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時代物浮世草子論
江島其磧とその周縁
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2016年3月
- 書店発売日
- 2016年3月2日
- 登録日
- 2016年2月5日
- 最終更新日
- 2017年8月24日
書評掲載情報
2016-09-10 |
日本文学
9月号 評者: 矢野公和 |
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紹介
西鶴没後の小説界を牽引した作者
江島其磧(えじまきせき)の作品を再定義する
其磧が数多く残した歌舞伎・浄瑠璃を典拠とする
長編小説「時代物浮世草子」。
作者の独自性が無いと低評価が続いていた
これらの作品群を習作から順に取り上げ、
後世の作家に与えた影響まで丹念に考察。
其磧研究に新たな視点を提示する!
【其磧は、浄瑠璃脚本に関わり、役者評判記の執筆という演劇に近しい場所から作家として出発した。長年携わり、自家薬籠中のものであった演劇から、枠組み(あるいは世界)を借りて、演劇からの趣向と浮世草子の知識を自由に取りこみながら作り上げた作品群が、時代物浮世草子と言える。其磧にとって、晩年になって出発点に回帰してきたとも言え、作家としての集大成でもあったのではなかろうか。そう捉え直すと、従来の低い評価に再考の必要があるかと思われる。(中略)本書では、従来の時代物浮世草子の評価を再定義し、後の浮世草子への影響も含め、浮世草子周辺ジャンルとの密接な関係と、その文学史的位置づけを明らかにしたい。……「序章」より】
目次
序章
第一章 時代物浮世草子の習作
─其磧の赤穂浪士もの
第一節 『けいせい伝受紙子』論─「陸奥」の人物造型を中心に─
第二節 『けいせい伝受紙子』の独自性─男色描写と野村事件─
第三節 『忠臣略太平記』試論─其磧作の可能性を求めて─
第四節 まとめ
第二章 其磧と演劇
─時代物浮世草子を考えるために
第一節 其磧と荻野八重桐
─『風流七小町』『桜曽我女時宗』『女将門七人化粧』を中心に─
第二節 『安倍清明白狐玉』論
─浄瑠璃・歌舞伎における晴明ものの系譜として─
第三節 『鬼一法眼虎の巻』と「鬼一法眼三略巻」─浄瑠璃ずらし─
第四節 時代物浮世草子作者論
第五節 まとめ
第三章 時代物浮世草子の消長
─演劇と江島其磧への視座から
第一節 八文字屋本の中の都賀庭鐘─『四鳴蝉』私論─
第二節 其磧と初期洒落本─『本草妓要』「漂游総義」を中心に─
第三節 上田秋成『諸道聴耳世間狙』と歌舞伎─團十郎を中心に─
第四節 其磧没後の浮世草子─『怪談御伽桜』とその周辺─
結章
資料 1 時代物浮世草子典拠作一覧
2 蓍屋勘兵衛出版事項年表
3 北田清左衛門出版事項年表
初出一覧
あとがき
索引【作品名・人名】
上記内容は本書刊行時のものです。