の筆」と「書くこと」の欲望/「書くこと」のフェティシズム/拡張する〈獄中〉空間
4 「歴史」と「文学」の接合と〈獄中〉表象
相関概念としての「歴史」と「文学」/「青年」での〈獄中〉表象
5 空白としての「言葉」の消費―一九三〇年代から戦時下へ
亀井勝一郎における〈獄中〉/島木健作のリアリズム/システムとしての〈獄中〉表象消費
第五章・注

第六章 昭和期3〜平成期―戦後日本のメディア空間と消費される〈獄中〉

1 敗戦後の〈獄中〉表象をめぐる転換と連続
『愛情はふる星のごとく』の問題
2 他者性と実存の空間―椎名麟三の〈獄中〉表象
実存空間としての〈獄中〉
3 政治性からの分離と「塀の中」のトピックス消費
埴谷雄高の「文学性」と〈獄中〉/政治的〈獄中〉言説の浮上/〈獄中〉のサブカルチャー的消費へ
4 見沢知廉における〈獄中〉者の系譜とその断絶
〈獄中〉の歴史性と見沢知廉/『調律の帝国』の連続と断絶
第六章・注

終 章 〈獄中〉の想像力と「文学」のゆくえ

「監獄法」の終焉と〈獄中〉言説の歴史性/後藤慶二と中野重治の「監獄」/「文学」のゆくえと〈獄中〉の想像力/現代日本の文化消費における〈獄中〉

あとがき
付録○〈獄中〉言説年表(明治期〜一九九〇年代まで)
索引(人名/書名・作品名・記事名・絵画名)

著者プロフィール

副田 賢二(ソエダ ケンジ)

1969年佐賀県生まれ。慶應義塾大学大学院文学研究科国文学専攻博士課程単位取得満期退学。博士(文学)。現在、防衛大学校人文社会科学群人間文化学科准教授。
論文に、「芥川龍之介「疑惑」論―「語ること」をめぐる転換―」(『国語と国文学』第75巻 1998.7)、「「蟹工船」の「言葉」―その「団結」と闘争をめぐって」(『昭和文学研究』第44集 2002.3)、「「浅草紅団」をめぐって―「復興の東京」と「女」たち」(『昭和文学研究』第48集 2004.3)、「「従軍」言説と〈戦争〉の身体―「支那事変」から太平洋戦争開戦時までの言説を中心に―」(『近代文学合同研究会論集』第5号 2008.12)、「〈前線〉に授与される〈文学〉と大衆文化―昭和戦時下における〈文学リテラシー〉の機能拡張」(『日本近代文学』第92集 2015.5)などがある。

上記内容は本書刊行時のものです。