半日で巡る故宮博物院の精華堪能故宮in台北
小暮 満寿雄
発行:まどか出版
この版元の本一覧
A5判変型 212ページ 並製
定価:1,500円+税 総額を計算する
ISBN978-4-944235-40-7 C0026
在庫あり
奥付の初版発行年月:2008年04月
書店発売日:2008年04月22日
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紹介

 ロンドンの大英博物館、パリのルーヴル、ニューヨークのメトロポリタンとともに、世界四大博物館の一つに数えられる一大ミュージアムが、台湾にある故宮博物院です。
 70万点という膨大な収蔵品があり、ことに陶磁器は、名品だけで中国陶磁の歴史が辿れるという充実ぶり。展示は数千点といえど、旅行中に立ち寄ったのでは、じっくり味わう時間はありません。
 しかし、ご安心を。画家で漫画家で作家の著者が、ユーモラスな筆致でガイドいたします。また、豊富なイラスト解説やコマ漫画などで、主な作品とともに製作法や関連人物などをエピソードとともに紹介します。
 これで短い時間の鑑賞でも、たっぷりと故宮を堪能できるのです。

目次

口絵 故宮の代表作
まえがき 6

故宮へのいざない 15
文化のタイムカプセル・故宮 16
■生まれ変わった故宮
■皇帝に愛されたコレクションたち

第1章 玉器の部屋 29
人気者の白菜と豚肉 30
■まずは「翠玉白菜」から
■はたして芸術? 本物と見まがう肉形石の存在

第2章 青銅器時代の部屋 45
中華文明の原点 46
■重厚な器「毛公鼎」
■毛公、国を守る!
■青銅器は古代のテクノロジー
■殷の紂王、釣り人に倒される?
■春秋・戦国時代から秦の始皇帝
■生け贄の血を吸った「人面文鉞」
■古代中国の剣は、シンプルかつ強靭だった
<コラム>ペルシャ生まれのトルコ石
■古代中国の精霊——饕餮文
■古代中国と古代メキシコ——その不思議な共通点
■秦、漢は中国を作った時代
■青龍、白虎、朱雀、玄武は、漢代の人気キャラクター
■嘉量——王朝変われば品変わる

第3章 宋代までの陶磁器の部屋 83
名器で歴史をたどる 84
■白磁穿帯壺——それは遊牧民の水筒からはじまった
■宋代はチャイナ・ルネサンス
■どこが違う?——陶器と磁器
■汝窯、青の秘密
■定窯の白磁、線刻のエレガンス
■耀州窯のコントラスト
■周を眺めた宋王朝

第4章 明清代の陶磁器・工芸の部屋 109
驚異の技術! 110
■永楽帝・龍紋天球瓶物語
■生まれが違う小さな一対
■朝廷・文人・商人——三つのパトロンの時代
■豪商たちの「登龍門」
■景徳鎮小話
■皇帝が愛した堆朱漆器
<コラム>漆は世界最古の接着剤
■乾隆帝のコレクション
■神業の工芸品
■清代磁器の華麗な装飾
■中国と西欧の融合——極彩色の琺瑯

第5章 書と絵画の部屋 153
書は人となりが見える 154
■四千年の筆遣い——書のさまざま
漢字の祖先・甲骨文
青銅器に鋳込まれた文字・金文
始皇帝が統一した文字・篆書
現在の漢字の原型・隷書
早く書くために生まれた書体、草書と行書
漢字の完成型・楷書
■王羲之——失われた書を求めて
■武人書家・顔真卿
■江戸は木版、北京は活版
絵画 177
■山水画——見出されたアイデンティティ
■北宋山水画の三役揃い踏み
■風流天子・徽宗皇帝
■乾隆帝と郎世寧

名宝流転、故宮文物の旅 196
皇帝たちの遺産/さまよえる文物たち/新天地・台湾へ!
順益台湾原住民博物館 202

あとがき 209

参考文献

前書きなど

 さあ、みなさん。いよいよ、台北・故宮博物院が近づいてきました。
 何かと驚くことの多い台湾のなかでも、台北・故宮博物院の与えるインパクトは特別なものです。なにせ、ここはお隣にある中国・歴代皇帝たちが四千年かけて集めた文物を、ごっそり一堂に集めた場所なのですから。

 え? そういえば北京にも故宮博物院があるけど、ここ台北・故宮博物院とどう違うのかって? ウーム、実によい質問ですね。
 北京・故宮博物院といえば、かつて「紫禁城」と呼ばれ、明代以降に皇帝の住まいとなった広大な宮殿です。あの映画「ラスト・エンペラー」の舞台となった場所として、ご存知の方も多いかと思かもしれません。
 ”故宮”というのは「かつて宮殿だった地」を意味します。ですから北京の故宮は、文字どおり皇帝の住まいだったことで、その名があります。一方、台北には宮殿はありませんでしたが、かつて「故宮」にあった数多くの文化財を収蔵しているため、「故宮」の名を冠しているのです。つまり、北京の故宮に収蔵されていたものが、先の大戦の混乱期に台湾に移されたのです。その詳しい経緯は、巻末近くの「名宝流転、故宮文物の旅」に書きましたからそちらをご覧ください。
 その移ってきた故宮が、今からみなさまとご一緒に見てまわる「台北・故宮博物院」なんですね!
 ここには、まさに中華文明のエッセンスが、雫となり玉となったような美術品数千点が、ところ狭しと並べられています。
 だからこの巨大ミュージアムの展示品を半日で観賞するなどは、限りなく不可能に近いこと。さらに七〇万点という全部の収蔵品をじっくり見ようとすれば、十年二十年……いや、一生かかってもまだ足りません。
 だからこそ、そんな巨大ミュージアムを見る際には、予備知識を持ってポイントを絞って見たいものです。また故宮の文化財のなかには、今では使われなくなったものも多く、見ただけでは何だかわからない品物も少なくありません。拙著『堪能ルーヴル』でも同じ試みをしましたが、”知らないで見る”のと”知って見る”のでは天地雲泥の違い。わずかな予備知識で見る人が幸福になる、というわけですね。
 では、これから夕食までの短い間——少し駆け足で、この素晴らしいミュージアムを回ることにいたしましょう。夕食の話題が軽やかになり、食事がすすむこと受け合いですよ!(前書きより)

版元から一言

◎ここがポイント      
・リニューアルされた故宮博物院の展示のままに順に辿りながら古代から唐や宋の時代を経て清朝にいたるまでの流れをわかりやすく解説します。
・豊富な知識に裏打ちされた軽妙な語り口で製作法や関連人物などのエピソードとともに故宮の文化財を紹介します。
・挿絵、漫画、脚注など、誰にでも気軽に読めて、かつ十分な知識が得られるような工夫が満載です。

◎こんな人にお薦め
・これから台湾旅行を計画していらっしゃる方や、もうすでに故宮博物院へ行ってこられた方。
・中国の歴史や文化、また陶磁器や書画などに関心がある方。
・中国の歴史や文化、また陶磁器や書画などには関心がないけれど、台湾旅行では故宮へ行こうと思っている方。

著者プロフィール

小暮 満寿雄(コグレ マスオ)

画家、作家。東京生まれ。3歳から東京・赤坂の浄土寺境内で育つ。1986年多摩美術大学院修了。86年より厚木市の中学校で2年間だけ教員生活を送る。88年よりインド、トルコ、ヨーロッパ方面を歩いたのち、ジーイー企画センターを経て1996年に独立。現在は年に1回ほど個展を開き、著作やルポルタージュを中心に仕事をこなしている。

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