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新 移民時代 西日本新聞社(編) - 明石書店
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新 移民時代 (シンイミンジダイ) 外国人労働者と共に生きる社会へ (ガイコクジンロウドウシャトトモニイキルシャカイヘ)

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発行:明石書店
四六判
260ページ
並製
価格 1,600円+税
ISBN
978-4-7503-4586-4   COPY
ISBN 13
9784750345864   COPY
ISBN 10h
4-7503-4586-5   COPY
ISBN 10
4750345865   COPY
出版者記号
7503   COPY
Cコード
C0036  
0:一般 0:単行本 36:社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2017年11月
書店発売日
登録日
2017年11月24日
最終更新日
2018年6月22日
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書評掲載情報

2018-03-11 東京新聞/中日新聞  朝刊
2018-01-28 読売新聞  朝刊
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紹介

100万人を超えた日本で働く外国人。単純労働を実質的に担う技能実習生・留学生等の受入れ拡大が「移民政策をとらない」とする政府のもと進められている。国内外の現場を取材し、建前と本音が交錯する制度のひずみを浮き彫りにした西日本新聞連載企画の書籍化。来たるべき社会を見据え、共生の道を探る現場からの報告。

目次

 はじめに

第1章 出稼ぎ留学生
  ■コラム
  ■インタビュー・平田オリザ

第2章 留学ビジネスⅠ ネパールからの報告
  ■コラム
  ■インタビュー・江副隆秀

第3章 留学ビジネスⅡ 学校乱立の陰で
  ■コラム
  ■インタビュー・坂中英徳
  ■インタビュー 留学生の就労問題どう考える・永田大樹/佐藤由利子

第4章 働けど実習生
  ■コラム
  ■インタビュー・石破茂

第5章 変わる仕事場
  ■コラム
  ■インタビュー・堺屋太一

第6章 交差する人々
  ■アメリカからの報告 日系人が見た 揺れる超大国
  ■インタビュー・石坂芳男

第7章 ともに生きる
  ■コラム
  ■インタビュー・安永貴夫

第8章 近未来を歩く
  ■コラム
  ■インタビュー・田中宝紀

公開シンポジウム フクオカ円卓会議
  ■基調講演・國松孝次
  ■パネリスト冒頭発言
  ■討議
  ■参加者アンケート

 おわりに

前書きなど

はじめに

 (…前略…)

 日本で暮らす外国人の数は2008年のリーマン・ショック以降減少したが、2013年以降はアベノミクスを下支えする存在として増加に転じ、2016年末には238万人と過去最多を記録した。住民のうち60人に1人が外国籍という計算になる。
 2016年5月、自民党の労働力確保に関する特命委員会が「単純労働者」の受け入れ解禁を政府に提言。委員長の木村義雄元厚生労働副大臣は、従来の国策について「表向きは鎖国だが、裏木戸からそっと入れて人手不足を補う。黒いカラスを白いという政策だ」と指摘した。ただ、政府関係者によると、1カ月半後に迫る参院選で争点化を避けたい官邸中枢の指示で、提言を受けた議論は選挙後に先送りされた。右派が移民に消極的なためだ。さらに欧州でテロが発生し「議論は凍結されたまま」(与党議員)となった。
 欧州でも第2次大戦後、出稼ぎ労働者を国外から受け入れた国で排斥運動が社会問題化した。「労働力を呼び寄せたつもりが、やって来たのは人間だった」(劇作家マックス・フリッシュ)。このうちドイツは、国民的議論を経て1990年代後半から政策を転換。公費によるドイツ語学習や法律、文化講習など社会統合政策を推進している。
 日本はどうか。留学生や実習生の名の下に安価な労働力を受け入れ、社会保障や教育のコストを生まないよう数年で帰国させる。そんなわが国の対応を「理想的」と評価しているのが、欧米の移民排斥主義者だという。
 世界各国で人材の争奪戦が過熱している。日本にアジアの若者たちが集まる理由は先進国だから、だけではない。働ける国だからだ。このままでは、そう遠くない将来、外国人を受け入れるかどうかではなく、日本に来てくれるかどうかが焦点になるだろう。日本各地と8カ国・地域で取材に当たってきた記者たちの実感だ。本書は「新 移民時代」の連載や特集記事の一部表現や構成を変えて、データなどを加筆したものである。移民ネグレクトに終止符を打ち、具体策へ踏み出すためのヒントがちりばめられていると確信する。なお文中に登場する人々の肩書き、年齢は新聞掲載時のままとした。

 古代の渡来人、中世の南蛮貿易、そして現代。歴史的にも地理的にも文化的にも、九州はアジアから新しい風を受け入れ、地域を活性化させる力を日本中に波及させてきた。外国人に優しい社会は他者に寛容な社会につながる。本書が「他人の不幸のうえに自分の幸福を築くことはしない」という共生の社会を考えるきっかけになれば、何よりの喜びである。

上記内容は本書刊行時のものです。