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月並発句合の研究 永井 一彰(著) - 笠間書院
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月並発句合の研究 (ツキナミホックアワセノケンキュウ)

文芸
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発行:笠間書院
A5判
614ページ
上製
定価 15,000円+税
ISBN
978-4-305-70696-6   COPY
ISBN 13
9784305706966   COPY
ISBN 10h
4-305-70696-2   COPY
ISBN 10
4305706962   COPY
出版者記号
305   COPY
Cコード
C0095  
0:一般 0:単行本 95:日本文学、評論、随筆、その他
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2013年5月
書店発売日
登録日
2013年4月11日
最終更新日
2014年10月2日
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紹介

生活の余技として俳諧を楽しむこと、それは蕪村に限らず
近世一般の人々のありようでもあった。

月並発句合(つきなみほっくあわせ)とはどのような仕組の俳諧興行であったのかを探る。

本書は引札(ちらし)を活用し広く句を募り勝句を決するという近世期を通じて広く行われた俳諧の楽しみ方の一つである発句合、中でも「月並発句合」と呼ばれる、月一回(もしくは二回)開催される俳諧の興行の仕組を、地域・撰者・摺物・点帖などの切り口によって考察するものである。

「月刊の結社誌の投句料を添えて主催者に選を頼んで応募するのは、月並発句合の方法と異なることはない」(櫻井武次郎)

【月並発句合の興行は概ね次のような手順で行われる。
① 撰者(宗匠・点者)側が引札を用いて撰者名・題・締切り・投句先・点料・高点句作者への 景品などを投句者へ通知する。題は四季混題・当季題・当月題などさまざま。当月題の場合は 通年分兼題方式が多い。引札の配布範囲は判者の門下が中心であるが、そこへ不特定多数の作 者が参加して来ることも少なくはない。なお、興行に際しては撰者と投句者の間に清書所(清 書役)が介在し、引札の発行・集句などに重要な役目を果たす。
② 締切りまでに集まった句を清書所が清書して撰者に回す。その際、点の公平を期するため、 清書所は投句者の名前を省く。
③ 撰者は点印などを使用しそれに点をかけて清書所へ戻す。清書所は控えていた投句者の名前 を書き入れ、点を集計し、句引きを添える。こうして出来上がった点帖は最終的に巻頭(最高 得点句)の作者に褒美として与えられるのが普通。
④ 点帖をもとに清書所は勝句摺物を印刷し、投句者に配布する。その際、高点句作者には景品 も同時に届けられる。
かような手順で各月一回(もしくは二回)の興行を行うのが月並発句合である。…本書より】

目次

はじめに

論考編 

第一章 元禄月並発句合
 Ⅰ 不角月並発句合
   ①『としし〴〵草』 ②『底なし瓢』 ③『足代』
   ④『水車』 ⑤『草結』 ⑥『さるをがせ』
 Ⅱ 調和月並発句合
   ①『夕くれなゐ』 ②『調和発句合点帖』
 Ⅲ 無倫月並発句合
   ①『蒲の穂』付『木芽』 ②『不断桜』
 Ⅳ 一晶月並発句合
   ①『万水入海』 ②『一塵重山集』 ③『一晶判発句合点帖切』
 Ⅴ 上方の事情

 第二章 宝暦・安永・天明月並発句合
 Ⅰ 宝暦月並発句合
   ①『心葉集』 ②『金官城』
 Ⅱ 安永月並発句合
   ①『誹諧しをり萩』 ②『俳諧眉の山』
 Ⅲ 天明月並発句合
   ①『午のとし詠艸留』付『天明二壬寅歳旦集』 ②『題詠句集』

 第三章 几董判月並発句合
 Ⅰ 几董判月並発句合の概略
 Ⅱ 点帖と摺物
   ①1 点帖『しづのおだまき』 ①2 『暮雨巷撰月次秀句』
   ②1 樗良撰加点帖『五月会月並』 ②2 『無為庵樗良叟月並撰句』
   ③『天明四年甲辰発句巻』 ④『蕪村自筆加判帖』 ⑤堀家『蕪村評点帖』
   ⑥蕪村点評『秋題点取帖』 ⑦『蓼太判月並発句合点帖』
 Ⅲ 几董点帖からの距離
 Ⅳ 各論
   ①題 ②場・所 ③取り合せ・かけ合せ ④中七文字・上五・座句
   ⑤真率 ⑥精工・詞の作 ⑦幽艶・幽玄 ⑧意味深長・深意
   ⑨余情・余韻 ⑩古典・故事・古句 ⑪あはれ ⑫力あり・強し
   ⑬俳諧性 ⑭景と情 ⑮盗作

翻刻編 

 第一章 几董判月並発句合
   底本 凡例 翻刻

 第二章 落梅窩星池撰三棲月並発句合
   概略 凡例 翻刻

 第三章 聴亀菴紫暁撰月並発句合
   概略 凡例 翻刻

著者プロフィール

永井 一彰  (ナガイ カズアキ)  (

昭和24年岐阜県生まれ。滋賀大学教育学部卒。大谷大学大学院文学研究科博士後期課程満期退学。奈良大学文学部教授。博士(文学)。著書に『蕪村全集・連句編』(講談社、分担執筆)『藤井文政堂板木売買文書』(青裳堂書店)、主要論文に「『おくのほそ道』蛤本の謎」「芭蕉という利権(一)(二)(三)」「板木のありか」「『笈の小文』の板木」「一茶等『七評ちらし』の板木」「俳書の板木」などがある。

上記内容は本書刊行時のものです。