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現代アフリカの土地と権力 武内進一(編集) - アジア経済研究所
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現代アフリカの土地と権力 (ゲンダイアフリカノトチトケンリョク)

社会科学
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A5判
315ページ
定価 4,900円+税
ISBN
978-4-258-04631-7   COPY
ISBN 13
9784258046317   COPY
ISBN 10h
4-258-04631-0   COPY
ISBN 10
4258046310   COPY
出版者記号
258   COPY
Cコード
C3330  
3:専門 3:全集・双書 30:社会科学総記
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2017年11月15日
書店発売日
登録日
2017年10月26日
最終更新日
2017年10月26日
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紹介

本書の基本的な問題意識は、アフリカで土地をめぐる激しい変化が起きている昨今の状況をふまえて、1990年代以降土地に対する政策的介入がなぜ実施され、それが農村変容にどのような影響を与えたのかを知ること、そしてそれによって今後に向けた含意を得ることである。ただし、土地に対する政策的介入の影響といっても、特定の政策をインパクト評価のような形で量的に測定することを意図してはいない。本書のねらいはまずもって、近年のアフリカ各国における土地改革の内容と要因、そしてそれが急激な農村変容にどう関係しているのか(あるいは、していないのか)を事例研究によって明らかにすることにある。アフリカ諸国で土地をめぐる急激な社会変化と土地改革が同じ時期に生じたからといって、直ちに両者に何らかの関係があるとはいえない。重要なのは、事例研究の積み重ねをふまえて、どのような条件下で政策が強い影響力をもつのか、そして政策介入がどのようなメカニズムで土地をめぐる農村の変化に影響を与えるのかを検討することだ。それによってはじめて、今日のアフリカで進行する急激な変化のメカニズムを理解し、それへの政策的対応を考えることができるだろう。

目次

まえがき

序章 アフリカにおける土地政策の新展開と農村変容 武内 進一
 はじめに-土地改革の時代における急激な農村変容-
 第1節 1990年代以降のアフリカにおける土地改革
 第2節 土地改革の要因
 第3節 アフリカ農村変容の今日的特徴
 第4節 土地政策の影響を理解するための枠組み
 第5節 各章の紹介

第1章 シエラレオネにおける慣習的土地保有と大規模土地取得-土地改革で何が変わり、何が変わらないか- 落合 雄彦
 はじめに
 第1節 プロヴィンスにおける慣習的土地保有
 第2節 農業開発を目的とした大規模土地取得
 第3節 動き始めた土地改革
 おわりに

第2章 ザンビアの土地政策と慣習地におけるチーフの土地行政 大山 修一
 はじめに
 第1節 ザンビアの土地制度
 第2節 ベンバ王国の社会組織と農業、土地
 第3節 1995年土地法とチーフL領の慣習地
 第4節 新しいチーフが進める土地行政の刷新
 第5節 土地割当書の取得に対する村人の新たな動き
 第6節 土地割当書の取得者と周辺住民との軋轢
 第7節 チーフによる土地所有証明書の剥奪と慣習地への切り替え
 おわりに

第3章 農村部を領域化する国家-エチオピア・アムハラ州農村社会の土地制度の事例- 児玉 由佳
 はじめに
 第1節 EPRDF政権の農業・土地政策
 第2節 アムハラ州における土地不足と土地制度の変遷
 第3節 EPRDF政権下の土地法概観-国家による土地管理制度の確立-
 第4節 村落レベルでの土地管理の実態
 おわりに

第4章 南アフリカにおける慣習的土地保有権改革をめぐる争点と課題 佐藤 千鶴子
 はじめに
 第1節 民主化後の南アフリカにおける伝統的指導者の復権
 第2節 土地保有権改革政策とCLaRA違憲訴訟
 第3節 土地配分と管理をめぐる「生きた」慣習法-旧クワズールー農村の事例から-
 おわりに

第5章 現代タンザニア土地政策の構図-「慣習的」土地権と国土利用計画- 池野 旬
 課題の設定
 第1節 慣習的な土地権認定のレトリック
 第2節 国土利用の構想
 結語にかえて

第6章 モザンビークにおける土地法の運用と政治力学 網中 昭世
 はじめに
 第1節 土地資源の管理と再集権化
 第2節 土地制度改革をめぐる国際的潮流とモザンビーク
 第3節 ナンプラ州モナポ郡の今日的状況
 むすびにかえて

第7章 土地関連法制度改革を通じた紛争抑止の試みとその限界-ケニアの事例から- 津田 みわ
 はじめに
 第1節 ケニアの土地政策と紛争:KANU政権(1960年代~2002年)
 第2節 KANU 政権の終焉と土地問題:NARC =キバキ政権(2002~2007年)
 第3節 連立政権成立と新たな土地政策:キバキ=オディンガ政権(2008~2013年)
 第4節 変容する「歴史的土地不正」への取り組み:ケニヤッタ=ルト政権(2013年~)
 おわりに

第8章 土地政策と農村変容-ルワンダ、ブルンジ、コンゴ民主共和国西部- 武内 進一
 はじめに
 第1節 近年の土地改革
 第2節 政権の性格
 第3節 近年の農村変容の特徴
 まとめと結論

終章 近年のアフリカにおける土地改革と農村変容をどうとらえるか 武内 進一
 はじめに
 第1節 各章が明らかにしたこと
 第2節 1990年代以降の土地法改革をどう評価するか
 第3節 政策的含意と課題

著者プロフィール

武内進一  (タケウチシンイチ)  (編集

武内 進一  東京外国語大学現代アフリカ地域研究センター長/アジア経済研究所上席主任調査研究員
落合 雄彦  龍谷大学法学部教授
大山 修   京都大学大学院 アジア・アフリカ地域研究研究科准教授
児玉 由佳  アジア経済研究所 新領域研究センター・ジェンダー・社会開発研究グループ長
佐藤 千鶴子 アジア経済研究所地域研究センター・アフリカ研究グループ
池野旬    京都大学大学院 アジア・アフリカ地域研究研究科教授
網中 昭世  アジア経済研究所 地域研究センター・アフリカ研究グループ
津田 みわ  アジア経済研究所 地域研究センター・アフリカ研究グループ 主任研究員

上記内容は本書刊行時のものです。