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講談社学術文庫

興亡の世界史 スキタイと匈奴 遊牧の文明

林 俊雄(著/文)
発行:講談社

文庫判   408頁 
定価 1,250円+税

ISBN 978-4-06-292390-3   C0122

書店発売日 2017年1月12日
登録日 2016年12月12日

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紹介

講談社創業100周年記念企画「興亡の世界史」の学術文庫版。大好評、第2期の5冊目。
人口・経済力の点では圧倒的に劣勢なはずの遊牧国家は、隣接する定住農耕社会にとっては常に大きな脅威でした。ペルシア帝国の絶頂期を現出したダレイオス一世をもってしても征服することのできなかった部族集団スキタイ。漢の皇帝たちと対等に闘う軍事力と、李陵や張騫など有能な人材を受け入れる寛容さを持ちあわせていた匈奴。モンゴル高原から黒海北方まで草原を疾駆した騎馬遊牧民にとっては「ヨーロッパ」も「アジア」もありませんでした。定住農耕地帯の文化・社会・道徳とはまったく正反対の騎馬遊牧民。その自然環境、歴史的背景を踏まえ、彼らがいつ頃誕生し、強大な権力を持つようになったのかを明らかにし、ユーラシア大陸の東西に1000年のスケールで展開する騎馬遊牧民の歴史を描きます。
スキタイや匈奴は文字を持たず、自らの歴史を記録することはありませんでした。しかし、幸いにも東西の「歴史の父」と称される稀代のストーリーテラー、ヘロドトスと司馬遷によって、彼らの実力と暮らしぶり、習俗が書き留められています。興味深いことに両者の語るスキタイと匈奴の風俗習慣は驚くほどよく似ていることがわかります。本書では、史書に記された事柄を発掘資料とあわせて騎馬遊牧民の真の姿を浮かび上がらせていきます。
「都市」のない遊牧社会は、「文明」とは無縁の存在、むしろ対極にある「野蛮」の地と思われがちですが、それは定住農耕社会からの一方的な決めつけにすぎません。発掘された草原の覇者たちの装飾品には、豪奢な黄金の工芸品や色鮮やかなフェルト製品などがあり、その意匠から、ギリシアや西アジアの影響を受けながらも、独特な動物文様や空想上の合成獣グリフィンなど独自の美術様式を生み出していたことがわかります。
ソ連崩壊後に可能になったユーラシア草原地帯の発掘調査で、次々と蓄積されている新たな考古学資料。フィールド調査を積み重ねてきた著者ならではの視点で、「もうひとつの文明」の実像に迫ります。
原本:『興亡の世界史02 スキタイと匈奴 遊牧の文明』講談社 2007年刊

目次

はじめに

第一章 騎馬遊牧民の誕生
第二章 スキタイの起源
第三章 動物紋様と黄金の美術
第四章 草原の古墳時代
第五章 モンゴル高原の新興勢力
第六章 司馬遷の描く匈奴像
第七章 匈奴の衰退と分裂
第八章 考古学からみた匈奴時代
第八章 フン族は匈奴の後裔か?

おわりに
学術文庫版のあとがき

参考文献
年表
主要人物略伝
索引

その他情報

書誌確定

著者プロフィール

林 俊雄(ハヤシ トシオ)

1949年東京都生まれ。東京教育大学卒業、東京大学大学院人文科学研究科博士課程東洋史学科単位取得退学。古代オリエント博物館研究員を経て、創価大学文学部教授。専門は中央ユーラシアの歴史と考古学。著書に『ユーラシアの石人』『グリフィンの飛翔』『遊牧国家の誕生』、共著に『中央ユーラシアの考古学』『中央ユーラシア史』ほか。

上記内容は本書刊行時のものです。