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移民の政治経済学
発行:白水社
四六判
240ページ
定価
2,200円+税
- 書店発売日
- 2017年12月24日
- 登録日
- 2017年10月27日
- 最終更新日
- 2017年12月26日
書評掲載情報
2019-02-17 |
東京新聞/中日新聞
朝刊 評者: 栗原裕一郎(評論家) |
2019-01-26 | 日本経済新聞 朝刊 |
2018-09-22 |
日本経済新聞
朝刊 評者: 福田慎一(東京大学教授) |
2018-02-25 |
読売新聞
朝刊 評者: 三浦瑠麗(東京大学講師、国際政治学者) |
2018-02-17 | 日本経済新聞 朝刊 |
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紹介
「移民」による移民論
本書は、ハーバード大ケネディスクールで20年にわたり移民経済学を研究してきた世界的権威による最新かつ最深の移民論である。著者自身、幼少期にキューバから移ってきた移民でありながら、移民に対する見方は慎重である。
一般に経済学者は貿易や移動の自由を支持する傾向が強い。社会的効率や経済効果といった観点から、開国や移民は全肯定される。それだけではない。さまざまな数式モデルや統計データを用いて、あたかもその推進が客観的な数字に基づいているかのように議論されるのだ。
しかし、労働経済学という視角から見たとき、事実は全く異なる様相を呈する。
まず、経済効果という観点で言うなら、移民には短期的な効果はない。とりわけ未熟な労働者を受け入れた場合は、福祉制度に深刻な打撃を与えてしまう。加えて、雇用を奪われる労働者から安く移民を雇う企業に莫大な富が移転するという事態も招く。
長期の効果もかなり心もとないものだ。それでも高技能から低技能まで、多様な移民を受け入れるのはなぜなのか? 移民を〈労働力〉ではなく〈人間〉としてみること。人文知としての経済学はここから始まる。
上記内容は本書刊行時のものです。