版元ドットコム

探せる、使える、本の情報

文芸 新書 社会一般 資格・試験 ビジネス スポーツ・健康 趣味・実用 ゲーム 芸能・タレント テレビ・映画化 芸術 哲学・宗教 歴史・地理 社会科学 教育 自然科学 医学 工業・工学 コンピュータ 語学・辞事典 学参 児童図書 ヤングアダルト 全集 文庫 コミック文庫 コミックス(欠番扱) コミックス(雑誌扱) コミックス(書籍) コミックス(廉価版) ムック 雑誌 増刊 別冊
武満徹 ある作曲家の肖像 小野 光子(著/文) - 音楽之友社
.
【利用不可】

武満徹 ある作曲家の肖像 (タケミツトオル アルサッキョクカノショウゾウ)

芸術
このエントリーをはてなブックマークに追加
発行:音楽之友社
A5判
472ページ
定価 5,500円+税
ISBN
978-4-276-22690-6   COPY
ISBN 13
9784276226906   COPY
ISBN 10h
4-276-22690-2   COPY
ISBN 10
4276226902   COPY
出版者記号
276   COPY
Cコード
C1073  
1:教養 0:単行本 73:音楽・舞踊
出版社在庫情報
在庫あり
書店発売日
登録日
2016年5月13日
最終更新日
2019年2月5日
このエントリーをはてなブックマークに追加

書評掲載情報

2023-08-12 東京新聞/中日新聞  朝刊
評者: 根井雅弘(京都大学教授)
2017-01-15 東京新聞/中日新聞  朝刊
MORE
LESS

紹介

This book is the first full-scale biography of Toru TAKEMITSU. 没後20年、ありそうでなかった武満徹の初の本格的伝記。武満自身の発言や関係者の証言を交え、その生涯の軌跡を辿る。武満の人となりがよくわかるコラムのページを設け、巻末には略年譜と、武満をめぐる主要人物が一目でわかる表を掲載。貴重な写真も多数収録。著者は武満の年譜・資料研究の第一人者。武満とその音楽に関心のあるかた全員にお勧め! 装幀 菊地信義。

