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講談社選書メチエ

モンゴル帝国誕生 チンギス・カンの都を掘る

白石 典之(著/文)
発行:講談社

四六判   248頁 
定価 1,650円+税

ISBN 978-4-06-258655-9   C0322

書店発売日 2017年6月10日
登録日 2017年4月20日

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書評掲載情報

2017-09-10 産經新聞  朝刊
評者:楊海英(静岡大学教授)
2017-08-06 読売新聞  朝刊
評者:出口治明(ライフネット生命創業者)
2017-07-30 東京新聞/中日新聞  朝刊

紹介

13世紀にユーラシアの東西を席巻し、その後の世界史を大きく転換させたモンゴル帝国。ヨーロッパが世界を支配する以前に現出した「パックス・モンゴリカ」時代の、人類史における重要性は、近年、広く知られるようになった。しかし、ではなぜ、ユーラシア中央部に現れた小さな遊牧民のグループ、モンゴルにそれが可能だったのか、また、その創始者、チンギス・カンとは、いったいどんな人物だったのか、まだ多くの謎が残されている。本書では、20年以上にわたってモンゴルの遺跡を発掘し続けている著者が、この謎に挑む。
著者がフィールド・ワークから実感するチンギス・カンは、小説などでよく描かれる、果てしない草原を軽快に疾駆する「蒼き狼」、あるいは金銀財宝を手にした世界征服者――というイメージとは異なり、むしろ質素倹約を旨とする質実剛健なリーダーだという。その姿を明らかにしつつある近年の著者の発掘成果が、チンギスの都と目されるアウラガ遺跡である。
チンギスは、ただ戦争に明け暮れるだけでなく、この都をひとつの拠点に、良質の馬と鉄を手に入れ、道路網を整備していった。つまり、産業を創出し、交通インフラを整えることで、厳しい自然環境に生きるモンゴルの民の暮らしを支え続けたのである。その「意図せぬ世界征服」の結果として出現したのが、イェケ・モンゴル・ウルス=大モンゴル国、いわゆるモンゴル帝国であった。
さまざまな文献史料と、自然環境への科学的調査を踏まえ、気鋭の考古学者が新たに描き出すモンゴル帝国とチンギス・カンの実像。

目次

はじめに

第一章 実像を追う――尽きない謎           
1 人類史のなかの「モンゴル帝国」
2 謎の多いチンギス・カン
3 考古学の可能性

第二章 転機を読む――チンギスの誕生
1 誕生と自立
2 大国のはざまで

第三章 寒さに克つ――モンゴルの自然環境
1 年輪が教える極寒
2 草原力と遊牧知

第四章 馬を育む――圧倒的な機動力
1 騎馬軍団の礎
2 兵器としての馬
3 軽装騎兵の導入

第五章 鉄を求める――資源をめぐる争い
1 強大化への助走
2 離反と自立
3 遊牧と鉄
4 鉄山の掌握

第六章 道を拓く――首都とネットワーク
1 最初の首都・アウラガ遺跡
2 交通インフラの整備
3 産業の創出

第七章 故郷を慈しむ――国づくりのヴィジョン
1 草原が生んだリーダー
2 モンゴルに捧げた生涯
3 チンギスが遺したもの

おわりに

参考文献

索引

その他情報

書誌確定

著者プロフィール

白石 典之(シライシ ノリユキ)

1963年、群馬県生まれ。筑波大学大学院歴史・人類学研究科博士課程単位取得退学。博士(文学)。現在、新潟大学人文学部教授。専門はモンゴルの考古学。2003年、第1回「最優秀若手モンゴル学研究者」として、モンゴル国大統領表彰を受ける。主な著書に、『チンギス=カンの考古学』『モンゴル帝国史の考古学的研究』(同成社)、『チンギス・カン―“蒼き狼”の実像』(中公新書)、『チンギス・ハンの墓はどこだ?』(くもん出版)など。

上記内容は本書刊行時のものです。