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子どもの貧困対策と教育支援 末冨 芳(編著) - 明石書店
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子どもの貧困対策と教育支援 (コドモノヒンコンタイサクトキョウイクシエン) より良い政策・連携・協働のために (ヨリヨイセイサクレンケイキョウドウノタメニ)

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発行:明石書店
A5判
384ページ
並製
価格 2,600円+税
ISBN
978-4-7503-4570-3   COPY
ISBN 13
9784750345703   COPY
ISBN 10h
4-7503-4570-9   COPY
ISBN 10
4750345709   COPY
出版者記号
7503   COPY
Cコード
C0036  
0:一般 0:単行本 36:社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2017年9月
書店発売日
登録日
2017年9月27日
最終更新日
2018年8月30日
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書評掲載情報

2017-12-16 日本経済新聞  朝刊
評者: 阿部彩(首都大学東京教授)
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紹介

子どもの貧困問題を「なんとかしたい」と考えている全ての人のための本。子どもの貧困そのものではなく、「どのように子どもの貧困対策を進めればよいのか」に焦点をあて、最前線で挑戦を続ける研究者・実践者・当事者たちが協働した。自治体・学校関係者必携。

目次

 はじめに[末冨芳]


第1部 教育支援の制度・政策分析

第1章 子どもの貧困対策と教育支援[末冨芳]
 1 教育支援の類型化
 2 より有効な教育支援への展望

第2章 乳幼児期の貧困とソーシャルワーク[中村強士]
 1 なぜ、「乳幼児期の貧困」なのか
 2 乳幼児期の貧困と保育所の役割
 3 乳幼児期の子どもとその家族へのソーシャルワーク――保育ソーシャルワークの提起
 4 保育ソーシャルワークの技法――貧困対策をどうすすめるのか

第3章 子どもの健康支援と貧困[藤原武男]
 1 はじめに――「子どもの貧困」による健康への影響
 2 「足立区 子どもの健康・生活実態調査」
 3 生活困難と子どもの不健康の媒介要因
 4 子どもの健康に着目した貧困の連鎖を断ち切るための政策提言

第4章 スクールソーシャルワーカーを活かした組織的・計画的な支援――義務教育の学校からのアプローチ[横井葉子]
 1 事例でとらえる「子どもの貧困」
 2 拡充が進む「スクールソーシャルワーカー活用事業」
 3 スクールソーシャルワーカーを活かした組織的・計画的な支援
 4 進む体制の整備

第5章 ケアする学校教育への挑戦――排除に抗するカリキュラム・マネジメント[柏木智子]
 1 学校における排除の文化とケアする学校
 2 ケアする学校づくりとそのための視点
 3 調査対象校の概要
 4 201X年度D小学校の総合的な学習――地域学習とキャリア学習
 5 D小のケアする学校づくり

第6章 就学援助制度の「課題」――就学援助率はどのような変数の影響を受けているか?[末冨芳]
 1 問題設定
 2 就学援助制度の市町村格差
 3 市町村別の就学援助率はどのような変数の影響を受けているか?
 4 就学援助制度の「課題」

第7章 制度化される学習支援――制度化によって学習支援はどう変化するか[佐久間邦友]
 1 はじめに
 2 常態化する学習支援――学校外を中心とした学習支援
 3 学習支援の制度化に向けての推進力
 4 事例から見る学習支援――埼玉県の生活保護受給者チャレンジ事業
 5 法整備による市部の事業選択
 6 まとめ――制度化によって何が起きるのか

第8章 高校における中退・転学・不登校――実態の不透明さと支援の市場化[酒井朗]
 1 高校における就学・修学問題の重要性
 2 中退・転学・不登校の実態
 3 中退や不登校の背景にある貧困の問題
 4 各自治体における支援の取り組み
 5 私立通信制高校の役割と課題
 6 まとめ

第9章 貧困からの大学進学と給付型奨学金の制度的課題[白川優治]
 1 はじめに――「子どもの貧困」と奨学金制度の分断と接続
 2 高等教育への進学機会の現状と課題
 3 社会課題としての学費・奨学金
 4 奨学金制度の見直しと給付型奨学金の制度枠組み
 5 給付型奨学金制度の成果と課題
 6 まとめ