目次

はじめに
第1章 音楽との出会い 1930‐49年(0歳から19歳)
コスモポリタンな幼少期
生まれ/両親/中国(満州)へ渡る/日本に帰国、小学校へ入学/育ての親/父の死/映画館通い
戦争が始まる
中学へ入学/空襲の惨禍/勤労動員先で/人生を変えたシャンソン
戦後の混乱
世田谷代田へ/激変した価値観/ピアノと紙ピアノ
恩師との出会い
清瀬保二/肉体としての音感/早坂文雄と映画の仕事/高校を卒業
コラム 背格好
第2章 切磋琢磨の日々~友情と愛、生と死 1950-57年(20歳から27歳)
作曲家・武満徹の誕生
CIE図書館での出会い/レントの発見/愛する女性との出会い/《二つのレント》でデビュー/シュルレアリスト、瀧口修造との出会い
美術+詩+音楽
詩画集『妖精の距離』/初めてのエッセイ「パウル・クレエと音楽」/「実験工房」結成/映画『北斎』での挫折/ピアノ曲《遮られない休息》――“悲しみ”の音楽/文楽からの衝撃
いつまで生きられるかわからない
結核で入院/詩人・谷川俊太郎との出会い/結婚/黛敏郎から贈られたピアノ/演劇との出会い
「音の河」、われわれをとりまく世界を貫くもの
ミュジック・コンクレート/吉田直哉と吉村保三との出会い/療養生活:鎌倉へ/畏兄・早坂文雄の死/ラジオドラマからテープ作品へ/ヴォーカリズム三部作
映画の世界へ
『狂った果実』/中村登監督との出会い
《弦楽のためのレクイエム》
はじまりも終わりもさだかでない音楽/大江健三郎との出会い
コラム 仕事部屋
第3章 前衛の時代 1958-63年(28歳から33歳)
動き始めた人生
日本的な表現と現代性の接点/二十世紀音楽研究所主催「軽井沢現代音楽祭」  /ストラヴィンスキーの来日/本質をめぐる議論
草月アートセンターでの熱い日々
前衛の拠点/勅使河原宏監督との第一作『ホゼー・トレス』/怒れる若者たち/作曲家集団の個展/安保闘争と挫折/療養生活を終え、東京へ/ジャズからの刺激/高橋悠治との出会い/樹のイメージ
ヨーロッパの前衛とアメリカの前衛
ヨーロッパの前衛――ベリオ、クセナキス、マデルナ/アメリカの前衛音楽からの衝撃/環のイメージ/小澤征爾との出会い/庭からのヒント/子どもの誕生/図形楽譜/ジョン・ケージの来日/赤坂を離れて成城へ
意欲的な映画監督との出会い
羽仁進監督『不良少年』/小林正樹監督『からみ合い』と『切腹』/勅使河原宏監督『おとし穴』
第4章 武満からTAKEMITSUへ 1964‐69年(34歳から39歳)
同時代の思想と感情
映画の仕事:篠田正浩、吉田喜重、恩地日出夫、勅使河原宏/『武満徹←1930………∞』を自費出版/初めての海外:ケージとジャスパー・ジョーンズとの日々
伝統と現代
尺八の横山勝也と琵琶の鶴田錦史/七十三人の演奏者と指揮者のための《テクスチュアズ》/ベ平連と《死んだ男の残したものは》/邦楽の名人との対談/御代田、はじめての家/現代音楽祭「オーケストラル・スペース」/琵琶と尺八のための《蝕(エクリプス)》/クーセヴィツキー音楽財団委嘱作《地平線のドーリア》/《弧(アーク))》/アフリカの民謡《アビヨヨ》
西も東もない新たな一歩(ステップ)
ニューヨーク・フィル委嘱作《ノヴェンバー・ステップス》/琵琶と尺八の渡          米/ニューヨークの熱気と乾燥/RCAレコード『OZAWA:MESSIAEN/   TAKEMITSU』/日本へのアンビヴァレントな感情/さわり(、、、)について/帰国/オーケストラル・スペース’68/信奉者、現わる!?/オーストラリア、ユーカリの樹
第5章 日本を拠点に、世界に窓を開く 1970‐79年(40歳から49歳)
Expo’70(大阪万博)の開幕
パビリオン「鉄鋼館」/スペース・シアターでの試み/スペース・シアターでの演奏会/万博の光と影/大島渚、黒澤明との仕事
欧米からのラブ・コール
ヴィルトゥオーソとの出会い:ニコレとホリガー/サラベール社の誘い/瀧口修造とJ・ミロの『手づくり諺』/『音、沈黙と測りあえるほどに』/アメリカ、フランスでの初めての特集/スランプ!?/バリ島、未知との遭遇/ロンドンで初めての特集
日本からの発信
現代音楽祭「今日の音楽 Music Today」/日本の楽器のための委嘱作/講義「鏡と卵」/これは前衛だろうか?/水のイメージ/星形の庭へ舞降りる鳥たちの夢/パリの秋(フェスティ)芸術(ヴァル・)祭(ドートンヌ)「間」展/岩波文化とのかかわり/瀧口修造との別れ
コラム 渋谷宇田川町へ転居/多摩湖町へ転居
第6章 普遍的(ユニヴァーサル・)卵(エッグ)を抱えて 1980-89年(50歳から59歳)
夢の風景、水の風景を音楽で描く
夢シリーズ、水シリーズ/ジョイスの『フィネガンズ・ウェイク』/「水の風景」/先住民(アボリジニ)の「夢(ドリーム)の(・)時(タイム)」/テレビと映画で広がる聴衆
正のエネルギーに変換する想像力(ヴィジョン)
示唆する者としてのかりそめの役割/若い人たちのために/イギリスでの協同者/夢と数――ロマンティストの醒めた眼/サイモン・ラトルとの出会い/映画の仕事/夢(む)窓(そう)、内部(インテリア)(夢)と外部(エクステリア)(窓)の問題
音楽祭での交友
トーキョー・ミュージック・ジョイ/海外の音楽祭での特集/サントリーホール誕生と「国際作曲委嘱シリーズ」/作品シリーズから作品の集積“opera”へ/「今日の音楽」、銀座へ/テンポ指示のなぞ/亡き人を偲ぶ音楽/オペラの構想①/フランス革命二〇〇周年祭/八ヶ岳高原音楽祭と飛騨古川音楽祭
第7章 希望 1990-96(60歳から65歳)
還暦を迎えて
シカゴ交響楽団委嘱作《ヴィジョンズ》/ヴァイナーへの連祷(リタニ)/アヴィニョンでの特集/還暦を祝う催し/欧米での祝祭/オペラの構想②/東京オペラシティ断章①
音楽世界の一市民として
ストルツマンと《ファンダズマ/カントス》/タケミツ・シグネチュア/E・ディキンソンの詩/「今日の音楽」、最終回/《系図》――ファミリー・ツリー/ハリウッドでの仕事/時代の潮流の中で/東京オペラシティ断章②/オペラの構想③/飛騨古川町への讃歌、《精霊の庭》
遠い呼び声の彼方へ
最後の旅行/癌を宣告され入院/御代田の秋/ポップスと武満/最後の一ヶ月/《マタイ受難曲》/永遠への旅立ち
おわりに
注/武満徹略年譜(小野光子編)/人名索引/武満徹作品名索引/武満徹をめぐる人々

著者プロフィール

小野 光子  (オノ ミツコ)  (著/文

国立音楽大学大学院音楽学研究科修士課程(音楽学)修了。年譜・資料研究を『日本の作曲20世紀』(音楽之友社)、『武満徹 暗い河のゆくえ』(平凡社)、『武満徹著作集5』(新潮社)、『武満徹全集5』(小学館)等に執筆。『武満徹全集』(小学館)、武満浅香著『武満徹との日々を語る』、『武満徹を語る15の証言』(以上、小学館)、『柴田南雄とその時代』(サンガクシャ)などの編集に携わる。翻訳にピーター・バート著『武満徹の音楽』(音楽之友社)。

上記内容は本書刊行時のものです。