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宝井其角と都会派俳諧 稲葉 有祐(著) - 笠間書院
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宝井其角と都会派俳諧 (タカライキカクトトカイハハイカイ)

文芸
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発行:笠間書院
A5判
628ページ
上製
価格 9,000円+税
ISBN
978-4-305-70891-5   COPY
ISBN 13
9784305708915   COPY
ISBN 10h
4-305-70891-4   COPY
ISBN 10
4305708914   COPY
出版者記号
305   COPY
Cコード
C0091  
0:一般 0:単行本 91:日本文学総記
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2018年3月
書店発売日
登録日
2018年2月16日
最終更新日
2018年3月7日
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紹介

其角の俳諧は江戸文芸史・文化史にどう位置づけられるのか

芭蕉門最古参の俳人・宝井其角。
言語遊戯性が高く洒落で趣向を好む都会派俳諧で
江戸において絶大な人気を誇った。

研究史に置き去りにされていたその姿を
漢詩を範として確立した〈唱和〉という句作法、
門人たちに委譲された点印による師系伝承の制度、
社会背景・文化的事象の三つの側面から考究。

其角と都会派俳諧の史的な意義を提示し、
新たな価値体系構築への指針を提示する。

目次

はじめに
引用凡例

第一部 其角俳諧の方法 ─〈唱和〉の潮流をめぐって─



第一章 憧憬としての追和
はじめに
第一節 句題という方法 
第二節 虚構の空間、泊船堂 
第三節 東西の呼応『俳諧次韻』 
第四節 「詩あきんど」歌仙の追和 
まとめ 

第二章 挑発としての唱和
はじめに 
第一節 木因との蕉風宣布 
第二節 『冬の日』の衝撃 
第三節 「古池や」句の反響 
第四節 「蓑虫」と素堂・一蝶 
第五節 『続虚栗』の配列法 
第六節 唱和・競吟『句餞別』 
第七節 尾張再遊 
第八節 〈時雨〉の競吟『猿蓑』
第九節 芭蕉終焉と『枯尾華』   

第三章 方法としての「句兄弟」    
はじめに 
第一節 作者の視点と読者の視点 
第二節 漢詩作法と「反転」 
第三節 本歌取と「反転」 
まとめ 

第四章 「句兄弟」の受容
はじめに 
第一節 「句兄弟」の方法と同時代の反響 
第二節 享保期の模索と継承 
第三節 大名文化圏への波及 
第四節 安永・天明期における上方の動向 
第五節 文化期から幕末へ  
   


第二部 点印付嘱の意義 ─俳人達のステイタス─

第一章 点取の展開と点印
はじめに 
第一節 点取の濫觴と変遷 
第二節 点取と其角点印 
第三節 江戸座の組織化 
第四節 江戸座の分裂と座側の形成 
第五節 江戸座点取の隆盛 

第二章 其角の点印、貞佐系Ⅰ類印の付嘱
はじめに 
第一節 其角の点印 
第二節 柳沢文庫蔵点印譲り状 
第三節 平砂から貞喬への付嘱 
第四節 貞喬の夭折と桑岡氏の再興 
第五節 東㝢から月村への付嘱 
まとめ 

第三章 其角の点印、湖十系Ⅱ類印の付嘱
はじめに 
第一節 其角から秋色への付嘱 
第二節 初世湖十老鼠肝と〈其角正統〉 
第三節 二世巽窓の付嘱と点印の複製 
第四節 三世風窓の其角座経営 
第五節 四世晋窓の夭折と五世九窓 
第六節 六世昇窓の其角座再興 

第四章 点印と大名文化圏
はじめに 
第一節 大名点取と其角・沾徳、江戸座   
第二節 紀逸点印の争奪戦 
第三節 米翁の点印趣味 
第四節 菊貫の点印趣味 
まとめ 

第三部 都会派俳諧の諸相

第一章 「闘鶏句合」の構想 
はじめに 
第一節 冠里サロンと「闘鶏句合」     
第二節 隠し点「半面美人」 
第三節 舞台としての「治鶏坊」 
第四節 相撲興行の趣向 
第五節 源平合戦の文脈 
第六節 『史記』の文脈 
第七節 史的位置と意義 
第八節 江戸賛歌・天下祭 
まとめ─「宝永」への祈り 

第二章 江戸俳諧と「初午」 
はじめに
第一節 初期俳諧の「初午」 
第二節 其角と「初午」 
第三節 宝永・享保期の俳諧一枚摺 
第四節 『徘徊稲荷の祭集』と奈良茂 
第五節 『江府諸社俳諧たま尽し』の刊行 
まとめ─その後の「初午」 

第三章 赤穂義士追善への視線 ─七回忌集『反古談』─
はじめに 
第一節 江戸俳諧と赤穂浪士 
第二節 討ち入り、その後 
第三節 『橋南』編集の背景 
第四節 宝永の大赦、七回忌追善へ 
まとめ 
付 録 翻刻『反古談』 

第四章 昇窓湖十伝
はじめに 
第一節 『湖十伝』著者、佐藤信古と昇窓の出自 
第二節 其角座の状況と昇窓の宗匠立机  
第三節 幕閣・大名文化圏と昇窓   
まとめ 

おわりに 

主要参考資料 
掲載図版  
あとがき 
索引(人名/書名)

前書きなど

 元禄七年〈一六九四〉の芭蕉没後、蕉門は、言語遊戯性が高く闊達・洒落で趣向を好む都会派(都市系)と、俗談平話を標榜し平明な句を志向する田舎派(地方系)との二方向に大きく分裂する。前者にいう都市とは特に江戸のことを指し、その代表的な人物が本書で中心に論じる蕉門最古参の俳人、宝井其角(寛文元年〈一六六一〉~宝永四年〈一七○八〉)である。(中略)其角流俳諧の本質的理解なくしては、江戸文芸史・文化史に大きな欠落を生み出しかねず、これを総合的に考察する意義は決して小さくない。このような意図のもと、本書は第一部「其角俳諧の方法─〈唱和〉の潮流をめぐって─」、第二部「点印付嘱の意義─俳人達のステイタス─」、第三部「都会派俳諧の諸相」とし、其角と都会派俳諧を句作法、師系伝承の制度、社会背景・文化的事象との関わりといった三つの側面から考究する。…「はじめに」より

著者プロフィール

稲葉 有祐  (イナバ ユウスケ)  (

1977年東京生まれ。國學院大学文学部卒業。二松學舍大学文学研究科博士前期課程修了。立教大学文学研究科博士課程後期課程修了。博士(文学)。現在、早稲田大学教育・総合科学学術院助教。
著書に『江戸吉原叢刊』第1・4~7巻(共著、八木書店、2011年~2012年)、『化物で楽しむ江戸狂歌 『狂歌百鬼夜狂』をよむ』(共著、笠間書院、2014年)、『連歌大観』第1・3巻(共著、古典ライブラリー、2016年・2017年)など。

上記内容は本書刊行時のものです。