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ウォークス
歩くことの精神史
原書: WANDERLUST: A History of Walking
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2017年7月
- 書店発売日
- 2017年7月7日
- 登録日
- 2017年6月16日
- 最終更新日
- 2017年7月13日
書評掲載情報
2020-03-08 | 東京新聞/中日新聞 朝刊 |
2020-03-01 |
東京新聞/中日新聞
朝刊 評者: 仲俣暁生(文芸評論家) |
2017-12-10 |
毎日新聞
朝刊 評者: 鴻巣友季子(翻訳家) |
2017-09-24 |
産經新聞
朝刊 評者: 畑中章宏(作家) |
2017-09-03 |
朝日新聞
朝刊 評者: 円城塔(作家) |
2017-08-19 |
日本経済新聞
朝刊 評者: 管啓次郎(比較文学者) |
2017-07-30 |
毎日新聞
朝刊 評者: 鴻巣友季子(翻訳家) |
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紹介
現代アメリカでもっとも魅力的な書き手のひとり、レベッカ・ソルニットの代表作、ついに邦訳!
広大な人類史のあらゆるジャンルをフィールドに、〈歩くこと〉が思考と文化に深く結びつき、
創造力の源泉であることを解き明かす。
アリストテレスは歩きながら哲学し、彼の弟子たちは逍遥学派と呼ばれた。
活動家たちはワシントンを行進し、不正と抑圧を告発した。
彼岸への祈りを込めて、聖地を目指した歩みが、世界各地で連綿と続く巡礼となった。
歴史上の出来事に、科学や文学などの文化に、なによりもわたしたち自身の自己認識に、歩くことがどのように影を落しているのか、自在な語り口でソルニットは語る。人類学、宗教、哲学、文学、芸術、政治、社会、レジャー、エコロジー、フェミニズム、アメリカ、都市へ。歩くことがもたらしたものを語った歴史的傑作。
目次
第1部 思索の足取り The Pace of the Thoughts
第一章 岬をたどりながら
第二章 時速三マイルの精神
第三章 楽園を歩き出て――二足歩行の論者たち
第四章 恩寵への上り坂――巡礼について
第五章 迷宮とキャデラック――象徴への旅
第2部 庭園から原野へ From the Garden to the Wild
第六章 庭園を歩み出て
第七章 ウィリアム・ワーズワースの脚
第八章 普段着の一〇〇〇マイル――歩行の文学について
第九章 未踏の山とめぐりゆく峰
第十章 ウォーキング・クラブと大地をめぐる闘争
第3部 街角の人生 Lives of the Streets
第十一章 都市――孤独な散歩者たち
第十二章 パリ――舗道の植物採集家たち
第十三章 市民たちの街角――さわぎ、行進、革命
第十四章 夜歩く――女、性、公共空間
第4部 道の果てる先に Past the End of the Road
第十五章 シーシュポスの有酸素運動――精神の郊外化について
第十六章 歩行の造形
第十七章 ラスベガス――巡りあう道
訳者あとがき
注釈と出典
前書きなど
歩行の歴史は書かれざる秘密の物語だ。書物に書き残された何げない断片の数々や、歌、街、そして誰もが胸に抱く冒険のうちにそれは潜んでいる。身体という点からみれば、歩行の歴史は二足歩行への進化と人体の解剖学の歴史だ。たいていの場合、歩行とは二つの地点を結ぶほとんど無意識的な移動手段でしかない。しかし思索や儀式や観想と重なることによって、歩くという行為には特殊な領域が形成されている。それは手紙を運ぶ郵便夫や列車に向かうオフィスワーカーの動作と生理学的には同じでも、哲学的には異なる。つまり、歩行という主題は、わたしたちがありふれた行為に賦与している特殊な意味を考えることともいえる。食事や呼吸がさまざまな意味を担っているように、歩行が担いうる文化的な意味には大きな幅がある。セックスから宗教、さらに革命から芸術まで。ゆえにその歴史は、想像力と文化の歴史の一隅を占める。さまざまな時代の多様な歩行者たちとその歩行は、いかなる歓びや自由や価値を追求するものだったのだろうか。(第1章より)
上記内容は本書刊行時のものです。