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オッペケペー節と明治 永嶺 重敏(著/文) - 文藝春秋
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オッペケペー節と明治 (オッペケペーブシトメイジ)

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発行:文藝春秋
新書判
224ページ
定価 880円+税
ISBN
978-4-16-661155-3   COPY
ISBN 13
9784166611553   COPY
ISBN 10h
4-16-661155-0   COPY
ISBN 10
4166611550   COPY
出版者記号
16   COPY
Cコード
C0295  
0:一般 2:新書 95:日本文学、評論、随筆、その他
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2017年12月20日
最終更新日
2018年1月16日
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書評掲載情報

2018-03-31 日本経済新聞  朝刊
2018-02-25 読売新聞  朝刊
評者: 戌井昭人(作家)
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紹介

なにが文明開化だYO! 金持ちにNO!
明治二十年代に日本中で大ブームを巻き起こしたラップの元祖とでもいうべき歌「オッペケペー節」の謎を追って、近代がはじまった日本へタイムスリップ!

明治二四、五年ごろ、日本中の人々が口ずさんでいた「オッペケペー節」。
七五調の歌詞の途中や末尾に「オッペケペッポー、ペッポーポー」という囃子ことばが入るスタイルの歌だ。
ひょうきんな言葉の響きとは裏腹に、その歌詞には「心に自由の種を蒔け」「洋語をならふて開化ぶり」など、政治的なメッセージや、鋭い批判、風刺があふれていた。
これが文明開化の荒波に翻弄されていた当時の民衆の心をつかむ。

流行の発信源は、政治活動家から落語家に転身し、のちに演劇人として名をなした川上音二郎。テレビやラジオはおろか、レコードもない時代に、全国津々浦々まで広まり、明治期最大の流行歌の一つとなった。

この歌が流行した明治二〇年代は、あらゆる面で日本に近代が訪れていた。
大日本帝国憲法が公布されて、最初の総選挙が実施され、最初の議会が開かれた。議会政治の幕開けである。
東海道線の新橋-神戸間が開通、幹線網も拡大し、人々の移動量が飛躍的に増大しはじめるなど、社会的インフラが発展した時期だった。
メディアの転換期でもあった。新聞雑誌といった新しい活字メディアが生活に浸透しはじめ、蓄音機という新たな音声メディアが登場した。
二葉亭四迷の言文一致体小説『浮雲』が出版されたのも明治二〇年である。

そんな時代に広まり、いまとなっては忘れ去られてしまった「オッペケペー節」。
誰が作ったのか、誰が歌い始めたのかも分からない、この歌を通して、近代化が始まった時代の空気に迫る。

上記内容は本書刊行時のものです。