版元ドットコム

探せる、使える、本の情報

文芸 新書 社会一般 資格・試験 ビジネス スポーツ・健康 趣味・実用 ゲーム 芸能・タレント テレビ・映画化 芸術 哲学・宗教 歴史・地理 社会科学 教育 自然科学 医学 工業・工学 コンピュータ 語学・辞事典 学参 児童図書 ヤングアダルト 全集 文庫 コミック文庫 コミックス(欠番扱) コミックス(雑誌扱) コミックス(書籍) コミックス(廉価版) ムック 雑誌 増刊 別冊
家族をテロリストにしないために ドゥニア・ブザール(著/文) - 白水社
..
【利用不可】

家族をテロリストにしないために (カゾクヲテロリストニシナイタメニ) イスラム系セクト感化防止センターの証言 (イスラムケイセクトカンカボウシセンターノショウゲン)

社会一般
このエントリーをはてなブックマークに追加
発行:白水社
四六判
154ページ
定価 1,500円+税
ISBN
978-4-560-09577-5   COPY
ISBN 13
9784560095775   COPY
ISBN 10h
4-560-09577-9   COPY
ISBN 10
4560095779   COPY
出版者記号
560   COPY
Cコード
C0036  
0:一般 0:単行本 36:社会
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2017年7月27日
最終更新日
2017年8月25日
このエントリーをはてなブックマークに追加

書評掲載情報

2017-10-22 読売新聞  朝刊
評者: 宮部みゆき(作家)
MORE
LESS

紹介

フランスの実例は他人ごとではない
 フランスでは、ISのような過激派組織に洗脳される若者が増加し、大きな社会問題となっている。著者は、子どもを組織に取り込まれて苦悩する約400の家族に接し、その恐るべき実態を分析した。
 第1部では、組織による洗脳や取り込みの手口が具体的に説明されている。イスラム系セクトのメッセージはインターネットによって流布され、段階を追って巧妙に若者を洗脳していく。食品・薬品やエコロジーへの批判、消費社会のスキャンダルなど、組織が作成する動画を通じて、若者は「世界は嘘だらけで退廃している」という思いを抱く。自室という安全な空間で、次々とパソコン画面をクリックしていくうちに、その思いは「世界をよくするために何かをしたい」「自分はそのために選ばれた人間なのだ」と変容し、より攻撃的で過激な思想へと飛躍していく。
 第2部では、組織や洗脳から脱却させる方法を示す。いったん洗脳されてしまった若者を脱却させるためには、家族の協力が欠かせない。脱却に成功した人の体験談や感化防止センターの支援は大きな意味をもつ。
 これらの事例は他人ごとではないはずだ。全世界に警鐘を鳴らす生々しい証言である。

著者プロフィール

ドゥニア・ブザール  (ブザール)  (著/文

1964年、フランス生まれ。父はアルジェリア系モロッコ人、母はフランス人。人類学者で、専門はフランスにおけるムスリム研究と宗教問題。2003年、当時のサルコジ大統領から仏イスラム教協議会(CFCM)の唯一の女性メンバーとして任命された。2013年にはライシテ(非宗教)監視委員会のメンバーに就任。2014年、イスラム系セクト感化防止センター(CPDSI : Centre de prévention contre les dérives sectaires liées à l’Islam)を設立。著書に、Ils cherchent le paradis, ils ont trouvé l'enfer「彼らは天国を求め、地獄を見た」、La vie après Daesh「IS 後の人生」、Ma meilleure amie s’est fait embrigader「親友が組織に取り込まれた」など多数。本書は2015年度「レクスプレス誌」のエッセー賞を受賞。

児玉 しおり  (コダマ シオリ)  (翻訳

1959年、広島県生まれ。神戸市外国語大学英米学科、神戸大学文学部哲学科卒業後、会社勤務を経て1989年に渡仏し、パリ第三大学現代仏文学修士課程修了。在仏邦字紙の編集に携わったのち、2002年からフリーの翻訳家、ライターとして、フランスの政治・経済・社会ニュースの翻訳、新聞・雑誌に寄稿。訳書にアンヌ・プリショタ、サンドリーヌ・ヴォルフ『オクサ・ポロック』全6巻(西村書店)、アレクサンドラ・ノヴォスロフ、 フランク・ネス『フォト・ドキュメント 世界を分断する「壁」』(原書房)など。現在、パリ郊外在住。

上記内容は本書刊行時のものです。