書店員向け情報 HELP
出版者情報
書店注文情報
在庫ステータス
取引情報
新 源氏物語は読めているのかⅡ
桐壺帝による《宿曜》支配・姫君の育て方
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2010年5月
- 書店発売日
- 2010年5月14日
- 登録日
- 2010年4月20日
- 最終更新日
- 2014年8月14日
紹介
源氏物語を導き続ける《宿曜》そのものの実態を明らかにする書。
語義を見極め本文を分析することで、物語全体を支配する《宿曜》の実態や、姫君の育て方、琴(きむ)の伝授といったテーマを読み解くと、そこには従来見えてこなかった伏線や人物像などが浮上する。新たな源氏物語の解釈を提示する一書。著者の源氏物語論、待望の第四弾。
源氏物語は、滅びゆく天皇親政の世に捧げた紫式部の挽歌である----。
目次
本書を読む前に
はじめに
第一章 桐壺院の亡霊の告げ--院の苦悩と光源氏の再生
一 桐壺院の苦悩
二 澪標巻--光源氏の死と再生
三 「おのづから犯しありければ、その罪を終ふるほど暇なくて」をなぜ取り上げるのか
第二章 《宿曜の予言》の実現化の道程
一 桐壺帝による《宿曜》への働き掛け
二 光源氏の須磨脱出 故院の《宿曜》への働き掛け
三 明石入道
第三章 藤壺の懐妊・ストイックな男光源氏と正妻葵との仲
一 藤壺の懐妊
二 ストイックな男光源氏と正妻葵との仲
第四章 源氏物語における「琴(きむ)」
一 導入
二 「琴(きむ)」の奏者
1 公的場面
2 私的場面
三 源氏物語における「琴(きむ)」の伝授
1 桐壺帝の御子教育
2 光源氏による琴(きむ)論と光の現実
四 異例の伝授
1 末摘花
2 (1)明石入道・明石君
(2)「ひが事どもに書きなしたれば」
3 小野の尼君
第五章 小野の大尼・横川僧都--源氏物語の最終世界
一 導入 横川僧都の母の尼君
二 桐壺帝の御子達
三 浮舟と横川僧都・大尼・妹尼との出会い
1 出会いの状況
2 何が出会いを実現させたか
一 問題の所在
二 初瀬観音の力
三 僧都の信念--故桐壺院のリードによる女人往生
3 僧都の浮舟への対し方・浮舟救済の意味
四 桐壺帝による全源氏物語支配
付 一院の御子達
付章一 源氏物語における普賢菩薩信仰 覚え書き
第六章 姫君の育て方
一 末摘花の意識と光源氏のそれとのギャップ
二 内大臣の姫君の育て方
第七章 光源氏による玉鬘教育
一 光源氏による玉鬘教育の基本方針
二 親としての光のスキンシップとその〈核心〉--女性からの切り返し--
1 光と玉鬘との初対面(十月)
2 元旦の参座
3 はじめてのスキンシップ
4 梅雨の季節、物語とは
5 夏、光が大和琴を教える
6 初秋の篝火
7 野分
三 「心清し」髭黒の玉鬘評・光源氏の本性の証明
第八章 光源氏と朧月夜との仲
一 二人の出会い
二 水面下での、光・朧月夜の関係の継続
三 尚侍朧月夜
四 二人の別離
五 光源氏帰京後
付「承香殿の御兄弟の藤少将」「もどききこゆるやうもありなんかし」(賢木一〇六)の解釈
第九章 朧月夜考--ウチアダケスキタル人
一 光源氏帰京後の二人の仲
二 二人の最後の対面
三 朧月夜の出家--ウチアダケスキタル人
第十章 花散里考
一 光源氏の花散里訪問
1 花散里巻
2 光源氏須磨蟄居を決意する
3 光源氏帰京、二十八歳の秋
4 「花散里」とは
二 二条東院
三 六条院造営
付章二 光と紫との新手枕・「三つが一つにてもあらむかし」
三 「女ばかり、身をもてなすもところせうあはれなるべきものはなし」
既発表論文と各章との関係
あとがき
上記内容は本書刊行時のものです。