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新古今集古注集成
近世新注編2
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2014年10月
- 書店発売日
- 2014年10月17日
- 登録日
- 2014年9月16日
- 最終更新日
- 2014年10月20日
紹介
新古今和歌集の古注に関心を持つ研究者が集まりまとめていくシリーズ、新古今集古注集成 全十巻のうちの9冊目。本巻には、近世新注編として、『新古今集渚の玉』と『尾張廼家苞』の2作品を収録。
衣川長秋が著わした『新古今集渚の玉』は、九州大学附属図書館所蔵の写本。衣川長秋が『新古今和歌集』から、「もくずが中にうるハしき玉のめでたき歌」(序文に依る)二〇八首(うち一首は補足注釈)を抄出して口語訳をしたものであり、『新古今和歌集』に関する口語訳注釈書の嚆矢として注意される書。その口語訳は本居宣長の『古今集遠鏡』に倣った近世の上方ことばに因っていて、現代の訳文とは異なる。衣川長秋は伊勢の人。本居宣長の門人。宣長没後は春庭に師事した。鳥取藩国学教授。周令・宰記・直記と称し、瓊斎と号した。
『尾張廼家苞』は、江戸時代後期の国学者、石原正明(一七六〇~一八二一)が著した『新古今和歌集』の注釈書。書名にも明らかな通り、かつて師と仰いだ本居宣長の注釈『美濃の家づと』に対し、種々導かれながらも、一方で同調しがたいものを感じていた著者が、その『美濃の家づと』の本文を引きつつ、小字二行の割注を付す形(割書)によって、自説を対比させたもの。『美濃の家づと』が採用しない歌も取り上げ、同じ割書の形式で注釈を施している。成立は定かではないが、巻頭の正俊の序文が記された文政二年(一八一九)四月をあまり遡らない時期と見られる。専ら板本で流布し、文政二年刊記本以下多くの後刷本が伝存する。版は明治以降まで重ねられた。
目次
凡例
翻刻本文
9 新古今集渚の玉(九州大学附属図書館本)…荒木 尚
10 尾張廼家苞(板本)…寺島恒世
解題
9 新古今集渚の玉…荒木 尚
10 尾張廼家苞…寺島恒世
【凡例】
一、底本は、出来るだけ誤脱のない善本を選び、他の善本二本で校合し、上欄に校異を記した。但し、略校合とし、漢字・仮名の別などは示さない。
二、注を有さない歌本文は省略した。
三、歌番号は、新編国歌大観番号を使用し、和歌の下にその本の歌番号を記した。(但し抜書した場合は、その本の歌番号はつけない。)
四、底本の朱点、鈎点、声点、重ね書き、ミセケチ、異文、傍注、奥書などを含め忠実に翻刻した。但し、以下の諸点については統一した。
五、頭書は、上の校異欄に(頭書)として記した。但し、板本の場合は、注記は特につけなかった。
六、重ね書きは、下の文字が判読可能の場合、下の文字を本文中に( )で示し、右に小書きして重ね書きの文字を記した。
七、漢字は、枩・峯などの異体字の類や穐・嶋・鴈などの別体の字は、通常字体に統一した。但し、川・河、峰・嶺、頃・比などは、元来別字だから統一しない。なお、哥・謌・歌は、区別して示した。
八、朱墨の別については、必要のある場合のみ(朱)と示し、解題でことわった。
九、宛字は、原則として底本のままとした。
十、漢文は、訓点を含め底本どおりとし、訓点は付けなかった。(底本の訓点が誤っている場合は、マヽとし、校合本で訂正出来る場合は直し、頭注にその旨を記した。)
十一、清濁の区別を行い、句読点は最小限度で付け、文末に句点を付けた。
十二、頭注の校異表記は、清濁の区別をせず、句点は読点で示し、末尾にはつけなかった。
上記内容は本書刊行時のものです。