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アジア国際産業連関表の作成
基礎と延長
- 初版年月日
- 2017年11月17日
- 書店発売日
- 2017年11月17日
- 登録日
- 2017年11月1日
- 最終更新日
- 2017年11月1日
紹介
アジア経済研究所では、1970年代から40年以上にわたり、アジアの共同研究機関とともに主として東アジアを対象とする国際産業連関表の作成を行ってきた。近年になって、国際機関や欧米の研究機関においても国際産業連関表の作成が行われるようになってきたものの、アジア経済研究所は世界で最も早くから、長期間にわたって本格的な国際産業連関表の作成を開始・継続してきた機関であり、この分野で先駆的な役割を果たしてきた。国際産業連関表の作成は多くの作業ステップに分かれており、各ステップにおいてさまざまな統計情報が必要となるため、その作成には多大なコスト(時間、労力)を要するとともに、さまざまな課題に直面する。アジア経済研究所では、作成経験を重ねる過程で、対象各国におけるデータの整備状況などをふまえつつ、作成上の諸課題を克服しながら国際産業連関表の作成方法を確立し、これまでに30を超える国際産業連関表を作成してきた。とくに、代表的成果であるアジア国際産業連関表(アジア表)については、2005年表が完成した結 果、30年 間にわたる6時点(1975年、1985年、1990年、1995年、2000年、2005年)の表が利用可能となった。
一方、この間、欧米の研究者の間でも、国際産業連関表の作成手法に関する理論的・技術的な検討の蓄積が徐々に進み、近年では、欧米の学術機関や国際機関を中心に、大規模な国際産業連関表の作成も行われるようになってきた。
このような背景から、本書では、アジア表の作成方法について、他の理論的・技術的研究との関連を整理し、関連分野における位置づけや表の特徴を明らかにし、作成方法のひとつの応用としてアジア表の延長推計を試みる。本書はこれらの作業を通じて、これまでに蓄積されてきたアジア経済研究所の国際産業連関表作成に関する知見を、将来に発展的に引き継ぐための資料を整備することを目的としている。また、アジア表の作成手法とその課題を明らかにすることにより、その特徴や限界をふまえたより正確な分析に資することも意図している。
目次
まえがき
序章 本書のねらい 桑森 啓・玉村 千治
第1節 本書の背景と目的
第2節 本書の構成
第1章 アジア国際産業連関表の概要-作成手順と特徴- 桑森 啓・玉村 千治・佐野 敬夫
はじめに
第1節 アジア国際産業連関表の概要
第2節 アジア国際産業連関表の作成手順
第3節 アジア国際産業連関表の特徴
おわりに
第2章 アジア国際産業連関表の共通部門分類の設定-考え方と方法- 玉村 千治・桑森 啓・佐野敬夫
はじめに
第1節 国際産業連関表の部門分類の設定方法
第2節 一国産業連関表の部門分類と産業分類等との関係-日本表の部門分類を例に-
まとめ
補論 事業所の産業分類格付けとアクティビティについて
第3章 各国産業連関表の延長推計の方法 佐野 敬夫
はじめに
第1節 一国産業連関表の延長推計
第2節 中間取引の延長推計方法
第3節 拡張 RAS 法
おわりに
第4章 輸入財需要先調査を通じた国別輸入表の作成 桑森 啓・玉村 千治・佐野 敬夫
はじめに
第1節 国別輸入表の作成手順
第2節 輸入財に関する特別調査の方法
おわりに
補論 RAS 法による輸入表の修正方法
第5章 アジア国際産業連関表の簡易延長推計 佐野 敬夫・玉村 千治・桑森 啓
はじめに
第1節 アジア国際産業連関表の簡易延長推計の概要
第2節 2010年アジア国際産業連関表の簡易延長推計
おわりに
参考 2005年表と推計2010年表の各種分析係数による 2 時点比較
上記内容は本書刊行時のものです。