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菅原道真 佐藤 信一(著) - 笠間書院
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菅原道真 (スガワラノミチザネ)

文芸
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発行:笠間書院
四六判
128ページ
並製
定価 1,200円+税
ISBN
978-4-305-70643-0   COPY
ISBN 13
9784305706430   COPY
ISBN 10h
4-305-70643-1   COPY
ISBN 10
4305706431   COPY
出版者記号
305   COPY
Cコード
C0092  
0:一般 0:単行本 92:日本文学詩歌
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2012年11月
書店発売日
登録日
2012年10月12日
最終更新日
2020年6月23日
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書評掲載情報

2013-02-24 日本経済新聞
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重版情報

2刷 出来予定日: 2020-06-15
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紹介

うたの森に、ようこそ。
柿本人麻呂から寺山修司、塚本邦雄まで、日本の代表的歌人の秀歌そのものを、堪能できるように編んだ、初めてのアンソロジー、全六〇冊。「コレクション日本歌人選」の、菅原道真です。

道真にとって詩作は、
鬱屈した心の声を聴いてくれる
友を求めるためのものではなかったか。

菅原道真(すがわらのみちざね)
平安前期の最大の漢詩人であり政治家。学者の家から出て、宇多(うだ)天皇に愛され、右大臣にまで昇ったが、道真の躍進に危機感を抱いた藤原氏の讒(ざん)に遭(あ)って大宰府に左遷(させん)され、同地で悲痛のうちに亡くなったことは有名。死後になって、都に数々の祟りをなした怨霊として恐れられ、やがて雷神信仰と合体して天満天神に封じられたことでも知られている。また学問の神ともなった。

目次

 和歌
01 秋風の吹上に立てる白菊は花かあらぬか浪の寄するか
02 このたびは幣も取りあへず手向山紅葉の錦神のまにまに
03 桜花主を忘れぬものならば吹き来む風に言づてはせよ
04 君が住む宿の梢の行く行くと隠るるまでに帰り見しやは
05 天つ星道も宿りもありながら空に浮きても思ほゆるかな
06 流れ木も三年ありてはあひ見てん世の憂きことぞ帰らざりける
07 東風吹かば匂ひおこせよ梅の花主なしとて春を忘るな
08 天の下逃るる人のなければや着てし濡れ衣干るよしもなき
09 草葉には玉と見えつつ侘び人の袖の涙の秋の白露
10 谷深み春の光の遅ければ雪に包める鶯の声
11 降る雪に色まどはせる梅の花鶯のみや分きて偲ばん
12 道のべの朽木の柳春くればあはれ昔と偲ばれぞする
13 足引きのこなたかなたに道はあれど都へいざと言ふ人ぞなき
14 天の原あかねさし出づる光にはいづれの沼か冴え残るべき
15 月ごとに流ると思ひします鏡西の空にも止まらざりけり
16 山別れ飛び行く雲の帰り来る影見るときはなほ頼まれぬ
17 霧立ちて照る日の本は見えずとも身は惑はれじ寄るべありやと
18 花と散り玉と見えつつ欺けば雪降る里ぞ夢に見えける
19 老いぬとて松は緑ぞまさりけるわが黒髪の雪の深さに
20 筑紫にも紫生ふる野辺はあれど無き名悲しぶ人ぞ聞えぬ
21 刈萱の関守にのみ見えつるは人も許さぬ道辺なりけり
22 海ならず湛へる水の底までも清き心は月ぞ照らさん
23 流れ木と立つ白波と焼く塩といづれか辛きわたつみの底
24 流れゆく我は水屑となり果てぬ君しがらみとなりて留めよ
25 夕されば野にも山にも立つ煙歎きよりこそ燃えまさりけれ
26 作るともまたも焼けなむ菅原や棟の板間の合はぬかぎりは

漢詩
01 月夜見梅花
 月耀如晴雪
 梅花似照星
 可憐金鏡転
 庭上玉房馨

   月夜に梅花を見る
  月は耀くこと晴れたる雪の如く
  梅は花さくこと照れる星に似たり
  憐れむべし金鏡の転きて
  庭上に玉房の馨れることを

02 春日過丞相家門
 除目明朝丞相家
 無人無馬復無車
 況乎一旦薨已後
 門下応看枳棘花

   春日、丞相の家の門を過ぐ
  除目の明朝丞相の家
  人無く馬無く復た車無し
  況んや一旦薨じてより已後
  門下応に看るべし枳棘の花

03 尚書左丞餞席
  同賦贈以言
 讃州刺史自然悲
 悲倍以言贈我時
 贈我何言為重宝
 当言汝父昔吾師

   尚書左丞の餞の席にて
   同じく贈るに言を以てすといふことを賦す
  讃州の刺史自然に悲し
  悲しみは倍す、言を以て我に贈りし時
  我に贈るに何の言か重き宝と為さば
  当に汝の父は昔の吾が師なりと言ふべし

04 題駅楼壁
 離家四日自傷春
 梅柳何因触処新
 為問去来行客報
 讃州刺史本詩人

   駅楼の壁に題す
  家を離れて四日、自ら春を傷む
  梅柳何に因りて触るる処新なる
  為に去来する行客の報ぐることを問ふ
  讃州の刺史本より詩人

05 漁父詞。屏風画也。
 抱膝舟中酔濁醪
 此時心与白雲高
 潮平月落帰何処
 満眼魚蝦満地蒿

   漁父の詞。屏風の画なり。
  膝を抱き舟の中に濁醪に酔ふ
  此の時心は白雲と与に高し
  潮平に月落ちて何れの処にか帰らむ
  満眼の魚蝦満地の蒿

06 九日侍宴、同賦菊
  散一叢金  応製
 不是秋江練白沙
 黄金化出菊叢花
 微臣把得嬴中満
 豈若一経遺在家

   九日宴に侍る、同じく菊一叢の金を
   散ずといふことを賦す、製に応ず
  是れ秋江に白沙を練るにあらず
  黄金化出す菊叢の花
  微臣の嬴の中に把り得て満つ
  豈に一経の遺りて家に在るに若めや

07 九月十日
 去年今夜侍清涼
 秋思詩篇独断腸
 恩賜御衣今在此
 捧持毎日拝余香

   九月十日
  去にし年の今夜 清涼に侍りき
  秋の思ひの詩篇 独り腸を断つ
  恩賜の御衣は今此に在り
  捧げ持ちて日毎に余香を拝す

08 謫居春雪
 盈城溢郭幾梅花
 猶是風光早歳華
 雁足粘将疑繫帛
 烏頭点著思帰家

   謫居の春雪
  城に盈ち郭に溢れて幾ばくの梅花ぞ
  猶是れ風光の早歳の華のごとし
  雁の足に粘き将ては帛を繫げたるかと疑ふ
  烏の頭に点し著きて家に帰らむことを思ふ

歌人略伝
略年譜
解説「歌人であり政治家もあった詩人 菅原道真」(佐藤信一)
読書案内
【付録エッセイ】「古代モダニズムの内と外(抄)」(大岡信)

著者プロフィール

佐藤 信一  (サトウ シンイチ)  (

1961年香川県生。東京大学大学院人文科学研究科修士課程(国語国文学専攻)修了。現在 白百合女子大学国語国文学科教授。主要著書・論文「石上乙麻呂の表現について」(『万葉集と漢文学』汲古書院)「菅原道真と是善」(『菅原道真論集』勉誠出版)『源順漢詩文集』(共著、私家版)

上記内容は本書刊行時のものです。