第2部 当事者へのアプローチから考える教育支援

第10章 静岡市における学校プラットフォーム化[末冨芳・川口正義]
 1 オーソドックスで丁寧な静岡市の子どもの貧困対策
 2 静岡市における学校プラットフォーム化
 3 学校からスクールソーシャルワーカーへ――子ども・家庭の課題が支援につながるまで
 4 「きづく」「つながる」「はぐくむ」――学校プラットフォーム化とは

第11章 高校内居場所カフェから高校生への支援を考える[末冨芳・田中俊英]
 1 サードプレイスとしての高校内居場所カフェ
 2 高校生居場所カフェの設置経緯
 3 学校と居場所カフェのつながり
 4 高校内居場所カフェから高校生への支援を考える――スクールソーシャルワーカーを司令塔とした高校支援チームの構想

第12章 ユースソーシャルワーカーによる高校生支援[梶野光信・柊澤利也]
 1 都立学校「自立支援チーム」派遣事業の施策化の経緯
 2 ユースソーシャルワーカーの職務内容
 3 継続派遣校の取組み
 4 都立学校自立支援チーム派遣事業の成果と課題

第13章 生活支援からの子どもへのアプローチ――「認定NPO法人だいじょうぶ」の実践から[畠山由美]
 1 設立の経緯
 2 最初にやって来た母子
 3 お風呂に入りたい
 4 子どもの居場所づくり
 5 見えにくい貧困
 6 支援によって変わる生活
 7 制度を見直す

第14章 より効果的な学習支援への挑戦[渡 剛]
 1 自主運営の長所と短所
 2 委託事業の長所と短所
 3 学習支援が子ども・保護者により必要とされるために

第15章 当時者経験から伝えたい子どもの貧困対策[佐藤寛太・久波孝典]
 1 貧困家庭で育った私はこんなことに困った
 2 社会的養護には教育的視点が必要
 3 公益財団法人あすのばと活動の3本柱
 4 提言をつくった理由、私たちの思い


終章 「すべての子どもを大切にする」子どもの貧困対策[末冨芳]
 1 「すべての子どもを大切にする」子どもの貧困対策――これからの子どもの貧困対策の3つの視点
 2 子どもの貧困対策の条件整備――11の提言
 3 むすびにかえて

前書きなど

 はじめに[編著者・末冨芳]

 この本は、子どもの貧困問題を「なんとかしたい」と考えている読者をターゲットにしている。子どもの貧困問題の深刻さへの認識を深めるだけでなく、深刻な状況にある子どもたちを「なんとかする」ために、「どのように子どもの貧困対策をすすめればよいのか」ということが、この本のテーマである。
 自治体関係者、非営利団体の関係者、学校の教職員はもちろんだが、厳しい状況にある子どものために何かしたいと考えてくださっているさまざまな立場の読者と、本書が出会うことを期待している。大学生や大学院生の中にも、子どもの貧困問題にどのように取り組めばよいのかを考える若者が増えている、という状況を旧知の研究者より教えてもらうことも多くなった。日本の子どもの貧困対策の未来を担ってくれるであろう若い仲間たちの探求心にも、本書が役立ってくれることを願っている。

 (…後略…)

著者プロフィール

末冨 芳  (スエトミ カオリ)  (編著

日本大学文理学部教育学科教授。1974年生まれ。京都大学教育学部・同大学院教育学研究科修了。専門は教育行政学、教育財政学。福岡教育大学准教授を経て、2010年より日本大学文理学部准教授、2016年より同教授。神戸大学大学院にて博士(学術)を取得。主著は『教育費の政治経済学』(勁草書房、2010年)。参議院文教科学調査室客員調査員(2014年~)。内閣府子供の貧困対策に関する有識者会議委員(2014年~)、文部科学省高校生等への修学支援に関する協力者会議委員(2017年)など、教育分野における子どもの貧困対策に関する研究や提言に取り組んでいる。

上記内容は本書刊行時のものです。