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窓から見える世界の風 福島 あずさ(著/文) - 創元社
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窓から見える世界の風 (マドカラミエルセカイノカゼ)

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発行:創元社
B5変型判
112ページ
定価 1,600円+税
ISBN
978-4-422-70109-7   COPY
ISBN 13
9784422701097   COPY
ISBN 10h
4-422-70109-6   COPY
ISBN 10
4422701096   COPY
出版者記号
422   COPY
Cコード
C0071  
0:一般 0:単行本 71:絵画・彫刻
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2017年12月25日
最終更新日
2018年1月15日
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書評掲載情報

2018-05-20 毎日新聞  朝刊
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紹介

地球上では地域によって様々な風が吹き、その土地の気候や風土を形作っている。ある風は恵みの雨をもたらすが、またある風は人間の生活の脅威となる。そして人々は親愛や畏敬の念を込め、古くから風に様々な名前をつけてきた。本書では気象学者である著者が世界の50の風を集め、画家nakabanの絵と散文と一緒に紹介・解説する。旅するようにページをめくり、その土地の空気や、そこに暮らす人々に想いを馳せてみて下さい。 *本書で紹介する風の一例 Elephanta エレファンタ/インド アラビア海の商人たちに、船出の季節を告げる風 Tramontana トラモンターナ/地中海沿岸部 時を超えて、人の心を惑わせる風 肘川あらし/愛媛 川を流れくだる、目で見ることのできる風 Etesians エテジアン/ギリシア、トルコ ギリシア艦隊に勝利をもたらし、歴史を変えた風 *著者「まえがき」より一部抜粋  本書でご紹介する局地風(あるいは地方風)と呼ばれる風は、その土地の地形や地表面状態に応じて、特定の季節や天候のときに決まって吹く、という規則性が特徴です。そのため、固有の名前がつけられているものが少なくありません。名前がつけられているということは、その風と、そこに住む人々の生活や文化との間に、なんらかの関わりがあるということ。本来ならば目には見えない風も、そこに住む人々の営みを通じ、具体的に描き出すことができる、それが局地風の魅力といえるでしょう。  本書の風の解説は、学生をはじめ一般の方でも、そこに住む人々の心に映る風の姿を想像しつつ、気軽に風の名前や特徴を知ることができる、そんなイメージで書かせていただきました。これを読んで、それぞれの風が持つ土地との結びつきを感じ、遠い土地の見えない「風」に想いを馳せる方が一人でも増えたら、という願いを込めています。 *画家「絵の制作記」(あとがき)より一部抜粋 誰にも言ったことのない、とはいえ、さして言うほどのことでもない特技がある。 それは目を閉じると「歩いて」しまうということ。 「歩いて」しまえば、あたかも本当にその場所に居るかのように映像が現れる。 その、全ての映像は過去の何処かで目にしたものなのだろう。 絵本や図鑑、映画、旅の景色や日常で。 そでれもなお説明不可能としか言いようのない 見知らぬ景色が次々と立ち現れるのは何故だろう。 それは記憶と嗜好の掛け算で生じるものと、説明できるかもしれない。 けれどももう一つ。 外的要因として、僕はそれはひょっとしたら風のおかげではないか、と思っている。 例えば、一つの粒子から地質学者はさまざまな推測を取り出すことができる。 風は無数の粒子を運ぶ。世界とその物語の小さな断片を。 そのただ中に私たちは生きているのだから。 コートを着て風に吹かれながら、感じられない何かを感じながら。

目次

002 著者まえがき
004 もくじ
006 世界地図
008 Elephanta エレファンタ/インド
010 Cape Doctor ケープ・ドクター/南アフリカ
012 Bora ボラ/イタリア
014 Tramontana トラモンターナ/イタリアからスペインの地中海沿岸部
016 Mistral ミストラル/フランス
018 Helm Wind ヘルム・ウィンド/イングランド北部
020 Viuga ビウガ/ロシア南部
022 だし/日本
024 Santa Ana サンタ・アナ/アメリカ
026 Chocolate North チョコレート・ノース/ジャマイカ
028 Pampero パンペロ/ウルグアイ、アルゼンチン
030 Brickfielder ブリックフィールダー/オーストラリア
032 Barat バラット/インドネシア
034 落山風 ルオシャンフェン/台湾
036 Kali Andhi カリ・アンディ/インド北西部
038 Shamal シャマル/チグリス・ユーフラテス川下流域
040 Karajol カラジョル/ブルガリア東部沿岸部
042 Sirocco シロッコ/地中海沿岸部
044 Ora オラ/イタリア
046 Fohn フェーン/アルプス山脈
048 Garbin ガルバン/フランス南西部、スペイン北東部
050 Juran ジュラン/スイス
052 Oe オエ/デンマーク
054 Piteraq ピタラック/グリーンランド
056 Elvegust エルヴェガスト/ノルウェー沿岸部
058 肱川あらし ひじかわあらし/日本
060 Kona Storm コナ・ストーム/ハワイ
062 Chinook シヌック/アメリカ、カナダ
064 Tehuantepecer テワンテペカー/メキシコ
066 Hurricane ハリケーン/西半球
068 Abroholos アブロホロス/ブラジル東岸
070 Puelche プエルシェ/チリ
072 Williwaw ウィリウォー/マゼラン海峡、アラスカ、アリューシャン列島
074 Cat’s Paw キャッツ・ポウ/アメリカをはじめ英語圏
076 春一番 はるいちばん/日本
078 Kal Baisakhi カル・バイシャキ/インド、バングラデシュ北部
080 Afghanetz アフガネッツ/中央アジア乾燥地帯
082 Reshabar レシャバー/イラク北部
084 Haboob ハブーブ/スーダン中北部
086 Demani デマニ/東アフリカ
088 Roaring Forties ロアリング・フォーティーズ/南緯40度から50度のあいだ
090 Ghibli ギブリ/モロッコからリビアの沿岸部
092 Levanter レヴァンテ/地中海沿岸部、ジブラルタル海峡
094 Virazon ヴィラゾン/スペイン、チリ沿岸部
096 Vent du Midi ヴァン・デュ・ミディ/フランス
098 Labbe ラビ/フランス南東部
100 Gletscher Wind グレッチャー・ヴィント/アルプス山脈
102 Gregale グリゲール/マルタ島、地中海沿岸部
104 Etesians エテジアン/ギリシア、トルコ
106 Boreas ボレアス/ギリシャ神話の北風の神
108 絵の制作記
110 あとがき・著者紹介

著者プロフィール

福島 あずさ  (フクシマ アズサ)  (著/文

福島あずさ(ふくしま・あずさ)
1982年山梨生まれ、東京育ち。首都大学東京大学院博士課程修了後、2012年より神戸学院大学人文学部講師。学生時代に参加したネパールでのボランティア活動を通じてアジアモンスーンに関心を持ち、そのまま研究者の道へ。専門はアジアモンスーン地域の気候・気象学。最近は、他分野の研究者との交流を通じて知った、インド・アッサム州の茶農園や、日本の古い民家の室内環境などにも興味を持っている。

nakaban  (ナカバン)  (イラスト

nakaban(なかばん)
画家。旅と記憶を主題に絵を描く。絵画作品を中心に挿絵、絵本、漫画、文章、映像作品を発表する傍ら、音楽家のトウヤマタケオと『Lanternamuzica』を結成し、音楽と幻燈のステージを上演。2013年には新潮社「とんぼの本」のロゴマークを制作。主な作品に絵本『よるのむこう』(白泉社)、『みずいろのぞう』(ほるぷ出版)、『ないた赤おに』(浜田廣介作/集英社)、『フランドン農学校の豚』(宮沢賢治作/ミキハウス) 等。

上記内容は本書刊行時のものです。